ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

NNNドキュメント'07

 1時近くなってようやく番組が始まる。先週のドミニカ難民総括を見逃したのは非常に残念だった。山口放送がどの様な総括をしたのかを知りたかった。今週は最近よく取り上げられる「インターネットカフェ難民」である。もっと声高に様々なところで取り上げられても良い現状である。インターネットカフェを根城にして日雇いで暮らしをしている若者と、そんな若者を対象にして稼ぐ「貧困ビジネス」を取り上げる。風邪を引いて寝込み、日銭が入ってこなかった時に荷物もそのままにアパートを追い出された青年を取り上げていた。金を払えなかったお前が悪い、と反応する声が必ず聞こえてくる。いつでもだれでもそんな状況に立たない保証のない、そんなアメリカ型の社会にいつからなってしまったのだろうか。本当にこんな状況を前にしても今更「日本に格差は本当にあるか」なんて命題を投げることができるというのだろうか。「別にやることなんてないし、いつ死んでも別に良いんだよ」といった37歳の青年の言葉が忘れられない。なにが今できるのか。

「君が代不起立」

 昨年末に完成したというビデオプレスが制作したドキュメント「君が代不起立」の上映会があったので、たった一年間だけ在籍したことがある大学に出かけた。多分3-4年ぶりではないだろうか。構内はほとんど変わっていない様だが、なにしろ建物が散在しているので増えているのだけれどもあまり気がつかない。駅は大幅な改造工事中であり、学校のすぐ横にあった損保企業の広大なグラウンドを含む施設が一戸建ての分譲住宅群になっており、校門の横は自動車メーカーの工場だったのだけれどもその会社の中古車ディーラーのお店になっていた。
 ドキュメンタリー映画君が代不起立」は東京都教育委員会から卒業式での君が代不起立で処分を受けた中学校の家庭科教員である根津公子さん、養護学校教員の河原井純子さん、都立板橋高校の元教員で週刊誌記事のコピーを配布して卒業式に対する威力業務妨害罪に問われた藤田勝久さんの闘いについて追いかけている。一見ごく普通のことの様に思える「組織の決めごとを守らない人間にはペナルティがあって当たり前だ」という反応がこの場合には何を意味するのか、この映画を見て考える必要はある。
 それにしてもこの問題の周囲にどの様な状況が生まれているのか、という点についてはマスコミがほとんど報じないので、受け身でいては事態が良く見えない。それはビラ配布についても同じようだろう。
<参考文献>

  • 季刊「前夜」5号 p.190 『前夜インタビュー 「君が代斉唱」ーー私は静かに座った』根津公子 聞き手:三宅晶子・小野祥子
  • 季刊「前夜」7号 p.110『座談会「君が代」伴奏を拒否すると云うこと』福岡陽子、佐藤美和子、池田幹子、三宅晶子
  • 季刊「前夜」10号 p.57「市民的不服従と抵抗の思想」三宅晶子

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