日々雑論[ニッポソ][ネタ] 今更「百人斬り」の件だけど

 まー下関市教育委員長のトチ狂ったデンパ発言とか、頭抱える事ばかりで何ですが、全くこれ以上鬱病悪くさせんなよバーローって感じで、既にdj19さんがその辺りについて鋭い考察と意見を纏めてらっしゃるのでアタシの出る幕なんざ無いんだが。
 と言うわけで、こちとら「ネタ」という事でちと「ネトウヨ」をからかってみるか。こちとら殆ど「百人斬り」に言及してないにもかかわらず、(確か一度ほんの少しネタにしたな)丁度百人斬りの件で絡まれてる事だし。

 我等ガ勇敢ナル大日本帝国の向井、野田両少尉ハ、迫リ来ル支那兵ヲ相手ニ向ウ銃弾ヲ飛ビカウ中、伝家ノ宝刀ヲ振リカザシ、野獣ノ如キ支那兵ノ、実ニ卑怯極ミニ耐エヌ便衣兵共ニ誠ニ勇敢無双ニ立チ向カイ、ソノ形相ハ地獄ノ亡者ヲ裁ク閻魔大王ガ如キ、悪鬼羅漢ヲ駆逐スル我ガ皇軍ノ誉高キ姿也。
 自ラノ危険ヲ顧ミズ、嗚呼死地ニ赴ク両少尉。憎キ支那兵共ノ首ヲ上ゲ、己ノ武勇ヲ懸ケル為目指スハ憎キ支那兵共ノ百人ノ首、勇猛果敢ナ両少尉、此処ニ到ッテ嵐ノ如ク聳エ立チ、バサリバサリト銘刀ヲバ振リカザシ、愚カナル支那兵ノ変ワリ果テタル屍ハ山ノ如シ。嗚呼勇猛ナル両少尉、此処ニ大日本帝国ノ誉レ高キ勇ナル姿也。ソノ首オヨソ百ハ下ラズ。是帝国軍人ノ鑑也

さて、実にくだらねえ文面で適当に寝言を綴るのも飽きてきたので次いくか。

弁護士ニテ国会議員デアル現代ノ大和撫子、稲田○美氏ノ訓話
「誠ニモッテ両少尉ノ名誉ニ誓ッテ申シ上ゲマスガ、御二人ノ銘刀ニヨリ確カニ百モノ支那兵共ノ首級ヲアゲタトイウ事ハ、実ニアッパレト申シマショウカ、是帝国軍人トシテ誠ニ快刀乱麻ノゴ活躍ト申シマショウカ。本当ニ素晴ラシキ行為トシテ後世ニマデ語リ継ガレル事ト存ジ上ゲマス。
 タダ此処ニヲイテ実ニ不遜ノ輩ノ不敬タル説ガゴザイマシテ
『日本刀ハソンナニ人ヲ斬レル筈ガナイ。ダカラ両少尉ハ法螺ヲ吹イテイル』
『人間ノ油ヤ血糊デ刀ハ直グ駄目ニナル。ダカラ百人斬ッタトイウノハ有リ得ナイ』
等、武人ノ誇リデアリ、帝国軍人ノ魂デモアル銘刀ヲ侮辱スルヨウナ妄言ノ見ラレル説ガ巷ニ見受ケラレマス。ソノヨウナ妄言ニ対シテ、御國ヲ守リオ仕エスル身ノ私トイタシマシテハ、憎キ支那ノ兵ヲ薙ギ倒シ百人斬リヲ誇ラレタ御二方ノ名誉ノ為、ソノ様ナ不逞不遜ナ輩トハ断固戦ウ所存ニテゴザイマス。」
嗚呼、何ト気高イ心デアロウカ。正ニ帝国ノ大和撫子タル姿デハアルマイカ

 あー面倒くせえ。 
 何が言いたいんだオイと言われそうだが、立場や価値観が変われば「このように」百人斬りが礼賛される事だって十分にあった筈だという事。今現在の倫理観や価値観において、日本が極悪非道な行為を行い、その象徴として「百人斬り」がクローズアップされているという位置づけだからこそ歴史修正主義」の連中が必死になって隠蔽、偽装しようとしているだけであって、もし価値観や倫理観が全く違えば掌を返したようにこの両少尉を褒め称え、大いに宣伝、喧伝する筈なんだ。だって戦時中の東京日日新聞(現毎日新聞)は両少尉の行いを「武勇伝」として扱ったはずだしおまけに「百人斬り」の歌まで出来た位なんだから。
 そうやって物を見ていくと、「名誉毀損」という事自体が全く当てはまらない。何故かって? 新聞が発行された当時は「実に名誉な事」として書きたてられているからだ。もし東京日日の記事が「名誉毀損」に当たるなら戦前戦中における共産党政治犯の活動なんかに対しての記事や報道は間違いなく全部名誉毀損に当てはまるだろうが、そんな理屈今更とおらんだろう? 
 よく「偽善」「卑怯」という言葉を目にするが、価値観が戦前と戦後で完全に逆転したからといって故人の行為、失態を隠蔽、偽装するほうが「偽善」だし「卑怯」じゃねえのか? 
 「過去」に対して真摯に向き合い、時節や価値判断に流されず、やっちまった事はやっちまった事で反省する事。まずはそこからだ。