キーワードに追加

自分なりにできあがったので、キーワード「アニメソング」に解説を大幅追加。どんな考え方を持っている人でも納得できる解説を目指して、各論併記の形にしました。
本当は造語を使いたくはなかったのだが、そうすると各小見出しがずらずら長くなって見づらくなるので、やむなく今回のような形をとった。

タイアップ曲の考察2

定義についてはキーワードに上程済みなので、分類と歴史について考察。
ただアニメソングの定義の分類に比べて、各タイプの境界が定かではないから、「タイアップの分類」をそのままキーワードに載せるのはちょっときつそうだなあ…。
「タイアップの歴史」は、とりあえずタイアップ関連だけ書いてますが、最終的にはアニメソング全体の歴史にまで持って行きたい。
どなたでも随時意見募集しております。

タイアップ曲の分類

現在行われているタイアップには、大きく「歌手・楽曲販促型タイアップ」と「作品販促型タイアップ」に分けることができる。ただ、その境界を明確に定めることは難しく、多くのタイアップは多かれ少なかれ両者の性質を兼ね備えている。
なお、各タイアップの名前は分類のために名付けたもので、一般的名称ではない。

歌手・楽曲販促型タイアップ

アーティストや、そのアーティストの楽曲を売り出すために、アニメを結びつけるタイアップ。
典型的なものでは、原作付きアニメの主題歌に、あまり有名でないアーティスト(例えば新人アーティスト)の曲を採用する場合がこれにあたる。
大多数のタイアップがこのパターンである。

作品販促型タイアップ

アニメ作品の話題作り・人気取りのために、アーティストや楽曲を結びつけるタイアップ。
主として、アニメに「箔をつける」ために、有名アーティストの曲をあてることがこのタイプと言える。(例:快感フレーズOP1「サバイバル/GLAY」)
歌手・楽曲販促型タイアップに比べ、あまり数は多くない。

複合型タイアップ

有名な原作付きアニメに、有名なアーティストの曲をあてるというパターン。歌手・楽曲販促型、作品販促型の両者の性質を兼ね備えている。
両者が既に有名であるため、非常に効果的なタイアップ効果を見込める。ただ数えるほどしか例がない。
最近では「鋼の錬金術師」がこれにあたる。月刊少年ガンガンの看板漫画のアニメ化作品に、SMEに所属する有名アーティストの楽曲を多数起用し、互いの相乗効果を狙った。その試みは成功し、鋼の錬金術師のベストアルバムは、見事音楽史上4作目のアニメアルバム初動売上1位を記録した。
他にはSLAM DUNKがこのタイプにあたる。


また、現在ではほとんど行われなくなったが、過去には以下のようなタイプのタイアップも行われていた。

主題歌重視型タイアップ

一般アーティストが、あるアニメ作品のために作られた曲を歌うタイアップ。
曲自体が作品の主題を表しているため、一般アーティストが歌うことは話題性向上のためと言える。
例としては沢田研二「ヤマトより愛をこめて」*1ゴダイゴ銀河鉄道999」、西城秀樹「ターンAターン」などが挙げられる。
また、アニメの原作者自身の指名により、有名アーティストの曲が主題歌となる場合も、このタイプに該当するといえる。この場合もアニメの話題作りという側面が大きい。(例:とっても!ラッキーマンOP「ラッキーマンの歌/八代亜紀」)
ほとんどの場合、曲名もしくは歌詞にアニメの主題を暗示させる名称が用いられている。

アイドル型タイアップ

新人アイドルを売り出すためにアニメを利用するタイアップ。
主題歌だけでなく、ヒロイン役の声優をアイドルが担当したりするのが特徴。80年代のアイドルブームの時に良く行われた。例としては「魔法の天使クリィミーマミ」「超時空要塞マクロス」などが挙げられる。
また、80年代半ばからフジテレビ系列のアニメ作品においては、おにゃん子クラブを売り出すための手法としてアニメのタイアップが非常に良く用いられた。ただこちらに関しては主題歌だけの担当であった。

タイアップ曲の歴史

アニメソングのタイアップ曲の歴史は、1980年代以降のアニメソングの歴史そのものと言っても良いぐらいである。

1970年代

アニメにおけるタイアップの歴史は、1970年代末にまでさかのぼる。
1978年公開の映画「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」において、沢田研二がEDテーマ「ヤマトより愛をこめて」を歌ったのが、アニメにおけるタイアップの最初と言われている。
その後、ゴダイゴによる「銀河鉄道999」のヒットなどがあるが、この時代タイアップは大ヒット作品に限られており、まだアニメソングの主流ではなかった。

1980年代

80年代に入ると、ニューミュージックの台頭とともに、70年代アニメソングからの脱却を図る動きが見られた。タイアップという手法が一般的になるにつれ、アニメに商業主義が持ち込まれることになったのである。
1981年放映開始の「うる星やつら」において番組改編期ごとの主題歌変更というスタイルが初めて行われた。「うる星やつら」それまで1作品1主題歌が当たり前だったアニメソング自体の在り方を変える大きな転換点であったと言えよう。
また、アイドルブームに乗って、アイドルとアニメの結合が発生したのも特筆すべき点である。「魔法の天使クリィミーマミ」の太田貴子や「超時空要塞マクロス」の飯島真理など、アニメ作品自体のヒロインを演じつつ主題歌も歌うという、アニメソングにとどまらない密接なタイアップが行われていた。
一般アーティストによるタイアップでは、杏里の「CAT'S EYE」が大ヒットしている。「オリビアを聴きながら」をヒットさせた彼女がアニメの主題歌を歌ったことは当時非常に話題となった。
その後「CITY HUNTER」では様々なアーティストが主題歌を歌っている。「CAT'S・EYE」「YAWARA!」「CITY HUNTER」など、この時期テレビアニメに有名な一般アーティストを起用したのは、ほとんどが日本テレビ系列である。特によみうりテレビは「アニメだいすき!」の主題歌・BGMに洋楽を使用していることからも、一般曲を作品をイメージづけるための手段として利用しようとしていたことがうかがえる。
対してフジテレビ系列は、おにゃん子クラブなどのアイドルを売り出すための手段としてアニメを使っていた。「ハイスクール!奇面組」や世界名作劇場シリーズ、「らんま1/2」などはその最たる例と言えるだろう。

1990年代

1990年代に入り、タイアップが当たり前となる時代になった。トレンディドラマで主題歌の大ヒットを狙ったように、アニメでも商業主義に徹したタイアップが主流となっていく。

メモ

*1:実はこの曲、歌詞に「ヤマト」に関連する語句が全く出てこないので、例としては不適切かも

今日のキーワード

Google検索結果」などが解説に書いてあるキーワード

Googleとか辞書の検索結果のURLが解説に多数書いてあるキーワードが沢山ありましたが、解説とは直接関係ない上に、検索結果が出ないものがかなり多かったので、相当数を削除しました。
解説に関係ない記述は、なるべくお控え下さるようお願いします。検索結果のURL自体を載せるのではなく、検索結果の内容を自分なりに解釈して解説にすべきです。
URLに関しては、本文ではなく下にURLを書く欄がありますので、その部分に書いた方がベターだと思います。>id:kanagawadaiseiさま

キーワードカテゴリーについて

id:xnissy:20041111#p1に対する意見です。
こんにちは。n_kakkaと申します。
id:xnissyさんはカテゴリーを大量に移動されているようですが、カテゴリー移動は場合によっては無用な論争を生む懸念があります。一度「キーワード作成ガイドライン資料集」の「キーワードツリー」に関する部分をお読みになると参考になるかと思います。
カテゴリーはキーワードツリーの失敗から、カテゴリーに上位・下位という概念を作ることは現在行われておりません。従って、より上位のカテゴリーに分類するより、より近いカテゴリーに分類するという方向になっています。一つのキーワードに対して一つのカテゴリーしか指定できないのは、改善されるべきだと思いますけれど。


さて、ここからは個人的意見です。xnissyさんが「ウェブ」カテゴリーをどのように捉えていらっしゃるのか分かりませんが、私は「ウェブ」は「ネットワーク関連用語・インターネット用語」を格納するカテゴリーだと認識しております。
従ってxnissyさんがカテゴリーを移された大部分のキーワードは、私は「ウェブ」カテゴリーに置くべきものと考えています。「Eメール」も「LAN」もネットワーク関連用語ですので、コンピュータカテゴリーよりもウェブカテゴリーの方がベターだと思うのですが。また、「コンピュータ」の方が「ウェブ」よりキーワード数が多いので、各カテゴリーのキーワード数を均衡させるためにも「コンピュータ」への移動はなるべくやめて頂きたいな、と思っています。