ハルキは「VOW」を読んだか?!

「宝島」の前身「Wonderaland」(植草甚一編集 晶文社)の第2号を入手。
贅沢を言えば創刊号がほしかったということなんだけど、この2号も2号で絢爛豪華な内容で大満足。
後の大人気企画頁「VOW」も「Voice Of Wondearland」という雑誌内新聞という趣で存在していたことは、山崎浩一の「なぜキー」*1で知ってはいたけど、実際に目にして正直驚いた。「ニューポートジャズフェス写真特報」「ディラン近況」「「村八分」も難しいとこにきた」「レガエ・ロックと革命」「ロンクンロール・エクスプロージョン」とポピュラー音楽に比重が置かれた記事が連射される中に、ぽつんと「チョンボな建築みーつけた」と後々のいかにもVOWな京都のそば屋さんの紹介があった。当然驚いたのは後者の方。

そんで、その「VOW」の中に筒井康隆の連載小説「モケケ・バラリバラ」(挿絵及川正通)が!そう、意外や意外、この号ってばその後のハルキ映画の原作者がけっこう執筆しているのだ。編集にも参加している片岡義夫は当然として、大薮春彦の『野獣死すべし』に関するあれこれはまだ想像つかないこともなかったんだけど(実際にはしてない)、半村良が「泪稲荷界隈」なんていうエッセイを書いてるのには本当にたまげた。といっても半村良のエッセイなんて読んだこと自体が初めてだったりする。
その後のハルキ映画とこの雑誌になんらかの関連があるかと問われればおそらくないんだろうけど、1973年にJJ氏が面白いと思った人が80年代日本映画の風雲児の商売の種になったというは興味深い。


しかし、なにより一番たまげたのは印刷頁の最後に載ってる広告が『文藝春秋臨時増刊 日本縦断 芭蕉・蕪村・一茶の旅』だったこと。まじでわけわからん。

*1:

なぜなにキーワード図鑑 (新潮文庫)

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