お世話になった方からのメッセージ…、ではなく。


社会人1年目、4GLの勉強でもしてこいと上司に言われ半年ほどOJTでお世話になった南青山は骨董通り脇に小さなソフトハウスがありました。そこで私はグループウェアの基礎を学び、それまで三次元テトリス以外では深く付き合ったことのなかったパソコンを操り、4GLという実直でとっつきやすい道具と会話する毎日を過ごしました。少数精鋭なそのソフトハウスをまとめる社長さんは温厚な方でしたが内なる強い情熱と固い意思を感じる、私より20歳ほど年上の男性です。


社長さんとの実質的なお付き合いはOJTの間だけでしたが、とあるIT業界マーケティングの集まりで20年ぶりに再びお会いすることができました。それが5年前のこと。あのOJTは今の私の礎となったと言える経験でしたから、この再会はうれしかったですねえ。


さっそくFacebookでつながっていただきました。2匹のワンコとの散歩がお好きなようでマメに投稿される写真をちょくちょく拝見していたのですが、そんな彼の日常風景に混じって体調を崩されたということも書かれており、心配をしていました。


つい先週もワンコの写真を見かけたのですが、今週、社長さんの不思議な投稿を目にし一瞬何が起きたのか理解ができませんでした。その投稿は娘さんが書かれたもので、「無事葬儀が終わりました」と書かれていました。ん?葬儀??


ご本人のパスワードを知らなければFacebookへの投稿はできないはずですから、きっとご遺志だったのだと思います。荼毘にふされた主の遺影を見つめるワンコを収めた写真とともに投稿された娘さんのメッセージに、デジタルの冷たさと人の心の暖かさが言いようのない揺らぎをもって混じり合っている時代なんだな、ということを実感した出来事でした。