所沢の住民投票


天気予報がはずれたのが幸い、風は少々冷たいが青空が広がった。豊田・藤岡緑化センターでの「季節の花めぐり」は開催された。冬枯れの広い園内で寒さに向かって咲いているのが梅とシナマンサクだけと云っていいほどだ。            


特に梅は街中の梅林で見る梅とは趣が違って、「凛として咲く」の言葉がぴったりの咲き方をしている感じがしてならない。山の中の気候のせいだろうか。先月のこの会の時には、先生がマロニエやオニグルミの葉痕を見つけてくれたが、きょうはユズリハの葉痕が見つかった。


小中学校の教室にエアコンは必要か。教室に冷暖房など考えもしない頃に通学した世代としては、東京都ではほぼすべてに設置されていると聞いて驚く。


航空自衛隊入間基地をかかえる埼玉県所沢市。9年前から基地周辺の学校の騒音対策のため順次エアコン設置を始めた。ところが平成23年に初当選した市長が撤回を決めた。東日本大震災を経験し、快適さを求める生活を見直すべきだ。との考えらしい。



それに反発する保護者たちは、エアコン設置の是非を問う住民投票にこぎつけた。日曜の投票の結果、賛成が過半数に達したものの投票率は1/3を下回った。ざっと、こんな内容が各メディアを通じて報じられていた。朝日の天声人語では、この住民投票を「直接民主主義の新たな実験」と称賛していた。


古代ギリシャであるまいに、直接民主主義は時間とカネがかかるから現代では代議制を採用しているのだ。エアコンの設置の是非は本来は選挙で選ばれた市長と市議会が決めるべきものだ。市の根幹を揺るがすような案件なら住民投票も納得できる。


当該学校の保護者、生徒にとっては重要案件に違いないが、エアコン設置がごとき問題で4千万円の費用を使って住民投票に至らしめたのは、市長・議会・市当局の怠慢以外の何物でもないと思う。これを「直接民主主義の新たな実験」と称賛していた新聞もちとおかしい。