ロシアが20分先に軍事行動=奇襲攻撃を否定−グルジア政府文書

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080903-00000176-jij-int

 【トビリシ3日時事】グルジア南オセチア自治州で8月7日夜に始まったロシアとグルジアの武力衝突で、ロシア軍の行動開始は自国軍の攻撃より20分早かったとグルジア側が主張していることが、同国政府の作成した公式文書で3日までに分かった。

 戦端の経緯は依然謎だが、これが事実なら、「グルジアの奇襲攻撃を受けて介入した」とするロシアの主張が揺らぐことになる。

 時事通信が入手した「ロシアによる侵略の時間的経緯」と題するグルジア政府の文書(8月25日付)は、「8月7日午後11時30分(現地時間)、ロシア兵を乗せた150台の装甲車とトラックがロシア領から(南オセチアへ続く)ロキ・トンネルに差し掛かり、州都ツヒンバリへ向かっているとの複数の人的偵察情報を政府が入手した」と指摘。その上で「午後11時50分、グルジア軍はロシア軍の領内侵入に対し、初めて軍事行動を起こした」と主張した。

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一応8/31のこの記事とも内容はあってる気がします。
南オセチア攻撃は「自衛のため」 グルジアのヤコバシビリ再統合相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080831-00000911-san-int

グルジアのテムリ・ヤコバシビリ再統合相(撮影・遠藤良介)

 グルジアの独立派地域、南オセチア自治州アブハジア自治共和国の問題を統括するグルジアのテムリ・ヤコバシビリ再統合相が産経新聞と会見し、紛争の口火を切ったグルジア南オセチア攻撃を「自衛のためだった」と主張した。ヤコバシビリ氏はロシアが独立を承認した両地域は「全世界の問題」とも述べ、問題解決に向けた国際社会の支援を訴えた。(トビリシ 遠藤良介)

 ――この紛争に対する考えは?
 「ロシアによって十分に計画された戦争だと確信をもって断言できる。グルジアが始めた戦争ではない。私はこの6カ月間、ロシアが軍事作戦を準備していると全世界に訴えてきた。残念ながら、欧米はそれを信じず、われわれの立場が正しかったことが示されてしまった。今日のグルジアで起きていることは、まぎれもない占領だ。ロシア(旧ソ連)が戦争し、占領をするときにいつも『解放』とか『民族の利益保護』といった名目をつける点でも共通する」

 ――戦争の脅威を認識していながら、なぜ8月8日に南オセチア自治州の州都ツヒンバリを攻撃したのか。これがロシアの大規模報復を招いたが
 「私自身が7日の午後5時ごろまでツヒンバリに滞在し、そこで停戦に向けた交渉をしていた。激しい軍事行動が始まる約6時間前のことだ。というのも、戦争は8月8日に始まったのではなく、4月1日に始まっていたからだ。4月1日に独立派はわれわれの(グルジア支配地域の)村落を攻撃し始め、8月2日には新たに大砲類も投入された

 「われわれはロシアの(平和維持部隊)司令官と話し、戦火を止める唯一の方法は一方的な停戦だといわれた。(サーカシビリ大統領がこの日の夜に一方的停戦を宣言し)われわれはグルジア側の村落が破壊されてもなお約束を守った。(ロシアから南オセチアに抜ける)ロクスキー・トンネルを150両の戦車がツヒンバリ方向に通過したのを見て初めて、ツヒンバリを制圧するのではなく、(南オセチア側の)砲撃拠点を攻撃する決定をしたのだ。われわれはばかにされている、彼ら(ロシア)は戦争をしようとしていると知り、自衛せざるを得なかった。われわれの行動は攻撃でなく、自衛のためのものだった」

 ――他に方法がなかったのか
 「われわれは問題の軍事的解決を考えていなかったし、政治的に解決しようとしていることをロシアにも欧米にも訴えてきた。われわれは(南オセチア)紛争を武力で解決したり、(南オセチアの)支配を得ようとしたりしたのではなく、ロシアの侵略から自らを守ったのだ。ロシアが2日間で2000両もの戦車や装甲車を(グルジア領に)入れることができたのは、長らく準備されていた戦争だからにほかならない」

 ――ロシアが挑発し、全面戦争のためのわなを仕掛けたと指摘する専門家もいるが
 「もしこれがわなだったとするなら、われわれがそれにはまったのではなく、ロシアも欧米も、われわれをわなに押し込んだのだ。いかなる政府に、自分たちの村が襲われ、撃滅されるのを、みすみす見過ごす権利があるというのか」

 ――ロシアによるアブハジア南オセチアへの対応についてはどうか
 「ロシアは両地域の予算を支援しただけでなく、その(地域の)体制を支持し、養い、武装化した。そこには(90年代紛争後の合意によって)存在してはならない武器があり、ロシアが供給したのは明らかだ。われわれは古典的な独立派とかかわっているのではなく、ロシアの支援を受ける犯罪的な体制を相手にしている」

 ――具体的には?
 「南オセチアの『大臣』の8割はKGB旧ソ連国家保安委員会)やFSB(露連邦保安局)の出身者などロシアから送り込まれたロシア人であり、オセット人に近親者すらいない。これは独立派でなく、正真正銘の占領だ。アブハジアでは(90年代の紛争で)8割の住民が追い出され、残った2割がアブハジアの将来を決めるという。こんなことが許されれば、民族浄化の結果を正当化することになる」

 ――この紛争を経て、両地域の問題をどう解決するのか
 「グルジア一国だけでは解決できず、これは全世界の問題でもある。世界は今、冷戦後の国際システムが裁断され、国境を武力で変更しないという原則が崩されるのを目にしているからだ」

 「ロシアはグルジアクラスター(集束)爆弾や弾道ミサイルで攻撃した。民生用の橋を爆破し、森林に放火した。これは戦争でなく、国を破壊する蛮行だ。ロシアが自ら署名した義務(停戦原則)を履行せず、部隊を撤収させないばかりか人道支援物資のための回廊すら開かなかったことは犯罪的行為だ」

 ――ロシアはツヒンバリで2000人が殺害されたと主張しているが
 「(国際人権団体)ヒューマンライツ・ウオッチは47人が死亡したと言っている。この(グルジア軍進攻の)後でロシアがツヒンバリを空爆し、破壊した。このために、われわれは3度、ツヒンバリから退却している。いったいどこから2000人という数字が出てくるのか。これは民族間憎悪をたきつけるためにあらかじめ考えられた数字であり、ここにもロシア軍の犯罪がある」

 ――今次の紛争を経ても、グルジア北大西洋条約機構NATO)に加盟すべきだと思うか
 「絶対に必要だ。ロシアにクラスター爆弾を使われ、街を破壊されないために必要なのだ。グルジアNATOのメンバーであったなら、ロシアは今回の戦争をしなかっただろう」

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4/1の記事は見つかりませんでした。
ロシア チェチェン大統領が軍精鋭部隊と対立+グルジア
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080424/1209046714
の下の方に4/22の記事取り上げましたが。

8/2と言うと
グルジアと南オセチヤ境界で銃撃、自治州側兵士6人が死亡
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080802-00000031-yom-int

 【モスクワ=緒方賢一】インターファクス通信などによると、グルジアと同国からの分離独立を主張する南オセチヤ自治州の境界地域で、1日夕から2日朝にかけてグルジア軍と自治州独自部隊の間で銃撃戦があり、自治州側の兵士ら6人が死亡、15人が負傷した。

 グルジア側では4人が負傷した。

 グルジア軍幹部は2日、ロシア軍兵士が銃撃戦に加わった可能性があると主張し、ロシアが強く反発した。

 ロシアは南オセチヤ自治州に平和維持部隊を駐留させ独立派勢力の後ろ盾となっている。

と言う記事がありましたが。