パゾリーニとルノワールに関しては、すでに出ていたもののバラ売りか、パッケージを変えただけのもののようだ。
パイレーツ・オブ・カリビアンの物語──、といっても、海も海賊船も出てこない。ヒロインの夢のなかに存在する海賊が現実を浸食する。いかにもミネリ的なミュージカル。
プレミンジャーが独立プロとして最初に撮った作品(だったはず)。当時は、検閲問題で大騒ぎだったようだが、今見ると、なにが、どこが、そんなにヘイズ・オフィスをいらだたせたの、と首をかしげてしまう。
ヘイズ・オフィスといえば、アメリカで最近、『Pre-Code Hollywood Collection』という3枚組 DVD が発売された。ミッチェル・ライゼンの『Murder at the Vanities』など、アメリカでも今までなかなか見る機会がなかった6作品が集められている。しかし、こちらも、今見ると、この程度の表現がコード発令後は引っかかったのかと思えてしまうようなものばかりだ。なので、なにか刺激的なものを見たがっている人は、がっかりするかもしれない。
以前、紀伊国屋から出ていたものよりもかなり安価で手に入るようになった。
アルドリッチ監督による傑作西部劇。なんかどす黒いというか、かなり病んでます。
『ガン・ファイター』というタイトルで公開された作品。Amazon のページでは原題のままになっているのは、まだ情報が整理されていないからか。
『豚小屋』、『アポロンの地獄』、『大きな鳥と小さな鳥』、『愛の集会』、『奇跡の丘』、『アッカートネ』
ルイス・ブニュエル『砂漠のシモン』、『哀しみのトリスターナ』、『ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972) 』、『小間使の日記』
『ざくろの色 プレミアム・エディション 「ざくろの色」デジタルリマスター版+「パラジャーノフ・コード」』
特典映像を多数収録した2枚組。
パラジャーノフの DVD を買う時は注意が必要だ。日本で発売されている『スラム砦の伝説』はオリジナルのグルジア語版にロシア語の吹き替えがかぶさっているヴァージョンらしい。例によって、アイ・ヴィー・シーからでているやつだ(わたしは、ロシア語の入っていない海外版しか持っていないので、この日本版は自分では確認していない)。
パラジャーノフに限らず、ロシアの周辺国の映画の場合、原語にロシア語の吹き替えがかぶせられている場合がある。字幕のところまで吹き替えられていて、うっとうしいことこの上ない。天然ガス供給だけでなく、言語的にも小国を支配しようとする大国ロシアの嫌らしさが出ているではないか。
この『ざくろの色』は、以前コロンビアから出ていたものと本編の部分は同じようだ。それについては、とくに問題があるとは聞いていないので、こちらも大丈夫ではないだろうか。パラジャーノフも、Criterion のような信頼できる販売元から BOX で出してもらえるとありがたいのだが。
Criterion といえば、最近、オーソン・ウェルズの『Mr. Arkadin』の Criterion 版 DVD を手に入れた。これにはなんと『Mr. Arkadin』の編集の異なる3つのヴァージョンが収録されているのだ(相変わらず贅沢!)。それぞれ、「コリント版」だの、「Confidential Report」版だのと名付けられていて、ほとんどプルーストの草稿の世界だ。
日本で出ている DVD はどのヴァージョンだろうかと思って、さっき調べてみたら、まだ出ていなかった。