機本伸司「神様のパズル」 3+α/5

神様のパズル (ハルキ文庫)

神様のパズル (ハルキ文庫)

 普通に読んでておもしろいんだけど、どっちつかずで、ラノベや娯楽小説のように馬鹿になって読めないし、真面目にも読めない作品。表紙からすると、いわゆるオタクむけのライトノベルっぽい個性的なキャラが活躍するのかと言うと、そんなことはまったくない。また、文学かというとそうでもない。じゃあ、エンターテイメントなのかというと、表紙から想像できるほど敷居が低いわけでもない。つまり、それなりに本を読んでる人向けのそれなりにおもしろいエンターテイメントといった感じですか。
 内容は、ある天才飛び級少女が冴えない男子大学生と一緒に宇宙を作るために様々な議論をしながら、少女の抱えている悩みや男子大学生の抱えている悩みを解決へと持っていく話です。
 ストーリーとしは普通だし、宇宙関連ですから、専門用語が山のように出てくる。私も半分ぐらい理解できないww別に詳しく解説してあるわけでもないですしね。雰囲気で読めればいいと想定されている感じがする。ある程度知識がある人には結構面白く読めるでしょう。そうう意味で+しときました。
映画もやってるみたいなので、そっちの方がおもしろいと思われる。コンセプトやシナリオの勝利といった感じでしょうか。

伊坂幸太郎「ラッシュライフ 5/5」


ラッシュライフ (新潮文庫)

ラッシュライフ (新潮文庫)

終わりまであとどれくらいだろう (双葉文庫 さ 29-1)

終わりまであとどれくらいだろう (双葉文庫 さ 29-1)

 ここ数年で大ブレイクした伊坂さんですが、未読でしたwwこのラッシュライフはもう何年も買ったままで実家に置き忘れてまして、いつか読むからいいかと思って・・・・おもしろかったです。いや、この人騒がれるだけのことはある天才だと思いました。小説家というより、オールマイティに芸能に優れた才能を感じました。一冊しか読んでないので何ともいえませんが、正直、他のことやった方が才能を生かせるんじゃないか、小説はぽつぽつと書いてればいいだろとか思いましたww
 内容は、地方都市仙台を舞台にそこに住む何人かの人生をそれぞれの視点から描きつつ、それぞれの人生が交差しあい、また干渉しあい、そして加速していくという話。一応ミステリで、本自体の作りにもトリックが仕掛けてあるという、何ていうんだろ、叙述トリック?ではないんですが、構成にトリックがあると。
 で、その下に上がってるのが、そのパクリwwたまたま友人から薦められて、あまりに気持ち悪い内容だったので読む気失せて、読まずに返したんですが、なんか覚えてて似てたなぁと。まぁ、それだけですww

北山猛邦「クロック城殺人事件」 1/5

『クロック城』殺人事件 (講談社文庫)

『クロック城』殺人事件 (講談社文庫)

 これは・・・・作家がどうとか言いたくないので、とりあえず、この本はひどいww何度読むのをやめようと思ったか。
 内容は、世界の終幕を迎えようとしている未来の世界を舞台に、なぜ世界が終わろうとしているのかを考えるのではなくてww、人と時間の関係性を研究し世間から隔絶された場所で暮らしてきた一族のもとに主人公が訪れ、また世界の終末を防ごうとしている人もその研究から何か見つかるかもと思い人がやってきて、その悲劇を暴き、同時に新たな事件が起こるという話。ちなみにミステリで、バトルをしたりもしますが、トリックは本格派だ!いったい何を言っているのかわからないと思うが、言っていることは断じて間違えてねぇ。
 何がおかしいのか。設定と起こっている事件と登場人物と展開がバラバラ過ぎるww根本ではつながってるのかもしれませんが、そこまで気力がもたない。とにかく久しぶりに頭を悩ませるひどい作品でした。

北村薫 円紫師匠と私シリーズ 5/5

朝霧 (創元推理文庫)

朝霧 (創元推理文庫)

六の宮の姫君 (創元推理文庫)

六の宮の姫君 (創元推理文庫)

秋の花 (創元推理文庫)

秋の花 (創元推理文庫)

夜の蝉 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

夜の蝉 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

 以上、残りの日常の謎シリーズを読みましたが、やはりこれはおもしろいです。六の宮の姫君は昭和文学の話だったので、多少付いていけない部分もありましたが。この小説がおもしろいのは、やはり主人公がきっちりと描かれているからでしょう。見るべき点がはっきりしているから、そうなるというのは空飛ぶ馬の感想で書いた通りです。
 全体的にミステリでありながらすっきりしていて、きれいにまとまっている。女子大生が主人公ということで、その視点もおもしろいというかこっちが楽しくなる感じにうまく描写がなされている。周囲のキャラもあくが強すぎず、だけどそのキャラにあった行動をするように書かれている。こういった点がうまく噛み合っています。おそらく誰が読んでもおもしろい、とりあえずこれは読んどけみたいな作品でしょうww

北村薫 覆面作家シリーズ 1/5

覆面作家は二人いる (角川文庫)

覆面作家は二人いる (角川文庫)

覆面作家の愛の歌 (角川文庫)

覆面作家の愛の歌 (角川文庫)

 以上も円紫師匠シリーズの後に読んだのですが、こちらは×。主人公が作家でお嬢様という狙いすぎた設定でさらにお嬢様にはもう一つの秘密がある。これだけでもうオタクになれた自分としては別の意味で駄目だろという予感がしていたんですが、読んでみるとやはり駄目。日常の謎シリーズの良さが全部なくなってる感じ。ただのミステリと化して、文学とは程遠い、ただのエンターテイメント小説・・・・よりも悪い作品となっています。どうしちゃったんでしょうねww
 女子大生視点で世界を描写していたのが、ただの男が解説をするだけになり。日常の謎がありふれた殺人事件になり。周囲の登場人物が安易なキャラにかわり、云々・・・・
 まぁそういうわけで、こっちはひどいですww