今月の『文藝春秋』についてのおしゃべり

 今月号の『文藝春秋』は、芥川賞の受賞作「春に庭」(柴崎友香)が全文掲載だ。
 前回の芥川賞受賞作が載っている号もそうだったのだが、今回も買おうと思っていたらKさんが「読書好きのNaoji〜sanに・・」と、先週届けてくれた。
             
 会の機関紙編集や読みかけている本もあって、鞄の中に入れておいたのだが、日曜日の午後にやっと受賞作「春に庭」を読んだ。
 日常の何気ない出来事や風景が淡々と描かれていて、それはそれで読み進めたのだが、僕にはちょっとつかみどころのない読後感が残る小説だった。
 僕の感性も、老化を起こして理解領域が狭まったのかもしれないが、悲しいかな、最近の芥川賞受賞作には、ちょっとついて行けないものがある。
 それよりも、今号の『文藝春秋』で、ミーハー的興味津々で読んだ記事。
 一つは、STAP細胞問題の「小保方晴子 三つの顔」と、弁護士の反論「聡明でウィットに富んだ人です」。
 もう一つは「白蓮に逃げられた炭鉱王の遺言」の伊藤伝右衛門の孫が語る、白蓮と伝右衛門の人物像が面白かった。
 前者の記事の最後は、11月末までという期限で再現実験をしている小保方さんに対して、「小保方さんの自信のほどは?」という問いに、2人の弁護士は「もちろんあります。」「今後に期待して下さい。」と答えている。
 理研の27日の「検証の中間報告」では、「STAPは現状では確認できない」と発表したが、やっぱり期待したくなる。
 後者の記事は、NHK朝の連続テレビ小説花子とアン」で、一躍有名になった歌人柳原白蓮って、どんな人だったのか、石炭王といわれた伊藤伝右衛門って、どんな人物だったのか、僕は興味があったので読んだ。
 僕は連続テレビを観てなくて、時々ダイジェストみたいなものを見たり、見ている人の話題からなので、ドラマに描かれている白蓮も伝右衛門も詳しくわからないが、孫は「祖父は小説やドラマでは、不当に粗野で横暴な男として賤しめられていった。実際には無口で、声を荒げることもない人だったのに、手掴みで物を食べたり、NHKのドラマはひどすぎます。白蓮事件に関しても、真実は大きく歪められている」と語り、孫が語る実直な伝右衛門と、最後まで華族意識を持ち生きていた白蓮の人間性と、有名な白蓮事件の背景にも「そうだったんだろうな」と納得。
 その他にも「これだけは知っておきたい戦争の真実」特集の
 「零戦は普通の戦闘機だった」や「石原莞爾 戦場から妻への恋文」も、そうだったのかと思わせる内容だった。