プロデューサーも大変

 1939年『冬のカーニバル』のロケハンでシュルバーグとフィッツジェラルドダートマスへ同行したプロデューサーがウォルター・ウェインガー。ウェインガーはシュルバーグと同様ダートマス大学の出身だった。
 ウェインガーの名前に聞き覚えがあったのは、『飾り窓の女』(1944)と同じ監督・主演で製作されたフィルム・ノワールの傑作『スカーレット・ストリート』の制作者だったから。フランスのジャン・ルノワール監督の名作『牝犬』のリメークである『スカーレット・ストリート』は、ウェインガーが監督のフリッツ・ラングとダイアナ・プロを作り、妻のジョーン・ベネットが主演した。
 ウェインガーは1963年エリザベス・テーラー主演の『クレオパトラ』を20世紀フォックスで製作し、事の顛末を1冊の本に著したくらい。その製作費・期間・俳優のトラブルで苦労したことで有名です。同様のトラブルとしては、1980年の『天国の門』(マイケル・チミノ監督)がユナイテッド・アーティスツを破産させかかった例だろうか。
 問題は監督の自己主張なのか、上映時間の長さによる興行的な問題なのか、芸術と営業という総合芸術である映画ならではの問題のような気がする。何か取りあえず無理やりまとめようとしているような・・・