アニメキャラが行列を作る法律相談所withアホヲタ元法学部生の日常 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

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2017-03-26 ストーリーで学ぶ法務1年目の教科書第12回

[]ストーリーで学ぶ法務1年目の教科書〜第12回「要領」良く仕事をするための「選択と集中23:49 ストーリーで学ぶ法務1年目の教科書〜第12回「要領」良く仕事をするための「選択と集中」を含むブックマーク ストーリーで学ぶ法務1年目の教科書〜第12回「要領」良く仕事をするための「選択と集中」のブックマークコメント

怪談―小泉八雲怪奇短編集 (偕成社文庫)

怪談―小泉八雲怪奇短編集 (偕成社文庫)


1.はじめに


仕事の「要領」がいい人と悪い人っていますよね。


 私はどちらかというと要領が悪い方でして、色々とうまくいかないことも多かったのですが、●(「禁則事項」です!)年間頑張っていく中で少しずつ自分なりにコツのようなものがつかめてきました。要するに、上司等の「レビュアー」がレビューして評価する訳ですから、そのレビュアーの評価するポイントだけに資源を集中投下し、それ以外は節約モードに入る、ということです。


「仕事が終わらない」「頑張ったのに質が低いと怒られる」等という悩みを持っている方、特に1月から働き始めて既に辛い方や4月から仕事を始める方の参考になればと思います。



2.ストーリーパート

 珍しく井上先輩と二人で残業をすることになった。


 午後8時。全館一時消灯の時間。部屋は暗闇に包まれる。


 電気をつけて仕事を続けようと、スイッチの方に歩き出したら、井上先輩が袖を引っ張って僕を止める。



さあ、怪談の時間だ。


かすかな非常灯の明かりに照らされた井上先輩は、とても怖い顔をしていた。



「か、怪談ですか?」



「そう。怪談。その人は私の同期同クラス、真面目な修習生だった。頭は特にいい訳ではなく、要領も特にいい訳でもないが、毎日遅くまで真面目に予習復習をして、中の上の成績を取っていた。」


「あ、よくいますね、そういうタイプ。同期にもいました。」


「うまく東京の弁護士一人、秘書一人のこじんまりとした事務所に就職が決まり、修習が終わった1月から勤務を始めた。でも、同期の集まりとかになかなか顔を出さない。メッセージを送っても『忙しい』としか返ってこない。これはおかしいと思っていたが、半年位してやっと会えた時『自分は弁護士に向いてなかった』と『死にたい』ばかり言っていた。」


井上先輩の顔が怖い。


「どうしちゃったんですか?ブラック事務所に入ってしまったとか?」


「ある意味ではそうだし、ある意味ではそうではない。」


「なかなか微妙な回答ですね。」


「ボス弁の先生は、器用で要領がいいタイプで、サクサク仕事を進めて細かいことにも気にされる方だった。だいたいボス弁自身が4時間位でできる仕事を、新人だから8時間位かかるだろう、と、1日の仕事としてイソ弁に振って、できた成果物を手直しして裁判所等に提出していた。」


「2対1の割合がどうか、という話はありますが、あり得そうな話ですね。」


「同期は最初の仕事でつまずいたらしい。比較的平易な訴状起案だったのだが、早く終わらせようと焦ったのか、要件事実を1つ落としてしまった。」


「このまま陳述すると、相手が欠席でも、欠席判決請求を認容してもらえない、ということですから、ミスはミスですね。」


「そのミスに対し、ボス弁から、『最近の修習生はやっぱりレベルが落ちてるのかな、あ、君は弁護士だったね。』と嫌味を言われて、かなり落ち込み、『もうミスは絶対できない』と思い込んだらしい」



「それはトラウマになりますね。」


「それで、慎重に慎重に対応するようになった。毎日遅くまで残って、調べて、考えて、疲労の限界で倒れそうになるまで検討を重ねて、成果物をボス弁に提出するようになった。」


「ボス弁から褒められるようになったんですか?」


その真逆だ。まず、仕事が遅くなった。ボス弁が当然できてると思う時期までに仕事ができていない。次に、深夜まで、そして気力と体力の限界まで作業しているから、ミスが出る。ボス弁は細かいからそういう細かいミスも含めて全部指摘して、『仕事が遅い上、質も低い」と批判する。」



気が狂いそうになりますね。」


「このような負のスパイラルは、他人事ではなく、特に真面目な人程陥り易い。」


自分も真面目だから、当てはまるかも、と思わず背筋が寒くなる。


「どうすればいいのですか?」


選択と集中だ。時間と労力を投下すべきところに集中して投下し、そうでないところへの投下を最小限に抑える。 特に最初に提出したものに低い評価が返って来たトラウマがある場合、慎重になり過ぎ、時間と労力をかけるべき所を間違った「遅く質が低い」人になりやすい。」


「理屈はそうなんでしょうが、問題はどこに時間と労力をかけるべきかが分からないことなんですよ。」


これは僕の実感である。


形式面のカオの部分(目立つところ)と実質面のキモの部分(当該事案の特性に応じた重要部分)にリソースを集中投下すればいい。」


「そういいますと?」


「まず、形式面の「カオ」の部分(目立つところ)としては、固有名詞(前株後株、異体字、肩書き等)、数字、条文、敬称等が重要だ。後は「1頁目」を綺麗に整える。これだけで、よい成果物っぽく見える。」


「なんか印象を操作してる気がするのですが、それ以外は形式を整えなくてもいいんですか?」


「どうやれば少ない労力で形式的に見栄えがするのか、という観点からの優先順位付けだ。もちろん、時間の許す範囲で2頁以降も形式面を綺麗にすべきだが、レビューする人は、最初の方で固有名詞や数字等目立つミスがあると、それだけで『この資料はしっかり作られてない』という印象を持ってしまう。そういう間違った印象を持たれることを防ぐための努力だな。」



「人は見た目が9割」と言われるが、「成果物も見た目が9割」なのだろうな、と思う。



「 実質面の「キモ」は、業務の類型別の問題と事案毎の問題の2つがある。例えば契約書チェックであれば、売買契約なら売買契約等当該契約類型でよく問題となる条項(注文・支払方法、瑕疵担保等)がある。また、当該事案で「買主の資力が心配」等の事情があればそれに対応する。」


「どうやってその事案における『キモ』を判断するんですか?」


「類型別は、モノの本の記載を参考にして、後は経験をする中で蓄積していけばいい。事案毎はコミュニケーション。丁寧に事情を聞き取ればいい。その際には、その契約では何をしたいのか、その結果どこでいくらお金が動くかを基本的な手掛かりにすればいい。」


井上先輩の言葉に、先輩がいつも定時に帰れる理由を垣間みた気がした。


3.解説

 さて、1月に仕事始めた方、4月から仕事を始められる方、皆様に申し上げたいことは「仕事よりも自分の人生の方がずっと大事」ということです。気難しい上司、優秀過ぎる上司等の下にいると、その要求に応えなきゃ、応えなきゃと思って精神的に追いつめられる人が多いのですが、精神的に気が詰まる位仕事をさせられる職場は、会社か上司個人のどちらか又は双方がおかしいのです。


 とはいえ、「嫌なら辞めればいいじゃないか」と簡単に申し上げるつもりもありません。やはりできるだけ業務を効率化して、短時間で高評価をもらえる成果をあげるよう努力すべきでしょう。その方法として、これまで私が試行錯誤と失敗を繰り返した結果、現時点でやっているのが上記の「選択と集中」ということです。


 これで全てがうまく行くかは分かりません。例えばお役所の対応をやっている場合、2頁目も詳細にチェックされる可能性もあります。ただ、一般論としてどこをレビュアーが重点的に見るかということですので、その観点を取入れて効率を上げる足しにして頂ければ幸いです。


 なお、上記の内容はツイッター(@ahowota)で呟かせて頂いたが、以下のとおり有益なコメントを頂き、これを取り入れさせて頂いきました。心より感謝させて頂きたい。


まとめ

 不器用な私が経験からまとめた「私見」も多い内容ですので、法務の諸先輩方のご意見をお待ちしております。

2017-03-20 ストーリーで学ぶ法務1年目の教科書第11回

法務]ストーリーで学ぶ法務1年目の教科書〜第11回コミュニケーションの基礎 23:57 [法務]ストーリーで学ぶ法務1年目の教科書〜第11回コミュニケーションの基礎を含むブックマーク [法務]ストーリーで学ぶ法務1年目の教科書〜第11回コミュニケーションの基礎のブックマークコメント


1.はじめに

第2回において、法務ではコミュニケーションが大事だと書きました。

ストーリーで学ぶ企業法務一年目の教科書〜第2回依頼・相談を受ける際の対応 - アニメキャラが行列を作る法律相談所withアホヲタ元法学部生の日常

ところが、実際にコミュニケーションをするのは難しいのです。

特に私のようないわゆる「コミュ障」にカテゴライズされる人は毎日苦しんでいる訳です。

ただ、苦しいなりに工夫していることを言語化してみました。


2.ストーリーパート


「そういえば、この間は、どうしてメールか電話で謝らずに、直接会いに行って謝ったんですか?」


僕と井上先輩はランチをしていた。「この間」というのは、僕が井上先輩経由で頼まれた仕事の〆切を忘れていて、営業に謝りにいって〆切を伸ばしてもらった件のことである。


ストーリーで学ぶ法務1年目の教科書〜第10回ミスを最小限にし、犯してしまったミスの影響を最小限に抑える〜ミスの4大原因とは? - アニメキャラが行列を作る法律相談所withアホヲタ元法学部生の日常



情報の伝え方の基本だ。まさか、そんなことも知らないのか?」


「す、すみません。」


井上先輩は、「本当にしょうがない奴だな」という顔をしながら、語り始めた。


「情報はその場面場面に応じて最適な伝達方法を選択して伝える。今では、SNS等色々な伝達方法があるが、基本はメール、電話、対面の3つだ。この3つの方法のメリットとデメリットを知ってを適切に選択しなければならない。メールのメリットは何だ?」


「えっと、メールだと、いつでも、相手がどこにいても送れること、ですかね?」


「確かに受信者側との時間調整が不要であることはメールのメリットだな。後は、録音等の追加の措置を講じることなく記録に残せること、資料を添付できることか。デメリットは、添付ファイル等は見てもらえないこともあるし、そもそもSPAM分類される等で受信者の目に届かないことさえある。そして、電話や対面と比較しかなり情報が抜け落ち、ニュアンスが十分に伝わらないことと受信者がいつリスポンスするか分からないこと等がある。この意味は分かるか?」


「えっと、どういうことでしょうか?」


ネガティブな事項、そして、相手に早期の決断を迫るべき事項を伝える場合には、一般にメールは向かないということだ。ニュアンスを正確に伝えられず、過度にネガティブないし過度にポジティブに受け取られる可能性があるし、いつ決断してもらえるか分からない。」


「なるほど、だから、謝罪の時にメールを使わなかったんですね。」


「そうだ。ネガティブでかつ、早期にリスケジュールの決断を迫る必要があったからな。次は電話だ。特に内線電話は未だに頻繁に使う企業が多いだろう。電話のメリットはその場で(声色を含む)反応が聞けて、反応を踏まえながらニュアンスを調整できることだ。電話のデメリットは、日程調整が必要なこと、相手の顔が見えないこと、お願いや謝罪の場合にニュアンスが十分に出ないことがあること、資料を見せづらいこと、記録したければ録音が必要なことだろう。」


「確かに、謝りに行けば、すみませんという謝罪の気持ちが伝わりやすいのに対し、電話で簡単に済ませたと思われると、こじれてしまうかもしれませんね。」


「そこで対面でのコミュニケーションだ。対面でのコミュニケーションは、顔色・声色といった反応を五感(多分味覚を除く)で感じられて、反応を踏まえながらニュアンスを調整できること、お願いや謝罪のニュアンスを出せること、その場で資料を見せられること等メリットは大きい。ただし、デメリットは、電話とほぼ同じ(ただし顔については除く)ものに加えて、相手と自分の間に物理的距離がある場合には移動が必要なことだ。」


「そうすると、対面でのコミュニケーションはメリットも大きいものの、移動等のコストも大きいので、うまく使い分けるということですか。」


「大分分かって来たじゃないか。概ね「順調であればメール、それ以外の場合には、電話と対面を使い分ける」というのが1つの重要な判断基準だ。なお、交渉(特にクレーマー対応等)の場合は録音という方法もあり得るが、通常の社内の電話や会話においては、録音をしないのが通常だ。そうすると、電話や対面での協議をした後、すぐにメールで電話や対面での協議内容の要約(こちらが残しておきたい部分、例えば相手にお願いしたことのリマインド及び期限等)を送付するということで、記録に残すといった複数の手法のハイブリッドも含め、柔軟に試みることだな。」


井上先輩の口から紡ぎ出されるコミュニケーションに関する自由自在なアイディアに、やはりコミュニケーションを重要な職務とする法務はすごい、と感じた。


3.解説のようなもの

 コミュニケーションの方法というのは人によって色々なものがあると思いますし、そのコツを細かくいうと色々になるのでしょうが、私が普段心がけているものを簡単にまとめました。


 これはあくまで「原則」であり、例外的な場合はこれと異なることも多いのですが、少しでも参考になれば幸いです。

まとめ

 いつものことながら、法務パーソンの先輩の皆様から、他にコミュニケーションで心がけられていること等ございましたらぜひご指摘頂ければ幸いです。

2017-03-12 ストーリーで学ぶ法務1年目の教科書第10回

[]ストーリーで学ぶ法務1年目の教科書〜第10回ミスを最小限にし、犯してしまったミスの影響を最小限に抑える〜ミスの4大原因とは? 23:52 ストーリーで学ぶ法務1年目の教科書〜第10回ミスを最小限にし、犯してしまったミスの影響を最小限に抑える〜ミスの4大原因とは?を含むブックマーク ストーリーで学ぶ法務1年目の教科書〜第10回ミスを最小限にし、犯してしまったミスの影響を最小限に抑える〜ミスの4大原因とは?のブックマークコメント

1.はじめに

 私はミスをしてしまう方ですが、皆様はいかがでしょうか?


「私、失敗しないので」というキャラの人もいますが、実際には少数派でしょう。


 そうすると、大事なのは、致命的なミスをしない(ミスの数と大きさを最小限にする)ことと、その後のリカバリーで犯してしまったミスの影響を最小限に抑えるということだと思われます。

 なんと、行き当たりばったり連載もあっという間に10回目で、私自身が驚き、戸惑っているのですが、これも全て皆様のご支援のお陰です。ありがとうございます。どうぞよろしくお願い致します。


2.ストーリーパート

「今日〆切のCDE社の件、進捗はどうだ?」


「あっ。。。」



僕は、言葉を失った。確か今日は朝からVWX社の件で「大至急」だと言われて営業から色々と電話で聞かれて、それに対応していたら、もう夕方になっていた。



「すみません、忘れてました。」


「営業に謝りに行くしかないな。明日まで〆切を延ばしてもらおう。」


二人で営業に謝まりにいき、無事〆切を伸ばしてもらった後、僕は素朴な疑問を聞いてみた。


先輩は失敗しないですよね。どうすればミスがなくなるんですか?


失敗くらい、人並みにしてるさ。ミスを最小限にし、犯してしまったミスの影響を最小限に抑えるための対応をする、それだけだ。


「へー、先輩もミスするんですか? でも、具体的にどうやってミスを最小限に抑えるんですか?」


「人は失敗する生き物だ。だから、自分と相手が必ずミスをすることを前提に行動する。知らない、誤解、忘れる、十分な時間が取れないがミスの四大原因だ。例えば知らない。多数の参加者がいる会議の日程を調整する際に先に誰の日程から調整するのかとか、色々な肩書きの人にメールを出す際に、誰を先にして誰を後にするか。こういうのは知らなければ正しく対応はできないだろう。」


確かに、似ている役職が並んでいる場合の序列は、「知っている」か「知らないか」だ。


誤解は、本当は知っているのにミスをする場合の2大原因の1つで、何かを誤解したり、何かを勘違いしてしまう。誤解は広い意味で、ミスコミュニケーション、例えば自分はAという意味で言ったつもりが、相手がBと捉えたという場合も含めている。」


確かにそういう場合はよく生じる。


忘れるは、さっきのキミだな。忙しかったりすると、ついうっかり忘れてしまう。」



すみません。。。


「最後は十分な時間が取れない。例えば、契約書チェックをものすごい短時間でやるとすると、いくら優秀でもミスが出る。この他にも、心身の調子が悪い等他の原因もあるが、とりあえずこの4つを考えてみよう。」


確かにこの4つは重要そうだ。


「こういう原因が分かれば、予防策もそれぞれに対応したものを講じることができる。」


「なるほど、原因毎に対策がある訳ですね。」


「知らないについては自分自身の場合は、知ったかぶりをしないで調べたり聞いたりすること、他人の場合には適切な人を選んだり教えることだ。質問しやすい雰囲気を作っておくと、こちらが当然知っているだろうと思って言わなかったことについて後で『知らなかった』というミスが出て来ることが減る。」


井上先輩は必ずしも質問しやすい雰囲気ではない気がするが。。。


「誤解と忘れるは似ている。どちらも、本来はできるはずなのに、何かの原因でその本来どおりにいかない。そのためには、フォローアップ・リマインドが重要だ。つまり、リマインダーツールの活用、他の人にリマインドを頼む、自分でリマインドする等を通じて、再確認によって誤解を解き、忘れないように思い出させる。後は自分の場合にはできるだけすぐにレスポンスをすることで、忘れる前にボールを他人に渡してしまってしまう、他人の場合には誤解がないように丁寧に説明するという辺りだなな。」


即レスでボールを持たないというのは、前に井上先輩が話してくれた。


ストーリーで学ぶ法務1年目の教科書〜第5回ボールを持たない - アニメキャラが行列を作る法律相談所withアホヲタ元法学部生の日常


「最後の時間がないというのは、スケジューリングだ。自分と相手のスケジュールを把握した上で、途中で突発的に『何か』が起こることを想定して、それでも大丈夫なくらいに余裕をもったスケジュールにすること。逆に余裕がないスケジュールの場合には、きちんと営業等にそのことを話して、そのスケジュールを延ばせないかと交渉し、例えば『可能なら●日までにやるが、状況によってはその翌日になるかもしれない』といったバッファーをもらっておくこと。特に自分自身で全てやる訳ではなく、他の人と協力してやる場合には、何がボトルネックになるか分からないから、余裕をもらっておくことは必須だ。」


「確かに、余裕って大事ですよね。時間の余裕は気持ちの余裕にもつながります。」


「更にダブルチェックないしセルフチェックを日程に組み込んでおけば、例えば契約書の内容にミスがあっても、相手のミスなら自分のところでのダブルチェック、自分のミスでも例えば一晩寝かせてのセルフチェックをする過程でミスをなくせる。そういう意味では、自分や相手がミスをすることを想定して、チェック工程を組み込んでおくのは重要だ。」



「確かに、相手の進捗が遅ければ、チェック工程を組み替えて自分で仕事を全部ないし一部肩代わりといったこともできますから、チェック工程をバッファとして使えるようにスケジューリングをして、早め早めのフォローアップ・リマインドで状況を把握し、必要に応じて緊急事態対応を発動させるというのがいいですね。」



「そうやってできるだけ、失敗を避けるような打ち手を講じる訳だが、それでもミスはゼロにはならない。その場合、ミスしたらすぐ謝る、誤魔化さないというのが大事だ。ミスを誤摩化そうとするとミスにミスを重ねることになる。それが大きな失敗につながる。単なるミスなら、できるだけ早くそれを伝えればよい。例えば、契約書のチェックで重要な点を直すのを忘れていた場合、既に契約書を相手に送った後でも、「ごめんなさい、差し替えをお願いします」といって差し替えをお願いすればよい。営業には『困りますよ』とか嫌みを言われるかもしれないが、普通はそれだけで終わる。それに対し、何も言わずに契約が締結された後、実際にトラブルになって「この条項がおかしい、誰がチェックした!」となったら大事だ。まあ、普段からできるだけ謝りやすいよう信頼関係を作っておくべきだが、全ての人と信頼関係を作るのは簡単ではないので、信頼関係がなくてもとにかく謝るしかない場合もある。これも法務パーソンの辛いところだが。。。」



井上先輩も失敗するけれども、ミスの原因を把握した上で、ミスを最小限にし、犯してしまったミスの影響を最小限に抑えるための打ち手を講じているから「失敗しない人」のように見える。水上でスイスイ泳いでいるアヒルが水面下で水を掻いている姿を見るような、新鮮な驚きを感じると共に自分も明日からこれを取入れて行こうと思った。


3.解説のようなもの

 失敗の原因の類型化というのは、人によって色々なものがあると思いますし、細かく言い出すと10とか20とかにすぐなってしまうのですが、比較的わかりやすく、かつ対策を立てることにつながるという意味で4つに絞って説明してみました。

 ここでご紹介しているのは、大体私が「これをやらなきゃ」とは思いながら必ずしも完璧にできている訳ではないことです。

 少しでも参考になれば幸いです。

まとめ

 失敗の原因を類型化して対策を検討するといったかなり挑戦的な記事になりましたが、法務パーソンの先輩の皆様から、他の有効な対策方法等ございましたらぜひご指摘頂ければ幸いです。

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