原発輸出できる状況か?

百歩譲っても政府が先導する話じゃないだろ
でも反原発なら日経記者にも「言論の自由」があるんですねw

ポストFUKUSHIMAの経営論
原発輸出”再開の愚
安西巧
2011年11月11日(金)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20111107/223672/?mlt&rt=nocnt
(略)
 10月31日、来日中だったベトナムグエン・タン・ズン首相と野田佳彦首相が首脳会談後に共同コミュニケを発表。昨年秋に決定したものの、3月の福島原発事故で協議が中断していたプロジェクトに両国政府は正式にゴーサインを出した。

 原発立地予定地は同国南部ニントアン省で100万キロワット級の原子炉2基を建設、事業規模は1兆円程度とされる。日本政府は事業への出資をはじめ、政府開発援助(ODA)を通じた技術者育成、国際協力銀行JBIC)による融資なども検討、至れり尽くせりで支援する構えだ。

 ベトナムだけではない。野田首相は政権発足後、インド、ヨルダン、トルコなどへの原発輸出協議を軒並み再開させつつある。原発メーカーの日本勢はもちろん、「政府の支援が大きい。引き続き売り込みなどをお願いしたい」(三菱重工業大宮英明社長)と歓迎する。

 「一度始めたら誰も止められなくなる。その挙げ句が巨額の財政負担に結びついた」
 民主党が政権発足以来、鳴り物入りで進めた公共事業の「仕分け」で何度も繰り返された警句だ。これがそのまま、原発輸出にも当てはまりそうな気がしてならない。
(略)
 そんな黄昏の原発市場に、日本勢は敢えてのめり込んで行こうとしている。東芝日立製作所三菱重工業といった民間企業が独力で原発ビジネスを継続することに異論を差し挟む余地はない(コンバインドサイクル発電などガスタービン事業で高い競争力を持つ三菱重工や地熱タービンで世界シェア首位の東芝原発事業で経営資源を浪費するのは惜しいが…)。失敗してもオウンリスク(自己責任)だから、経営者が判断すればいい。

 しかし、政府が金融支援するとなると話は違ってくる。公的資金を投じる海外プロジェクトの採算性を官僚や政治家が判断できるのか。稼働した原発が万一事故を起こした場合に巨額の賠償請求を断ち切れるのか。
(略)

コメント欄から

フクシマで責任を問われないGE(そして狡猾な米国資本・政府)、日本製原発の輸出先での法的・財務的リスク、これらに焦点を当てたのは極めて評価できる。次の一手に欠けた日本の政治経済に原発ビジネスが光明を与える、というのは全くの誤りだ。産業界は歓迎しないだろうが(掲載されている「懲りないコメント」に驚かされる)、日経ビジネスの姿勢を大いに評価する。

日経の侍 – 安西編集委員
6月 6, 2011 投稿者 tkpilgrim
http://tkpilgrim.wordpress.com/2011/06/06/%E6%97%A5%E7%B5%8C%E3%81%AE%E4%BE%8D-%E5%AE%89%E8%A5%BF%E7%B7%A8%E9%9B%86%E5%A7%94%E5%93%A1/
 私はかねがね日経新聞経産省の広報部とみなしていた。福島第一原発事故以降も、まるで経産省の意向を受けたように、原発推進、東電現状維持を論調とする記事が多かった。しかし、本日、日経電子版で、『原発問題、混乱招いた最も聡明な人々』という記事を見つけて読んでみたのだが、びっくりした。なんとこの記事は、福島第一原発事故の混乱がいっこうに収まらないのは。原子力村の中核をなす経産省、東電、政治家の三者がいずれも東大法学部卒を中心とする日本のthe best and brightest(最良の、最も聡明な人々)を中心に運営されているにも拘らず、長年続いてきた、外部からチェックを受けない三舎のもたれあいによるところが大きいことを、過去の歴史を引用しながら、しっかりと批判をしていたのだ。
(略)
 いや、見事な説明だ。それにしても経産省の親友である日経新聞でこのような大胆な記事を誰が書いたんだろうと筆者をチェックしてみたところ、産業部編集員安西巧という方だった。
(略)