OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

イワン・イワノヰッチ・イワノフさん ほか気になる曲vol.3

不定期連載・気になる曲です。
前回は http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20070428
 
♪【5月7日 ミュージック・プラザ ポップス】♪
   http://www.nhk.or.jp/mp2/pc/01mon/index.html
Today's Special は【 名前の昭和歌謡 】。
  
02. あんたのおなまえ何ァんてェの / トニー谷
 
 面白いシチュエーションについて歌い、最後に
「あんたのおなまえ何ァんてェの」
という決め台詞が入る。こんな宴会芸的コミックソングも面白い。
 個人的には、冒頭の、ドカンと一発ロケットで月の裏側へ着きましたところに火星人が出てきて「旦那のお名前〜」と聞くのがSF的であり、宇宙的スケールの大きさとお笑いの落差が感じられて一番面白かった。
 トニー谷については、このつのだ氏担当の月曜ミュージックプラザでも以前特集されたことがあって、なかなか面白かった。今の音楽界でこのトニー谷の系譜を継いでいる方はいるのだろうか。漫才などのお笑いは今でも隆盛を誇っているが、コミックソングだとか音曲漫才をやっている人はあまり知らないのだが、私が知らないだけなのだろうか?
  
トニー谷 出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%BC%E8%B0%B7
トニングリッシュ 出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5
 

ジス・イズ・ミスター・トニー谷

ジス・イズ・ミスター・トニー谷

 
04. おーい中村君 / 若原一郎
 
 こんなタイトルの曲があることは子どもの頃から知っていたが、聴いたのは今回が初めて。1958年の曲だそうだから、かなり古い曲だ。こんな古い曲のリクエストも当然のように放送されるというこの番組は貴重。しかし私のイメージとしては「おーい中村君」と、トマトジュースのCM「〜だちかんぞ〜」が芋づる的に結び付いているのだが、なぜなんだろうか。どちらも呼びかけているからだろうか。
カゴメ・トマト&レモン 1980年
  http://www.geocities.jp/emit_inc/column/color/red_02_kagome.html
◎土をもっと知ろう・番外2 薬食同源
  http://www.inawara.com/nemohamo/papers/no5/narita05.htm
 さて「おーい中村君」は畑とも野菜とも関係のない会社ソングだったのか。歌詞の内容は、結婚し遅れた男の同僚のやっかみ又はお節介気味な言葉であった。子どもには理解しにくい内容ではないだろうか。しかしここで描かれている会社での生態は、年功序列・終身雇用の古き良き日本型経営の時代の会社の形態である。この時代の会社は良きにしろ悪きにしろ“家族的”であった。確かに“社畜”と言われるような状況もあったが、一応社員は家族として扱われ、勤めている限りは余程のことがない限り給料は上がっていき、定年まで解雇されることはなかった。
 21世紀になった現在、会社勤め階級の状況は絶望的に悪化している。現代の会社勤め階層の状況は、もはや“社畜”ですらなく、それ以下に転落しつつある。“社畜”はとにもかくにも身分は保証され、見返りも与えられた。しかし今後の会社勤め階層は“家族”でも“社畜”でもなく、“使い捨て”“奴隷”という立場に転落しつつある観がある。正社員という階層がどんどん“非正規”“派遣”という階層に転落される陰謀が進行している。ボーナスや保健や年金が保証される身分というのが今後は減っていくのではないだろうか。国民の大部分が“使い捨て”“奴隷”という超格差社会奴隷制の国になってしまうのではないか?おーい中村君、いいわけないじゃないか中村君!雇用と権利について真面目に考えなきゃあだちかんぞ!
 
07. イワン・イワノヰッチ・イワノフさんとイワン・イワノヰッチ・イワノフさん / 伊藤久男、伴久美子
  作詞:サトウハチロー 作曲:原六朗

 
 この曲をリクエストした方は、10年ほど前にNHKの「ラジオ深夜便」で一度聞いただけでその後もずっと記憶に残り、折に触れて口ずさんでいたとか。
 つのだ氏の解説によると、サトウハチローが「イワン・イワノヰッチ・イワノフさんが2人いたらどうなるだろう」と思って作詞し、それに原六朗が1週間かけて曲をつけたという。
 しかし、何で2人いるのが「イワン・イワノヰッチ・イワノフさん」なんだろうか。要はジョン・スミスや山田太郎など、同姓同名の2人ならいいのだろうか。このとぼけたような味わいはやはり「イワン・イワノヰッチ・イワノフさん」でないと出せないのだろうか。
 しかし一度聴いた曲を10年間も覚えているとは。つのだ氏も「よく覚えてますね〜」と驚いていた。
 しかし私も分かる気がする。面白いと思うツボやその後の展開がこのリクエストした方と私が非常に似ている気がする。もし私も10年前にこの曲を聴いていたら、やはり折に触れて思い出し、このつのださんの名前特集でリクエストしていただろう。リクエストされた方の年代や出身県が私と一緒だったということで、非常に親近感が湧いて面白いお便り&選曲だった。
 検索してみると、ヤフー掲示板の演歌カテゴリに、「伊藤久男 さんのファンです。」というトピックが2005年以来、存続していて、そのトピックの中でこの曲も話題になっていた。その中で、この曲のいわれについて書かれている部分があったので引用させて頂く。

私はサトウハチロー記念館の生誕90年没後20記念のCDを持っています
いままだあるのかわかりません
さて、曲目紹介はこのようになっています
イワンイワノヰッチイワノフさんという同じ名前の人が二人いたらどうなるだろうとは、
いかにもハチローの考えそうなことで、この名前にふさわしく、舞台をロシアに置いている
この詩を作曲の原六朗に渡して、「君こんなもの作曲できるかね。君しかできないよ、
君くらい変わっている人しかできない」といったそうな。
それだけ作曲者の力を信じていたということだろう。
詩をみて二、三日は出来なかったというが、出来てからは歌手の伊藤久男も伴久美子も
よくのって稽古してくれ、気持ち良く仕上がり、ハチローも喜んだということです。
  Re: 「イワンイワノヰッチ」さん  より

 舞台はロシアだそうだが、曲自体は古き良き時代の日本の大衆演芸を思わせる滑稽な感じの曲である。
 つのださんが
「数年後に、つのだ☆ひろの番組でこの曲を聴いて〜という人がいるかもしれません」
と言っていた。このようにして名曲は継承されていく。
 

   
♪イワン・イワノヰッチ・イワノフさん♪の気になる「ヰ」
    http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa4536915.html
  
D
      
 なお、今回の特集テーマは【 名前の昭和歌謡 】であったが、つのだ氏は“名取りゲーム”と称して、著名人から名前をもらうのが好きだという。河内家菊水丸から“河内家小丸”をもらったり、桂三枝から“柱三運人(三雲人?)”(はしら さうんど)をもらったりしたそうである。
 
(追記)
 なお、懐メロについて書くコーナーは『老若男女 懐メロ倶楽部』として独立させました。
 目次 http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20070529
     




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