出来損ないの茶魔語みたいなギャグしやがって

暫くTVを観ていない。今時TVなんか見なくても、ニュースや流行はネットの情報だけで事足りると思ってるからだが、やはり、偏った知識しか吸収できていないようだ。今まで、友人がメッセでの会話で使っていた「ドンマイケル」という言葉が、さる芸人の持ちネタである事を、ついさっきまで知らなかったのだから。
メッセで彼がこのフレーズを出す度に、「何くだらねぇコトぬかしてんだ?コイツ」とか冷たく思いながら、そのコトには触れずに話を進めていたのだが…、なんだ、彼オリジナルのギャグじゃないんだね。ごめん、この言葉が出る度にその友人のコトを白眼視してたんだが、彼に罪は無かったんだ。
これに限らず、最近のお笑い芸人の氾濫にはついていけませんね。

辞書にない「あて字」の辞典 (講談社プラスアルファ文庫) 現代言語セミナー・著

彷彿・克似・依然・酷肖・不残・酷似り…
これ等は総て“そっくり”の宛字である。昨日、映画観た帰りに古本屋で購入したものだが、これが頗る面白ぇ。“殺る”と書いて“やる”みたいな、一般まで広く普及してるものから、“箱自動車”と書いて“セダン”と読ませる(by夢野久作)マイナーなのまで、ずらりと揃えてある。
中には「単に誤字じゃねぇの?」って当て方をしているのもあるが、洒落た言葉遊びのような数寄を凝らせたモノが殆ど。中でも傑作なのは“アイドル”の項。二葉亭四迷は『浮雲』で“本尊”と当ててるのに対して、夏目漱石は『それから』で“偶像”と当てている。どっちも間違っちゃいないんだけど、ここまで対極な当て方をしてるのは興味深い。
兎に角、宛字であるなら何でも載せてしまう貪欲っぷりで、横浜銀蝿の“羯徒毘路*1薫狼流”(カットビロックンロール)まで載せている。でも、何だか場違いな気もするなぁ…。これだとヤンキーが利用する宛字(“本気”と書いて“マジ”と読むヤツ)とかも載せるべきだし、そうすると、本に倍くらいの厚みが出そう。夜露死苦とか仏契(ぶっちぎり)とか。
宛字は奥が深い。

*1:本当は王ヘンに“路”なのだが、該当する漢字が無い