「バスに乗り遅れて田舎の畦道を一人で歩いているうちに日が暮れちまってね、暗い坂道を心細く歩いていると……ポツンと一軒の農家が建っているんだ。……りんどうの花が庭いっぱいに咲いていてね。あけっ放した縁側から、灯りのついた茶の間で、家族が食事をしているのが見える。わたしはね、今でもその情景を、ありありと思い出すことが出来る。庭一面に咲いたりんどうの花http://www.prostaff.ne.jp/rindo/、あかあかと灯りのついた茶の間、にぎやかに食事をする家族たち……、わたしはその時、それが……、それが本当の人間の生活っていうもんじゃないかと……ふと、そう思ったら、急に涙が出てきちゃってね……」
↑ある映画(男はつらいよ第八作)での名優志村喬さんの台詞。

ピアノ版ワーグナー・コンサート

プレイズ・ワーグナー

プレイズ・ワーグナー

ヴェルデュラン夫人の夜会http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040904のメンバーである若いピアニストは、ワーグナーを素晴らしく弾くことで、ヴェルデュラン夫人のお気に入りだったが、その若いピアニストが「ワルキューレの騎行」か、「トリスタンとイゾルデ」の序曲を弾こうとすると夫人は「私を興奮させすぎるのはやめて!」と、ピアニストに抗議するのだった。
グレン・グールドに関する日記に触れることはあっても、グレン・グールドワーグナー=グールド編曲「ピアノ版ワーグナー・コンサート」に触れた日記を目にした記憶はあまりない。僕はかれこれ二十年ちかくこのグールドの「ワーグナー・コンサート」を愛聴している。これともう一つ、グールドの弾くベートーヴェン「ピアノソロ・運命」も好きな盤の一つ。