一日一言「裸で生まれて死んでいく」
九月七日 裸で生まれて死んでいく
地位が高いとか、家柄が良いとか、月給が高いとか、学があるとかいって、世の中の多くの人は自慢する心を持っている。これは自分自身の心にもあり、そうならないためには、自分より地位の低い者には、常に礼儀正しく接することが大切である。本来、人はみな位もなければ官職もないもので、裸で生まれてきて裸で死んでいくことを忘れてはならない。
位なき身をば疎むな公卿高家(かうけ)四海兄弟同じたねはら
誰も皆人は裸で貴かれそれが生まれの儘(まま)のもと値ぞ
賢人にも曰く、
究極において、人は孤独です。愛を口にし、ヒューマニズムを唱えても、誰かが自分に最後までつきあってくれるなどと思ってはなりません。じつは、そういう孤独を見きわめた人だけが、愛したり愛されたりする資格を身につけえたのだといえましょう。つめたいようですが、みなさんがその孤独の道に第一歩をふみだすことに、この本がすこしでも役だてばさいわいであります。
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うらを見せ
おもてを見せて
散るもみぢ
── 良寛
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