高橋一生  横内謙介  「フォーテンブラス」  小日向文世  「上海バンスキング」  

「カルテット」というドラマが評判らしい。
けど全くテレビドラマには興味が無いので見ないのだけど、主演の1人高橋一生という役者の話を聞いていて(鶴瓶の「Aスタジオ」)驚いたのは、彼が扉座という劇団に属していたと言った時。
扉座の関係で知られているのは味のある役者・六角精児だろうが、劇作家かつ演出家である横内謙介がスゴイという印象は褪せてない。
10年以上前になるか、(実際の舞台は観たことないけれど)録画で観た舞台「フォーテンブラス」というのは感心しまくった。
ハムレット」の父親の代からの政敵・スウェーデンの王子の名前が表題だけど、実によくできた台本だ。
ハムレットの父王の亡霊が現れる原作とは異なり、フォーテンブラス役を務めた役者の霊が舞台に住みついているという設定だったと思うけど(忘れてる! 有名なミュージカルみたいな設定だった)、文句なく楽しめる舞台だけどあまり上演されてないみたい。
ただその後草磲剛が出演したのも放映されたのを観て、完全にシラケてしまった。
初舞台だったと思うけど、これ以上下手には演じられないくらいクソだったので、それ以来草磲を見るたびに腹が立ったものだ。
素晴らしい戯曲にケチを付けおって、許しがたい!(その後上手くなっていたのでビックリしたものだ。)
横内謙介はその後、歌舞伎の演出に色気をだしたりしたせいか、自作のウワサを聞かないのは残念。

昔観た舞台の役者が今テレビや映画で活躍しているのを知って、驚くことがしばしばある。
今日昼飯を食しながら「メレンゲの気持ち」を見ていたら、ゲストに小日向文世が出ていて劇団「お笑い本舗」の役者であるマチャミと仲間意識濃厚なやり取りをしていたけれど、彼が若い頃から15年以上劇団でビンボー生活していたと聞き、オンシアター自由劇場で観た役者の1人だったデジャビュ感が湧いてきた。
そう言えば小日向をテレビで見かけた最初から既視感があったナ、という思い。
串田和美が主催するこの劇団は、20世紀後半を代表する演技派女優の1人・吉田日出子で知られていたけれど、齋藤憐の代表作「上海バンスキング」が圧倒的に面白い(のでおススメ!)。
ボクが観たのは六本木のビル地下にあった自由劇場だったけど、劇団のことは知らなかったもののエラク感激したのを覚えている。
その時出ていた1人が笹野高史だったのは判ったけれど、大谷亮介(高畑淳子の元カレでレイプ坊やの父)も出演していたらしい。
笹野は目立たない脇役だと名演するけれど、チェホフ「ワーニャ叔父さん」で主役を演じた舞台録画を観た時はミスキャストで観ていられなかったほど。
今は加藤健一事務所を主宰している舞台の名優・加藤は、つかこうへいが他の劇団から引き抜いて「熱海殺人事件」の金太郎役をやらせてバカ受けしていたものだけれど、無名時代の彼が白黒映画だった頃の「麻雀放浪記」(阿佐田哲也・原作)に脇役として出ていたのを見た時は驚いたナ。
渋いヤクザのような役どころだったけど、主役の真田広之に負けてない印象だった。

(昼寝が十分じゃなかったので眠い、この辺で。)