辻井伸行ピアノリサイタル

去年の震災で甚大な被害が出た我が街のホール。
天井が崩れ、壁は剥がれ落ち、予定されていたコンサート等も全て中止になりました。


あれから1年。
無事に修理を終えた会場で聴いてきました。
辻井伸行さんのピアノリサイタルです。

現在絶賛発売中のカーネギーホール・デビューLIVEのDVDを引っさげ(笑)精力的に全国を廻られてます。


私は舞台左手の方向から見ていましたが、辻井さんが鍵盤に手を置くポジションを確かめるところから拝見することができました。最近はメディアに登場されることも多い辻井さんですが、演奏前の姿を見る機会はなかなかなかったから・・・。


古典派好きにはたまらないプログラムが用意されました♪


モーツァルトの『きらきら星変奏曲』K.265
ピアノ・ソナタNO.11イ短調K.331『トルコ行進曲付き』

ベートーヴェンのピアノ・ソナタNO.17ニ短調Op.31-2『テンペスト
ピアノ・ソナタNO.21ハ短調Op.53『ワルトシュタイン』

テンペスト・・特に第3楽章はどんだけ聴いても好き。


演奏会から一夜明けた今日になっても興奮が冷めやらず、久しぶりに弾きたくなって実家のピアノ調律してもらおうと調律師さんに電話してじまいまじだ。
「出来れば明日、調律お願い出来ませんか!?」
「すみません。4月中は予約がいっぱいです」
・・・そりゃ無謀ってもんでした(笑)

きらきら星変奏曲を弾くときには背中を丸めて丁寧に・・ベートーヴェンでは背中を反らせてから鍵盤を叩く力強さ。
きっと、目が見えないぶん音楽を感じ取ろうとする研ぎ澄まされた神経が演奏する姿にも表れているんだろうな。


昨日は用意された曲以外にショパンノクターンNo.8リストのリゴレットパラフレーズが演奏された他、自作の曲も含めてアンコールは5回の5曲・・・大サービス?(笑)


去年の3月11日以降、辻井さん自身が音楽で何か出来ることはないかと思い作られたというそれでも、生きてゆくが演奏されたときには、そっと涙を拭う方が多くいらっしゃいました。


あの震災から苦しみながらも生き抜き、そして演奏を聴くことが出来る幸せをかみしめた夜だったと思います。


自分自身4月に入ってから気が落ち着かない毎日が続いてたけど、久しぶりにゆるゆるとした時間を過ごさせてもらいました。