ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

自分で自分を騙す国民

 原発「世論対策マニュアル」をつくった日本原子力文化振興財団の活動費の3~4割は税金で賄われています。
 2009年度決算では、文部科学省の「教育支援用情報提供」や経済産業省の「核燃料サイクル講演会」など10事業、3億2200万円を受託しており、年間収入の34.1%を占めます。
 電源立地推進事業としてとりくまれた講師派遣では、年間136回の講演で、旅費606万円、講師謝礼591万円が税金から支出されています。
 同財団の理事長は三菱マテリアル名誉顧問の秋元勇巳氏です。2010年8月27日段階の役員名簿によると、理事には八木誠関西電力社長のほか清水正孝東京電力社長(当時)、玉川寿夫民間放送連盟常勤顧問、加藤進住友商事社長、庄山悦彦日立製作所相談役、佃和夫三菱重工会長、西田厚聡東芝会長、林田英治鉄鋼連盟会長などの名前が並びます。(2011年7月2日(土)「しんぶん赤旗」)

 つまり国民は自分達が拠出した税金を使って、自分を原発容認に洗脳する、という構図の中にいたわけだ。三菱マテリアルはウランを扱っているのかどうかは知らないけれど、発電用石炭の供給で電力会社はすべて顧客。勿論民間放送にとって電力会社はスポンサー。日立、東芝、三菱はご存知原発建設御三家。鉄連は素材供給企業。つまり出入りの業者が集まって旦那衆にヨイショをするという姿である。

節電

 15%の節電をしなさいといわれている。そのためには家庭の電化製品も省エネタイプのものに買い換えるとこんなに消費電力が減りますよ、というキャンペーンをテレビはワイドショーでずっとやっている。あれは、エコポイントが終わっちまって売り上げが停まっちゃうから、スポンサーのためにやっているセールス・キャンペーンなのね?

どうしたものか


 もうどう考えても、今の永田町の体制ではこの非常時を乗り切ることはできない。霞ヶ関もなにかアイディアを出そうとしている様に思えない。
 それまで「これだけシビアーな規制値をかけているんだから大丈夫」といっていた核廃棄物の漏洩に関する規制だって、いざ実際にボンボン、次から次から廃棄物が空中に飛びだしていき、海に流れ出していき、地下に染み出していき、となったらその規制値をぽんと跳ね上げておいて「今すぐ健康にどうのこうのという数字ではありません」といってしまえば終わると思っている。
 イヤ、思ってはいないんだろうけれど、それで済ましてしまえばいいんだ、押し切ればいいんだ、ぐちゃぐちゃいう奴がいたって知らん顔すればいいんだ、とやっている状況を見ていると、彼等はもう本当にこの国をどうにかしよう、どうやったら次世代を救い出すことができるのか、将来的に大和民族(随分聞かない言葉だ)を保全することができるだろうかと考えてはいないことが明白だ。
 霞ヶ関もそうだし、最高学府の連中だってそうだ。彼等は中学、高校の頃から勉強ができる奴らで、周りから「良くできるんだってねぇ」「凄い学校に合格したんだってねぇ」「嬉しいねぇ、お父さんは嬉しいよ!」といわれ続けてその名を出せば誰だっていっていることをふんふんと黙って聞くというような大学を出ているわけだ。国民の税金を使って勉強をしてきたんだから、その国民のために尽力する役人であり、研究者になってくれるのかと思ったら、とんでもない。その上まだ税金から金をかすめ取ろうとすることしか考えていない。威張り散らして、俺が機嫌を悪くしたらもうお前なんかしらねぇよといわんばかりの態度だ。ちょっとわが身危ないかも知れないと思うと慇懃無礼な謝罪の連続だ。
 この国の現状を見ているともはやボロボロだ。なんでこんなことになったんだろう。いつからこんなことになったんだろう。ずっと前からこんな状態だったっけ?民主政治が昨日して、政権が交代したんじゃなかったっけ?政権が交代するという意味は、それまでのやり方を変えたい、という理由があったということではなかっただろうか。それまでの自民・公明政権のやり方と変わらないのであれば、なにも変わる意味がなかった。
 つまり、私達は、イヤ、他の人のことは良くわからないから、私は自・公のやり方がイヤだったから、政権交代を支持してきた。自・公がやってきたのは国からどうやって自分達の側に金を動かすのか、それを如何にばれないようにやっていくのか、だった。
 今民主・国民新党政権がやっているのも、全く変わっていない。国民のみならず、周辺、全世界を放射性廃棄物の汚染に晒しておいて、それでもまだ、騙すことができると勘違いしている。それが成功すれば永田町、霞ヶ関は利益追求集団とともに金儲けに安泰無事でいられると勘違いしている。
 しかし、問題はここからだ。じゃ、私はどうやって彼等のこの欺瞞に充ち満ちている国家運営から脱却することができるのだろうか。
 はっきりいって、なにも見えてこない。騙され続けるということなのか。

電力使用状況

 今どこの地域がどれほどの電力を消費している、という数字が提示できればもちろん「節電」の目安としては非常に分かり易い。「でんき予報」なんちゃって今日のピークは何時頃でこれくらいの電力消費になるでしょう、なんていう報道がテレビでなされているところを見ると、当然こんな分析はできるんだし、それをしているんだからこんな予報ができるんだと思っていた。
 あ、その前に、この「節電」は本当に必要なのかどうなのか、という疑問に対する明解、且つ合理的な説明を私はこれまでに耳にしたことも目にしたこともないのはどういうことなのか。本当に「節電」をする必要があるのか。
 え〜っと話は元に戻るのだけれど、世田谷区長が東電に世田谷区が今の時点でどれほどの電力を消費しているのかという数字を提示して欲しいと要望したら、小松日出夫東京電力渋谷支社長は「時間的にも費用的にも難しい。23区の前日の1時間実績値であれば提供可能」と回答。データー開示のためには8ヶ月の時間と4億円の費用が必要だと回答してきたのだそうだ。
 ほんと?

松本龍

 震災復興大臣になった松本龍が日曜日に東北に出掛け、岩手県知事、宮城県知事と会談。その様子がマスコミに取り上げられたものの、彼の発言に問題があったという流れで報じられ、私のtwitterのタイムライン上では大騒ぎになっていた。

 達増拓也岩手県知事に同相は、「(国は)知恵を出したところは助け、知恵を出さないところは助けない、そのくらいの気持ちを持って(ほしい)」と話し、復興に向け、被災地側が具体的な提案を行うよう注文した。
 このほか、「九州の人間だから東北の何市がどこの県か分からん」とも述べ、政府の事務方が「しょっちゅう(被災地に)入っているのに、何をおっしゃる」とフォローする場面も。
 その後の村井嘉浩宮城県知事との会談で同相は、宮城県が漁港の集約化を国に要望していることについて、「3分の1とか5分の1に集約すると言っているけど、県の中でコンセンサス得ろよ。そうしないとわれわれ何もしないぞ」と述べ、県内での合意形成を急ぐよう求めた。会談の場に知事が同相より遅れて入ったことについても、「お客さんが来る時は自分が入ってから呼べ」と話した。(時事ドットコム 2011/07/04-01:28)

 ネット上で騒ぎになったきっかけはこの後半の村井嘉浩宮城県知事が遅れて入ってきたことについて向かっ腹を立て、説教をし、挙げ句に「今の最後の部分はオフレコです。書いた社は終わりだからな。」といったことをTBC東北放送がニュースで流し、それをYouTubeに載っけた人がいたからなのだけれど、早速検索してみると、各紙がこんな具合に書いていたというわけだ。
 すぐに削除されるかも知れないけれど、「松本復興相、宮城県知事と会談」で検索すると見ることができる。松本龍は復興大臣に就任前から防災担当を兼務する環境大臣だった。その防災担当が東北の現地に入ったのが昨日が初めて、というのには驚いた。本気でやる気があるとは、思えない。「民主も自民も公明も嫌いだ」発言もさることながら、人間的な不遜さが滲み出るどころか丸出しなのが情けない。
 尤も村井嘉浩宮城県知事は復興計画に野村総研を全面的に受け入れていて、12名の復興会議メンバーの中に地元の人間が2名しか参画していないのは如何なものかと5月29日付けの記事ながら「しんぶん赤旗」に書かれている(こちら)。
 松本が村井に対してムッとした顔をしながら、まるで新入社員に対するように「今あとから自分が入ってきたけれど、お客さんが来る時は自分が入ってからお客さんを呼べ。良いか、長幼の序がわかっている自衛隊ならそんなことやるぞ。わかった?はい。しっかりやれよ。今の最後の言葉はオフレコです、良いですか、皆さん、良いですか、絶対書いたらその社は終わりだから」という。
 多分、大臣が来られるのにもかかわらず、村井嘉浩宮城県知事が迎えに出ていなかったのがいけないんだから、これくらいのことをいわれても当たり前だ、という論調がきっとどこかに書かれることだろう。そこだけを切り取るとそんな一面を語ることもできる。しかし、松本龍の語り口を聴いていると、それがすべてではないのが推察される。それ位動画は怖い。
 自衛隊が出てくるのは村井嘉浩が防衛大出身で自衛官だった過去を捉えていっているのだそうだ。松本龍はどうしても上下関係を意識しないではいられないという人間なんだろう。それによらないと自分のアイデンティティーを捉えられないのだろう。
 この時の松本龍の訳知り顔のいい方を聴いていて、この雰囲気はどこかでさんざん味わったなぁと思った。サラリーマン生活最後の上司がこれだった。自分は常に正当で、自分にヨイショしない奴は常に間違いだという男だった。会社の中にはこの種の男は結構いた。自分で自分をそう主張しないとみんながそう認めてくれないからだ。「部長に昇格したばかりの男の前を会釈をしながら通りすぎたら呼び止められた事件」というのがあった(タイトルが長い)。「お前、俺が部長になったのを知らないのか?お祝いの言葉のひとつ位いっていかないのか!」という。情けなくて涙が出そうだった。部長に昇格する奴なんてお前ひとりじゃねぇよと啖呵を切りたかったなぁ。
 二世議員というものはその出自がどんなことであっても所詮こんなものなのか。少なくとも河野太郎を見ているとそうでもなさそうなんだけれどなぁ。
 追記:どうやらこの松本龍発言に関する記事はウェブ検索上から排除されつつあるのかも。

 追追記:娘にこんな奴は会社にも結構いてなぁ、こんな奴だってあんな奴だっていたんだぞ、だけどそれに堪えないと金は稼げなかったんだと話すと、「そんな奴をそのままにしておく連中が悪いんだ」と逆にねじ込まれる。お前、本当に世の中知らねぇなぁ。甘やかして育てちゃったからなぁ。

 追追追記:一夜明けて松本龍は「結果として被災者のみなさんを傷つけたならおわび申し上げたい」と発言。被災者を傷つけたのかどうなのか自分では判断がついていないというわけなので、これはお詫びしたことにはならない。それに彼の一連の言動は、ただ単に被災者を傷つけるとかつけないとかの話ではない。パワー・ハラスメントを起こしたというわけであるし、マスコミと国民を愚弄するという行動であったことを彼が認識できないというのであれば、これはもう論外である。尤もマスコミの中にはこれで自分達が愚弄されているのかどうかわからない連中がいることが情けないが。

2011年07月03日のツイート