KING OF POP

スティーヴン・キングといえば、30年以上の長きにわたってホラー小説界に君臨する文字通りの帝王。今年は『アンダー・ザ・ドーム』という超弩級の傑作が日本でも出版され、その健在ぶりをあらためて確認することができました。

ところで。キングというともう一つ思い浮かぶのが、その推薦図書の多さ。キングの推薦文に惹かれて未知の作家の作品を手に取った経験のある方はたくさんいる筈。かくいうぼくも、書店で「キング絶賛」の帯を巻いた本をみかけると、胸躍らせてレジに走ったくちです。おかげでジム・トンプスンジャック・ケッチャムスコット・スミスといった一癖も二癖もある作家たちとの出会いを果たしてきたのでありました。そう考えると、ぼくにとってのキングは、キング・オブ・ホラーにとどまらず、キング・オブ・ポップ(POP=購買時点の広告)でもあるわけです。実際、キングはWeb上に"The Pop of King"という、自分の推薦本を紹介するコラムも持っているらしいですねw

そんなポップ・オブ・キングな新刊が、ここ二ヶ月ほど続けて書店に並びました。新潮文庫の『生、なお恐るべし』と、NHK出版の『エドガー・ソーテル物語』。さっそく購入。ついでに、そーいえば、このまえ本棚を片付けたときにも何冊かポップ・オブ・キングの積読本がでてきたなあ、と思い出しました(レジに走って家で積むww)。

というわけで。今月は、ポップ・オブ・キング月間と定め、帝王推薦本四冊(すべて初めて読む作者)を拝読させていただくこととしました。それぞれのリンクのうしろにキングの寸評を付けてみたのですが、これ読むと、帝王っていうかもはや幇間?w


エドガー・ソーテル物語

エドガー・ソーテル物語

キング評「わたしはこの本を閉じるとき、最高の本を読み終えたときにしか感じない切なさを感じた」


生、なお恐るべし (新潮文庫)

生、なお恐るべし (新潮文庫)

キング評「どえらい小説だ。弛緩をまったく知らない」


チャイナ・レイク (ハヤカワ・ミステリ文庫)

チャイナ・レイク (ハヤカワ・ミステリ文庫)

キング評「この本にはすべてがある!」


聖者は口を閉ざす

聖者は口を閉ざす

キング評「才能の絶頂期にある作家が書いた途方もない小説」