指導力なき官邸とアメリカの顔色をうかがう財務省

   
SAPIOはいつも買っているわけじゃないが偶に読むと面白い記事があるので侮れない。
なんで円高放置するの?に対する明快な説明(笑)
ホントにありそうなので困る(^_^;)
   

須田慎一郎の「千里眼
指導力なき官邸とアメリカの顔色をうかがう財務省
SAPIO 2010.09.29号 82p)
 「今から考えると24日はターニングポイントだった。政府・日銀は、ほとんど抵抗らしい抵抗もみせずに、85円ラインを突破させてしまったと言える。この時点で当局が断固たる対応を見せていれば、円高にも一定の歯止めがかかったのではないか。具体的に言えば、24日までの段階で、日本政府は為替介入に踏み切り、マーケットに対し明確なシグナルを送るべきだった」(メガバンク首脳)
(略)
 為替介入に対するこうした強い期待があるにもかかわらず、政府はそれに応えようとしない。
 「情けない話だが、アメリカ、とくに米財務省の了解が得られないからです」(財務省幹部)
 日本は03年から04年にかけて総額35兆円にのぼる大規模な円売りドル買い介入を実施したのを最後に、政府は為替介入を封印している。
 「あの時は、アメリカ側が容認、黙認してくれたから可能だった。当時のアメリカ経済は絶好調、かたや日本経済はこれ以上の円高が進展したならばデフレスパイラルに陥りかねない危機的状況にあったからだ」(有力財務省OB)
 しかし、現在は状況が違う。リーマン・ショックの傷も癒えず、アメリカ経済は絶不調だ。アメリカの基本戦略は国内需要の落ち込みを輸出拡大でしのぐというものだ。輸出に都合のよいドル安は非常に居心地がいい。どう考えてもアメリカが為替介入を容認する環境にはない。残されたのはアメリカの反発を覚悟の上で、官邸の強力なリーダーシップのもと、単独為替介入に踏み切る道だ。
 日本の為替政策における、事務方の最重要パーソンは国際渉外業務を主たる任務としている玉木林太郎財務官だ。
 「玉木財務官は、それこそ連日、米財務省サイドと連絡をとりあっていますが、為替介入──それが日本の単独介入であっても──に対するアメリカ側の反応は、一貫して『ノー』なのです」(前出の財務省幹部)
 アメリカが「ノー」と言っている以上は無理──財務省内には、カウンターパートである米財務省との間に波風を立てたくない、という空気も感じられる。
(略)

  
追記)
玉木さんといえば例の朦朧会見を仕組んだご褒美で財務官になったと噂されている方ですね
ご主人様は冷たいね