京都国際マンガミュージアム

先日かねてから周りの人にすすめられていた京都国際マンガミュージアムに出かけた。

大田垣晴子さんの「わたくし的読書」に載っていた紹介文を読んで以来興味のあったフランスのコミック、バンド・デシネの展覧会がひとつの目的。そこに陳列してあってぱらぱらっと読んだらしっかり読みたくなった「大発作」。京都市図書館で借りて読み終わった。

大発作

大発作

内容は副題にあるように「てんかんをめぐる家族の物語」。お兄さんがてんかんになり、その治療のためにいろんな手だてをとってきた家族、その具体的な内容と結果、兄さんの様子。。を病いに対して変な遠慮なく厳しい分析とともに描いている。でも、ありがたがって読まなければならないようなところはなく、友人の身に起きた話をきいているような気分になる。
バンド・デシネの特徴ともいうべき一枚の絵巻のような美しさのある場面や、デザインの卓越性も大いにあるのだけど、とにかく兄さんのてんかんという事柄を軸にこの著者の精神の変遷がみられるという骨格のしっかりした作品だ。

この本の監修をつとめたフレデリック・ボワレ氏のヌーベルまんが宣言、興味深い。

マンガミュージアムの話に戻ると、職員の方がとてもあたたかく、よい雰囲気で運営されている。閉店した貸本屋さんからの寄贈による「マンガの壁」という書棚におさめられた多数のまんが。友人にすすめられ、「いつか。。」と思っていた漫画もそろっているし、小学校の時よく読んだ高階良子先生のまんがなども。マンガの種類が多岐にわたっているところがまた魅力。その日のうちなら一度外に出てもまたチケットをみせ戻ってくればいいそうで、500円の入館料で一日ゆっくりマンガを読むこともできる。

またもともと立派な小学校の建物だったところなので、建築的にも楽しめる感じ。