児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

官憲を自称する児童淫行罪

元巡査部長わいせつ:起訴事実認める−−初公判 /和歌山
2007.11.01 毎日新聞社
 捜査で知り合った女子高生にみだらな行為をしたとして、児童福祉法違反罪に問われた元県警機動捜査隊巡査部長(31)の初公判が31日、和歌山家裁(中村昭子裁判官)であった。被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。
 起訴状などによると、被告は今年8月9日正午ごろ、和歌山市内のホテルに女子高生を連れ込み、体を触るなどした。被告は同日未明、2人乗りのミニバイクを見つけて職務質問した際、同乗していた女子高生に「学校に話がいかないようにする」と伝えて会う約束をさせていた。
 県警は、被告を同30日付で懲戒免職処分にしている。

女子高生にみだらな行為 元警官、罪状認める 家裁初公判=和歌山
2007.11.01 読売新聞社
 職務質問した女子高校生を呼び出し、体を触るなどしたとして、児童福祉法違反の罪に問われている元県警機動捜査隊巡査部長(31)の初公判が31日、家裁(中村昭子裁判官)であり、被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。
 起訴状などによると、被告は今年8月、和歌山市内でミニバイクの後ろに乗っていた女子高校生(当時17歳)に職務質問。携帯電話の番号を聞き出し、勤務後に電話をかけて同市内のホテルに連れて行き、体を触るなどした。
 冒頭陳述で検察側は、被告が、ミニバイクの同乗者が検挙されたことを、女子高校生が学校に知られたくないと考えたことにつけ込み、連絡を取るよう約束させたことを明らかにした。次回公判は12月17日に開かれる予定。

 本物の警察官だと、特別公務員陵虐の要素も加わります。

刑法第195条(特別公務員暴行陵虐)
裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者が、その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときは、七年以下の懲役又は禁錮に処する。

条解刑法
他罪との関係
 わいせつ.姦淫による陵虐行為がされた場合の強制わいせつ罪強姦罪との関係については,法条競合により本罪だけが成立するとの見解
もある・・・

 ふーん。とすると、法条競合で児童淫行罪は成立しない?

 なお、官憲を自称して支配した児童淫行罪の量刑

懲役3年執行猶予5年保護観察〜警察官と誤信させた
懲役2年執行猶予4年〜児童相談所職員
懲役2年08月実刑〜自称補導員
懲役1年02月実刑〜自称やくざ
懲役3年執行猶予5年保護観察〜自称警察官

本物の官憲が出てくるのは稀。

被害児童が逮捕された事例

 これは「対償供与」といえないから児童買春罪は無理ですね。
 青少年条例違反。
 恐喝被害者は条例違反で検挙。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071102-00000034-mailo-hok
恐喝:わいせつ行為後「親はヤクザの組長」 容疑の高3女子逮捕−−北見 /北海道
 ◇67万円脅し取る
 北見署は1日、北見市内の高校3年の女子生徒(17)を恐喝の疑いで再逮捕した。調べでは、女子生徒は10月7日ごろ、携帯電話の出会い系サイトで知り合った網走管内大空町の男性会社員(46)とホテルでわいせつ行為をした後、「私は16歳で、父親はヤクザの組長」などと言って4回に分けて現金67万円を脅し取った疑い。18歳未満へのわいせつ行為を禁じた道青少年健全育成条例を恐喝材料にしていた。
 女子生徒は同様の手口で北見市の男性会社員(25)に30万円を要求した疑いで10月13日、恐喝未遂容疑で逮捕されている。

女高生の「わいせつ画像」 通う高校に送信

 ぱっとみると3項製造罪(姿態とらせて製造)+2項提供罪のようですが、ミクロにみると、被害児童に撮影させて送信させるというのは、3項製造罪(姿態とらせて製造)+2項提供罪です。

  3項製造罪(姿態とらせて製造)+2項提供罪
  +2項提供罪
という構造ですね。
 で、被害児童をして撮影・送信させる行為は間接正犯なのかは、場合によるのでわかりません。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071102/crm0711021432028-n1.htm
女高生の「わいせつ画像」 通う高校に送信
このニュースのトピックス:変な事件
 高校1年の女子生徒(16)に撮影させたわいせつな画像を通学先の高校に電子メールで送り付けたとして、宮城県警少年課と古川署は2日までに、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で容疑者(25)を逮捕した。
 調べでは、容疑者はことし9月、出会い系サイトで知り合った宮城県大崎市の女子生徒に、生徒自身のわいせつな画像を撮影させて自分の携帯電話に送らせた。さらに、この画像を女子生徒が通う同市にある高校のパソコンに電子メールで送信した疑い。

少女が服脱いだ写真、高校へメールで送信 容疑の25歳逮捕 古川署など=宮城
2007.11.03 読売新聞社
 調べでは、容疑者は9月上旬、大崎市内の女子高校生(16)が、18歳未満であることを知りながら、携帯電話のカメラで、服を脱いだ写真を2枚撮影させ、メールで送らせた疑い。また、少女が容疑者との連絡を拒否するようになった9月26日、携帯電話の映像を、少女が通う高校のパソコンにメールで送信した疑い。
 容疑者と少女は3月ごろ、携帯電話の出会い系サイトで知り合い、メールで互いの写真をやり取りするようになったが、容疑者の要求が次第にエスカレートしたという。同署で詳しい動機を調べている。

 記事を読む限りでは、最初の児童ポルノ画像については、それほど強く求めていないようです。
 こういうことはよくあるんですが、また、いろんな場合があるんですが、まず、正犯者を確定するのが理屈で、

1 児童は被害者だから絶対正犯者になり得ない。常に送らせた者が正犯
2 道具となる場合を除き児童が正犯者。送らせた者は共犯(共同正犯)。

という選択肢があります。
 2だと、児童の年齢や接触の程度によっては、道具と認定するのが難しくて、児童を処罰することになります。
 思い切って1を採用する裁判所が出てこないかと期待しています。

隠し撮りで軽犯罪法違反

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_11/t2007110203_all.html
「写したいから撮っただけ」教諭が女性を隠し撮り
 島根県立高校に勤める40代の男性教諭が、自転車に乗った女性を隠し撮りしたとして、軽犯罪法違反の罪で昨年5月に出雲簡裁から科料9000円の略式命令を受けていたことが1日、分かった。
 関係者によると、教諭は松江市内の県立高校に勤務していた2005年8月、同県出雲市今市町の路上で自転車に乗っていた10代女性に目を付け、自家用車を徐行させながらカメラで撮影、同じ場所に3回現れこの女性を撮った。その1カ月後にも車から別の女性を隠し撮りしていたという。

 でも、23号じゃないから、28号でしょうね。
 それだと撮影した点は評価されませんね。

軽犯罪法
第1条〔軽犯罪〕
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
二十八 他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつた者