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占魚亭残日録

2018-08-19 『瀬戸内を渡る死者』

津村秀介『瀬戸内を渡る死者』(BIG BOOKS)★★★☆

| 19:10

『週刊レディー』の記者・北川真弓は四国取材の途中、屋島で女性の絞殺死体を発見した。被害者は上野で夫・幹夫とスナックを経営している滝田陽子と判明。胃の内容物から死の直前に焼き肉店に立ち寄ったと思われ、犯人は発見現場近くの廃屋になっている彼女の生家で絞殺した後、数日経ってから死体を移動させていた。同僚の菅生和彦と事件を追うことになった真弓は取材を進め、陽子の暗い過去を知る。彼女のヒモだった元暴力団幹部・種岡五郎が浮かび上がるが、動機がなくアリバイは完璧。幹夫による保険金殺人の疑いが浮上し、県警捜査一課主任の森安警部補は彼の鉄壁のアリバイを崩そうとする――。

単発物の第七長編。1985年4月刊。

瀬戸内を渡る死者 (広済堂文庫)

瀬戸内を渡る死者 (広済堂文庫)

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2018-08-18 『法廷の疑惑』

小杉健治『法廷の疑惑』(FUTABA NOVELS)★★★★☆

| 23:00

昭和57年私生児の相羽李奈子は御木本伸吾との結婚を控え幸せの絶頂だったが、母の加奈江がトラックに轢かれる事故に遭い、人生が一変する。関東総合病院に搬送された加奈江は脳が破壊されているため、元通りの体になる確率は低い。家族の経済的負担を考え手術を渋る医師たちに対し、李奈子の元恋人で脳外科医の上林は医の倫理を振りかざし手術を主張、院長の鶴の一声で手術を行うことになる。手術は成功したが予想された通り加奈江は植物状態になり、李奈子は衝撃を受ける。植物状態になったことを知った御木本の両親は、一方的に婚約解消を申し渡したのだった。加害者の北川文男は業務上過失致傷で逮捕され、ショックで妻の初恵は流産してしまう。昭和58年12月、禁固一年六月の判決が下され市原刑務所に収監されていた北川は刑期満了で出所、やり直そうと頑張るが事故が人生に重くのしかかり離婚。昭和60年、彼はかつて勤めた大崎運輸の事務所に忍び込み住居侵入および強盗致傷で起訴され、水木邦夫は弁護を引き受ける。昭和61年、看病に疲れた李奈子が加奈江を殺そうとし、水木は彼女の弁護も担当することになった。李奈子が起こした事件に、ある殺人事件が絡んできて――。

1986年11月刊の第六長編で、〈水木邦夫弁護士シリーズ〉長編三作目。

法廷の疑惑 (FUTABA NOVELS)

法廷の疑惑 (FUTABA NOVELS)

法廷の疑惑 (双葉文庫)

法廷の疑惑 (双葉文庫)

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2018-08-17 購入メモ

購入本

| 22:01

103.紅東一『午前零時の男 他三編』(盛林堂ミステリアス文庫)

 →怪奇探偵小説作家・潮寒二の別名義作品集日活アクション映画を思わせる内容の表題作を含む4編収録。

104.海老原辰夫『詰将棋手筋集5』(将棋を孫に伝える会)

 →使用駒数7枚以下の3〜7手詰を100作収録。

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2018-08-16 『札幌・仙台48秒の逆転』

深谷忠記『札幌・仙台48秒の逆転』(光文社文庫)★★★

| 20:10

九月七日、函館空港から飛び立った丘珠空港行きの東西航空四八五便が駒ヶ岳の南東の山麓に墜落し、乗員乗客六十四名が死亡した。同日、函館で男が轢き逃げされ死亡し、東京から来ていた女性が消息を絶った。翌年の四月二十九日、函館郊外の山林で女性の白骨死体が発見され、昨年消息を絶った尾関靖江と判断される。彼女は笹谷美緒の同僚の桑田キミ従妹だった。五月二十一日、上野駅に到着した寝台特急「ゆうづる4号」の三号車B寝台で、男の刺殺体が発見された。ニュース速報を見た美緒はひっかかるものがあり警視庁捜査一課の勝部長刑事に連絡、その情報がきっかけで十日くらい前に退職した函館北署の元刑事・大畑一明と判明する。彼は靖江が勤めていた帝都大学の電話番号が書かれたメモを所持していた。捜査により帝都大学細胞工学研究所の教授・泉圭太郎が浮かび、大畑が彼を脅迫していたことを掴む。聴取しようとした矢先に泉が失踪、その後シロと確定するが彼は姿を現さない。泉は殺されていると考えた勝部長は同僚の男に目をつけるが、彼には鉄壁のアリバイがあった――。

壮&美緒シリーズ第3作にして、「逆転」シリーズ第3弾。1987年4月刊。

今回2人が挑むのは、犯人の不可解な行動とアリバイ。本作でもアリバイを支えるために機械トリックが使われているが、今回のトリックはいただけない。「山村美紗かよ!」という感じ(笑)。ただ、「なぜ犯人はリスクを冒してまで車で函館に行ったのか」という謎が発想の転換でスーッと解けるのが堪らない。

機械トリックは不発だが、謎解きはまずまず。水準作でしょう。

札幌・仙台48秒の逆転 (ケイブンシャ文庫)

札幌・仙台48秒の逆転 (ケイブンシャ文庫)

札幌・仙台48秒の逆転 (光文社文庫)

札幌・仙台48秒の逆転 (光文社文庫)

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2018-08-12 『雨の倉敷 殺人紀行』

志茂田景樹『雨の倉敷 殺人紀行』(角川文庫)★★★☆

| 23:10

「クルスの壺を探して! 探さないと、わたしは殺される」とメッセージを残し、一之瀬みちが失踪した。養女(で姪)ローザの友人である彼女は亡くなった大富豪の石渡大介の愛人で、クルスの壺は石渡家に代々伝わる家宝だった。元警視庁捜査一課の刑事で健康食品会社社長の高島源太はカバと名乗る男に社員ごと会社を誘拐され、一週間以内にみちを探し出さなければならなくなる。倉敷で大介の孫の絵津子が殺され、現地に向かった高島は妻でタレント弁護士の昌美が出演している番組のディレクターの富安の死体を発見する。石渡本家の石渡哲治が裏社会の人間であると知った高島は彼がカバであると推測、みちと交友があることも掴み、哲治の居場所を突き止め社員を救出しようとするが襲われ気を失い、海辺で目覚めると隣にはアナウンサーの羽田飛夫の死体が。釈放された高島は哲治の居場所を突き止め社員の救助に成功するが、事件の謎は残されたまま。高島は全ての謎を解き明かせるのか――。

ユーモア旅情ミステリー〈殺人紀行シリーズ〉第1作。1984年6月刊。

土曜ワイド劇場』で『雨の倉敷トリック殺人紀行』(主演:高橋英樹)のタイトルでドラマ化されている(1989年9月16日放送)。

雨の倉敷殺人紀行 (角川文庫)

雨の倉敷殺人紀行 (角川文庫)

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