新春特別舞踊公演@歌舞伎座
富十郎さんの踊りを拝見するのは、いつ以来だろう?というぐらい久しぶりなのだけれど、相変わらずお元気そうで、踊りの名手、未だ健在であった。やっぱりすごい。「棒しばり」はお父さん譲りの身体能力の高さを勘太郎くんが遺憾なく発揮していた。ただ、勘三郎・三津五郎コンビでこの演目を見てしまっているので、やはりちょっと物足りないけれど・・・。でも、これから先々が楽しみだなぁと改めて思った。
先代の井上八千代さんは、何度か生で踊りを拝見したことがあるのだけれど、当代は初めて。地方は女義太夫で、京舞いにも義太夫があるんだと。
最後が、本日の最大のお目当て、中村屋の「鏡獅子」。小姓弥生で登場すると、初々しい娘らしさが一杯に広がる。恥ずかしがって引っ込むところなんか、ほんとに、かわいい。踊りの上手さは言うに及ばずなのだけれど、あの愛嬌というのは、やっぱり勘三郎さんならではだよなぁ。そして、細かいところにまで神経が行き届いている。二枚扇あたりでは、満員の場内がシーンと水を打ったように勘三郎さんの踊りに見入っていた。胡蝶は、鶴松くんと宗生くん。まぁ、このぐらいの年頃は、一生懸命踊って、可愛ければOKでしょう。勘三郎さんは、後シテになって登場するだけで、体が倍ぐらいになったんじゃないか?というぐらいスケールが大きい。あの花道から舞台にかかるところで、思わずゾクゾクっとしてしまった。前シテの柔・後シテの剛という踊り分けが素晴らしい。本興行じゃないので、毛フリは短め。別に、回数をフレばいいってもんでもないやぁね。それにしても「やっぱり、兼ねる役者なんだよな」と改めて感じた。
そういえば最後に「鏡獅子」を拝見したのはどなたのだったかなぁ?と考えると、海老蔵襲名の時の海老蔵さんのだった。
<追記>
ちなみに。わたしは中村屋好きなので、ある程度なんでもOKの人です。はい。昨日の出来について、もっと厳しいご意見の方もいらっしゃいますが、それは当然のことでしょう。基準は人それぞれ、まったく違うわけですから。
『酒場の芸人たち』
『白夜行 (集英社文庫)』は分厚いので、今日の予定としては違う本を持ってでることにして、今週の「文庫本を狙え!」の課題図書を。とはいえ、なんだかバタバタしていて、帰りの地下鉄の中でしか読めなかったので、まだ最初の浅香光代さんの九州巡業についていった話の途中までしか、読めていないのだけれど・・・。
なんか、今までに読んだ矢野さんの文体に比べると、だいぶポップというか、なんというか、ちょっと小沢昭一さんを彷彿とさせる感じだ。
酒場の芸人たち―林家正蔵の告白 (文春文庫 (や16-12))
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椎名林檎と勘三郎さんの対談!
先週たまたま見ていた「僕らの音楽」で次回ゲストの紹介のところで、椎名林檎のお相手に勘三郎さんが呼ばれたことを偶然知って、楽しみにしていた。椎名林檎は、歌舞伎好きではなくて「勘三郎さんのが面白いんです」となんどもなんども言っていた。福岡の嘉穂劇場でライブをやったりしていたとは、ぜんぜん知らなかった。そういえば、CDのジャケットできものを着たりしていたんだっけ、彼女は?
ニューヨーク公演や嘉穂劇場にも追っかけていったそうだが、チケットは自力で、ネットなんかでとっている、というのに、とても好感を持った(笑)。「一度、どうしても買えなくて、ごめんなさい、ヤフーオークションで買いました」って言っていたのも、可愛い。ますます好感度UPだ。