銀閣寺・真如堂・黒谷





 午前中はからっとした良い天気に。今日は銀閣寺から黒谷方面へと足を伸ばした。
 上は慈照寺銀閣寺)でのショット。
 下は真如堂、もう少しすると紅葉が美しいであろう境内の様子。こちらのご本尊は、俗称を「うなずきの弥陀」という。慈覚大師がこの如来を謹刻し、いよいよ白毫を入れようとなされた時、『比叡山の修行者の本尊となりたまえ』と念じたところ、如来は三度首を振ってこれを拒絶。『それでは京の都に下り、一切衆生、なかでも女人を救いたまえ』と念じたところ、三度うなずかれたという逸話が残る。また真如堂の庭園は右大文字を借景とした枯山水で、「涅槃の庭」の名の通り、釈迦涅槃図をそのまま石庭に現しているのが興味深い。
 その下、高台からの遠景は、黒谷(金戒光明寺)から見た平安神宮。右端に写っているのは京都タワー




 銀閣から鹿ケ谷通に降りて少し下ったところにある「キ(漢数字の七が三つ)み家(きみや)」は、大人好みの美味しい甘味の店だった。豆かん(たっぷりの赤えんどう豆と寒天に黒蜜をかけたもの)が人気。


 黒谷から銀閣寺道まで戻り、昼食後、白沙村荘へ。個人が収集した石灯篭や石仏を配した作庭という意味では、根津美術館の庭の小型版といった印象。橋本関雪の作品の鑑賞の方は、ちょうど大丸京都店で企画展の最中で、そちらの方が見応えがありそう。


 あちこちで萩の蕾が膨らんで、薄(ススキ)や鷹の葉が穂を出していた。どこからともなく良い匂いがしてきて、いよいよ金木犀が咲き始めたことを知らせている。午後からは湿度が上り、雲も広がって気温も上昇。往く夏、来る秋……季節の交錯する初秋の情景である。