早川書房が発行するハヤカワ文庫の一レーベル。 「JA」は「Japanese Author」の略で、日本人作家の作品を収録していることを示す。 栗本薫『グイン・サーガ』もここからの刊行だった。 桜庭一樹、冲方丁、野尻抱介、榊一郎、森田季節、虚淵玄など他の一般文庫レーベルに比べてライトノベル作家の起用率が高いのが特徴。
『虐殺器官』伊藤計劃 ハヤカワ文庫JA 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) 作者:伊藤 計劃 早川書房 Amazon スーッと読もうと思ったらスーッと読めてしまう。SFなのだけど、人間としての自分を主人公が見つめて行く様が自分に重なっていってしまう物語。 暗殺を行う特殊部隊の一員である主人公の環境がどっぷりSFなわけだけれど、そこには訓練や投薬やカウンセリングで変えられていってしまう自分を見つめる自分がずっと存在する。その視点がすごい。 なぜ人間は戦争をするのかということを考えた。 勧められて読んだのだけど、読後感もすごい。エンディングはそうきたかと思った。 一年の最初に読み終わったのがこれってど…
画像の転載、複製、改変等は禁止します。 本記事およびイラストは https://ameblo.jp/0831nuko/ および https://nukobook.com/ で掲載されているものです。 上記以外で記事やイラストを掲載しているサイトがありましたら、ご一報いただけますと幸いです。転載や引用につきましてはご連絡ください。 『楽園とは探偵の不在なり』 斜線堂 有紀 (著) ハヤカワ文庫JA のイラストブックレビューです。 大学四年生のかおるは、自分の食欲が普通でないことを感じ、食べたものを記録するために日記をつけはじめた。恋人である大学院生の吉田さんとの関係、親友の真由子との語らいと、ち…
画像の転載、複製、改変等は禁止します。 本記事およびイラストは https://ameblo.jp/0831nuko/ および https://nukobook.com/ で掲載されているものです。 上記以外で記事やイラストを掲載しているサイトがありましたら、ご一報いただけますと幸いです。転載や引用につきましてはご連絡ください。 『入れ子の水は月に轢かれ』 オーガニック ゆうき (著) ハヤカワ文庫JA 水害で双子の兄を亡くした駿は、実家に残された母から逃げるようにして沖縄にやってきた。那覇のガーブ川上の商店街にある、鶴子オバアの店を譲り受けた駿だが、最初の客が水死体となって発見された。その死…
最後の1行のインパクトがガチでハンパない。 知る(know)物語 ども、サウナ探偵です。 割と前に読んだんだけどインパクトが強すぎて何も言えなかった小説「know」by野﨑まどの感想を書き留めておこう。 know作者:野崎まど早川書房Amazon このおいちゃんまじで天才すぎんよ。 この、ゴチャゴチャこねくり回した設定じゃなくて誰にでもイメージの沸く、なんなら思いつきそうなシンプルな超越感、なんなの。 なんなの。 まじで。 あらすじ 時は2081年。情報社会は加速し、情報素子は極限まで小型化された。情報素子は大気の如く世界中に散布され、形ある全てのものが膨大な情報に満ちた。 人々は高度な情報処…
画像の転載、複製、改変等は禁止します。 本記事およびイラストは https://ameblo.jp/0831nuko/ および https://nukobook.com/ で掲載されているものです。 上記以外で記事やイラストを掲載しているサイトがありましたら、ご一報いただけますと幸いです。転載や引用につきましてはご連絡ください。 『なめらかな世界と、その敵』 伴名 練 (著) ハヤカワ文庫JA のイラストブックレビューです。 いくつもの平行世界を自由に行き来する少女たちの前に現れた異質の存在とは(「なめらかな世界と、その敵」)。時の流れと人の心の隔たりと繋がりを描き出す、六つの物語。 nuko…
そういえば連休期間中にブックオフはセールをやっていて、それにいって 何冊か購入したのでありました。ひどく読書のペースが遅いところにもって、 図書館から借りたり、いつまでかかるかわからないプルーストに手をだしたり しているのですから、とってもブックオフで買ったものの割り込む余地はない のでありますが、それでもブックオフは、大人の駄菓子屋でありまして、ここ でワンコインで何冊か購入し、読書生活に刺激を与えるのですね。 そのかいがあるのかないのかですが、購入した本が積まれるのを見て、これ は読まなくてはとすこしは気合がはいることです。 今回は連休の旅行に持っていこうかなと思ったものもあったのですが、…
第8回ハヤカワSFコンテストにて優秀賞を受賞した『ヴィンダウス・エンジン』を読んだ。毎年『SFが読みたい!』を読みつつも、その都度話に付いていけていない人間からすれば、ここ数年の内に発売されたSFを読んでいると言うのは非常に珍しい。 とは言え、読んだきっかけはぶっちゃけてしまえば偶然見かけたからに他ならない。あらすじに書かれた、動かないもの一切が見えなくなると言う未知の疾患、ヴィンダウス症。そして鈴木康士氏の手になる魅力的な表紙。これらの要素が目の前にあって、手に取らない理由がないだろう。 いざ読み始めてみると、たちまちこの本の世界観に引き込まれた。一人称による軽妙で軽快な語り口。煌びやかで華…
『アステリズムに花束を』は百合SFアンソロジーです。 全部で9つの百合作品がこの一冊に収録されています。 アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー (ハヤカワ文庫JA) 早川書房 Amazon
すべての人間が完璧にハーモニーを描く世界。 完璧な人間の完璧な運営による完璧な社会。 ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) 作者:伊藤 計劃 早川書房 Amazon
ぼくが必要としているのは罰だ。 ぼくは罰してくれるひとを必要としている。 いままで犯してきたすべての罪に対して、ぼくは罰せられることを望んでいる。 『虐殺器官』は400ページ超の長編小説でして、内包されたテーマも多いのですが、一つに絞るとするならば「罪と罰」だろうなと私は思います。 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) 作者:伊藤 計劃 発売日: 2012/08/01 メディア: Kindle版
今日は休暇をとって、病院や美術館へ行っていた。 美術館のほうは「静岡県立美術館」のテオ・ヤンセン展。すばらしい展覧会だった。再入場可能だったので2巡してしまった。 テオ・ヤンセン式二足歩行ロボット 0D ノーブランド品 Amazon 病院は、ずいぶん昔にお世話になったところ。数年の間、薬を飲んでいたため、今でも定期検診的なことをして影響を見ている。一度も悪い数字は出たことがないのだけれど、調べて損をすることもないので案内ハガキが来たら行く。今回もおそらく大丈夫だろう。 ただ、病院というのは妙に疲れるものだ。いくつかの検査室を回るだけでも、あるいは採血をされるだけでも、ぐったりと疲れてしまう。僕…
技術が発展し、過去の記憶を消したり、架空の記憶「義憶」を埋め込んだりすることができるようになる。主人公の父親も、義憶の中にだけ存在する義者を妻として愛し、母親は主人公の他に4人の子どもを持った。19歳になった主人公は、あるとき記憶を消す「レーテ」を買うことにした。それまでの人生に何もなかったから、いっそすべてを忘れようと思ったのだ。しかし業者の手違いがあって、義憶を植え付ける「グリーングリーン」を飲んでしまう。それ以来、主人公には、記憶の中にだけいる幼馴染がいて…… いやこれとてもよかった。前作は「ジェネリック・村上春樹」で完コピすごいって感じの凄さだったんだけど、今作は文体も個性がきちんと入…
所用で新静岡駅の近辺まで行ったので、休憩がてら笠井珈琲店へ立ち寄ってみた。平日の昼間ということで、珍しくカウンター席が空いていた。 この店、最近久しく行っていない。休日と定休日と混雑具合のミスマッチが続いているのだ。だから今日のようなチャンスを逃すわけにはいかない。 知能侵蝕 1 (ハヤカワ文庫JA) 作者:林 譲治 早川書房 Amazon 色々と迷ったが、今日は「果物ゼリー」を選んでみた。初夏っぽい雰囲気なのでいささか気が早い気もしたけれど、今日だって20℃は超えている。ゼリーを食べてもかまわないだろう。 ウィンズテイル・テイルズ 時不知の魔女と刻印の子 (集英社文庫) 作者:門田 充宏 集…
毎週日曜日は、この一週間(4/15~4/21)に週刊誌や新聞などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPなどをご覧ください。 今週の書評本 *表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者.編者 出版社 税込価格 書評掲載回数(②回以上を表示) ◆サンデー毎日「遠回りの読書」: 4/28 号 2 冊はじめての橋本治論 千木良悠子 河出書房新社 3,8501日1つ、読んでおけばちょっと安心! ビジネスマン超入門365 林雄司、ヨシタケシンスケ 太田出版 1,650 ◆女性自身「今週のあなたを開く本」: 4/30 号 4 冊夜露がたり 砂原浩太朗…
伊藤計劃「ハーモニー」読了。恥ずかしながら初伊藤計劃である。これは過剰に健康健全であろうとした人類の物語。しかし、過剰な社会は同時に息苦しさもあり、一種のデストピアでもあった。「ハーモニー」というタイトルが示すように、ハーモニクスの訪れた世界は、人類が意識を放棄した世界でもあり、よくSFで描かれるような、種族全体がひとつの意識を持った上位存在への進化の一つなのかもしれない。#白猫Bookreview <Harmony//> 【追記】R.IP.伊藤計劃 【追記2 もう一度映画が観たくなりました。 ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) 作者:伊藤 計劃 早川書房 Amazon
化学の授業をはじめます。 (文春e-book)作者:ボニー・ガルマス文藝春秋Amazon ゲームの王国 上 (ハヤカワ文庫JA)作者:小川 哲早川書房Amazon 時は殺人者 下 (集英社文庫)作者:ミシェル・ビュッシ集英社Amazon 背後の足音 下 (創元推理文庫)作者:ヘニング・マンケル東京創元社Amazon 目くらましの道 下 刑事ヴァランダー・シリーズ (創元推理文庫)作者:ヘニング・マンケル東京創元社Amazon レイトショー(下) (講談社文庫)作者:マイクル・コナリー講談社Amazon
読書嫌いのための図書室案内 (ハヤカワ文庫JA) 作者:青谷 真未 早川書房 Amazon
scene at 2400-0700 狼と香辛料を観ようと思ったのに、ドキュメント72時間のスーパー玉出を見直してしまったw 大阪に行く機会があったら、必ず視察しますよ!! scene at 0700-1200 最高気温26℃の予報ということで、上着をぺらぺらの軽いmont-bellのウインドブラスト ジャケットにした。それでも最寄り駅に着く頃には、軽く汗ばんでいる。 お祭り5連戦のうち5日目。つまり最終日だ。ようやく一息入れることができる。ちょっと詰め込み過ぎたけど、一気に駆け抜けないと途中でめげてしまうからね。 某培養室に移動して、細胞の調整に入る。最終日なのでお世話はしないし、サンプル数…
「死霊狩り(ゾンビー・ハンター)」巻末の作品一覧 こんにちは、暖淡堂です。 中学生の頃から高校生くらいまでの間、平井和正さんの作品を好んで読んでいました。 ハヤカワの「狼男(ウルフガイ)」シリーズにはハマっていました。 平井さんの作品で、角川でも刊行されていたものは、その多くを読んでいました。 当時購入していた本は、実家の引越しの時に処分されてしまって、今手元にはどれもありません。 絶版になっているものが多く、ほとんど再入手が不可能な状態です。 数年前にたまたま古書で見つけた「死霊狩り(ゾンビー・ハンター)」全3巻は、宝物として長く残しておきたいと思っています。 で、この本を眺めていて、とても…
見た:草村しげみ。 遠くに行ってしまった気がした推しが全然遠くに行ってくれない話(1/2) pic.twitter.com/yN6k18DTCM — さかめがね@「鬱サキュ」単行本発売中! (@sakamegane) 2023年11月26日 本当に可愛い。 聞いた:欲望の話をする。人に言っていいことではないだろ。 味:まいたけソースのステーキを作る。 www.kango-roo.com 近所のスーパーで牛もも肉がありえない安さで売っており、衝動買いしたので使う。 筋切りを忘れたけど、まいたけの力で割となんとかなった。筋感はあったけど自分で作って食べるなら許せる、みたいな話。しかしステーキソース…
とりあえず2024年も3月が終わって早くも1/4が経過してしまいましたが、上四半期終了ということで今年の1月から3月に刊行された新作文庫の中からおすすめを30作品セレクトしてみました。 気になる作品があったらぜひ読んでみて下さい。 ライトノベル編はこちら↓ ※紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。 1.竜胆の乙女 わたしの中で永久に光る (メディアワークス文庫) 竜胆の乙女 わたしの中で永久に光る posted with ヨメレバ fudaraku KADOKAWA 2024年02月24日頃 楽天ブックス Amazon Kindle 7net honto 紀…
土曜日。晴天。空気と日差しで程よい暖かさ。車内だと、猛烈に日差しに炙られる。道を埋める落下した花々(椿や桜や、他にもピンク濃淡各種)も、咲いている花とは違う趣きで綺麗。路上でなお鮮やかな花弁は、なんだか少し艶かしい。朝。フレンチトースト。ヨーグルトwith苺ジャム。コーヒー。昼。白米。生姜、にんにく垂れで鰹のタタキwith新玉ネギ。菜の花とホタルイカの酢味噌和え。胡瓜と茄子の漬物。日本酒少々。夜。塩昆布とツナのチャーハン。トマトとチーズのマリネ風。茹でブロッコリー。ビール。食後に、桜餅(派閥は道明寺)と焙じ茶。*ウォーハンマー初心者向け4体はなんとか塗り終わった。自分では、まあまあ上手くいった…
友野リプレイの思い出 NOVA「キャラ作りは2版ですが、最近、初版のこれを読み直しているんです」 破壊の剣 ウォーハンマーRPGリプレイ(1) 作者:友野 詳 社会思想社 Amazon プラーグの妖術師: ウォーハンマーRPGリプレイ2 (現代教養文庫 1410) 作者:友野 詳 社会思想社 Amazon ヒノキ「うむ、それで?」 NOVA「改めて読み直すと、ドワーフのナイが初版のメイン翻訳家の高山浩さんかな、と思うんですが」 ヒノキ「確か、角川から出た文庫版ロードスRPGのデザイナーじゃったな」 NOVA「シンプルなルールのロードス島コンパニオンから、スキルがいっぱいの緻密なロードスRPGに…
さて早いもので今年も1/4が終わった。悲しいことに去年ぶんのやったゲームとか、見たアニメ映画とかについてまだまとめる時間が取れていない。それらはそのうちやるとして、とりあえずは今年3月までに読んだ本に触れる。 物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国(黒川祐次) 三体0 球状閃電(劉慈欣) 時をかける少女(筒井康隆) 台湾 四百年の歴史と展望(伊藤潔) 紙の動物園(ケン・リュウ) 走馬灯のセトリは考えておいて(柴田勝家) Fate/strange Fake 1(成田良悟) おわりに 物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国(黒川祐次) 東欧の大国ウクライナの歴史と変遷についてよくまとめ…