星エリナのほろよいハイボール(連載33)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp


清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。

星エリナのほろよいハイボール(連載33)


リゾットを揺する

 私はランチに結構お金をかけている。SNSで私とお友達な方はわかると思うが、ほとんどがぼっちだ。お一人様が怖くなくなったのは、たぶん大学生になってから。SNSに投稿されている写真のほとんどがぼっちランチの写真で、八割方パスタだ。イタリアン大好き。赤ワインが大好き。パスタはやっぱりトマトソース。あとチーズが大好き。パルメザンチーズという粉になって売っているものも常備してあるが、本物のパルミジャーノ・レッジャーノの塊もちゃんとある。
 パルミジャーノ・レッジャーノっていうのはイタリア産の有名で伝統的なチーズのこと。じゃあパルメザンチーズと何が違うのかっていうと、「パルミジャーノ・レッジャーノ風の粉チーズ」として売り出された商品の名前がパルメザン。パルミジャーノ・レッジャーノの塊はスライサーで薄くしてパンにのせたり、削ってパスタやサラダにたっぷりかける。うーん、これが本当に美味しい。
 と、まぁとにかくイタリアン大好きな私。ランチは特にイタリアンばっかり。この間も大学の友だちとランチへ出た。イタリアンにね。彼女はクリームソースのパスタをご注文。私は迷った末に、エビとパルメザンチーズのリゾットを選択。ふたつともとっても美味しいし、リーズナブルなランチで幸せ。欲を言えばやっぱりパルミジャーノの苦味と臭みみたいなものがほしいなーとか思ったり。
 そんな私がいつも通りリゾットを食べていると、一緒に食べていた友人が「痙攣してるよ」と言ってきた。ん? 痙攣? 私全然元気ですよ。彼女が見ているのは私の右手。今はぴたっと止まってる。そのままもう一口、食べてみる。そこでようやく気がついた。私、リゾット食べるとき、リゾットを揺する癖があるみたい。私の食べ方を最初から説明してみよう。リゾットはもちろんスプーンで食べる。極度の猫舌なので、スプーンで掬う量は少なめ。それから口元へ持ってくる前にぷるぷるっとスプーンを揺らす。そしてふー、ふー、して口の中へ。
 なんで揺するかっていうと、リゾットって言わばおかゆみたいな感じで、お米ととろりとしたスープでできている。お米は固形物だからスプーンにきちんと乗ってくれるのだけど、とろりとしたスープはスプーンからはみ出たり、ぽたり、と落ちたりする。猫舌の私にはそれがちょっと耐えられない。スプーンの真ん中にあるならまだ覚悟できているのだが、思わぬところに熱いそれがあると油断していた私の口は火傷してしまう。だからリゾットのお米とスープをスプーンの真ん中へ誘導するためにぷるぷるっと揺らす。私とおんなじ風に食べる方いらっしゃいません? 友人にはとても笑われたんだけど、実は普通にいると思ってる。
 自分の癖とか、自分の好き嫌いの感覚とか、やっぱりどうしても主観だから、他人から「それ変だよ」って突っ込まれるとちょっとびっくりする。でもそれが「お前面白いなー」に繋がっているみたいで、嬉しい。けれどもし、明らかに常識的に考えておかしいよ!ってときは、みなさん私にツッコミ、いれてください。


 


※肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。

小林リズムの紙のむだづかい(連載217)

小林リズムの紙のむだづかい(連載217)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D

ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/


四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載217)
小林リズム
  【恋人ごっこ
   小さい頃、お菓子がひとつしかないという理由で弟と喧嘩になったりすると「じゃあこれをあげるから、今日は僕がお兄ちゃんになる日ね。だからりっちゃんは今日は妹だから」という契約で弟からお菓子をもらったりしていた。なぜか弟は「お兄ちゃん」になることに憧れがあるらしく、わたしが年下というポジションにつくことが気持ちよかったらしい。そんなことよりお菓子のほうが重要だったわたしは、本当にどうでもよくって「わかった」とすんなりと頷いていた。弟がお兄ちゃんでわたしが妹の、ごっこあそび。特にこれといって妹ぶることはなく、弟もお兄ちゃんという位置につきながらこれといって兄の特権を振りかざすこともない謎なあそびだった。

 そんな「ごっこあそび」を経た22歳のわたしは最近、ひそかに自分のなかでのそのあそびが再熱している。その名も「恋人ごっこ」や「お母さんごっこ」という痛々しいひとりあそびだ。たとえばマクドナルドで照り焼きバーガーを頼むときも、あえてふたつ頼んで「うちにいる恋人(もしくは子ども)に持ち帰ってあげるのよ」というアピールをしてみたり、雑貨屋さんで赤ちゃんの靴下なんかを眺めて愛おしそうに手にとってみて「優しいお母さん」を演出したりするのだ。
 それから、駅の改札口を出たあたりでぼうっと突っ立って「恋人待ち」ぶってみたりする。スマホを覗いてふふっとほほ笑んでみたり、「こないのかな…」と現れない恋人をひたすら待ち続けるという健気な女性を装う。時計を何度も確認し、電話をかけてもつながらない焦りで目を潤ませ、悲しげな顔でとぼとぼと去る。どう?この寂しげな去り際。今日は80点くらい?と自己評価、もっと壁によりかかって俯く時間をのばしたほうがよかったかな…などと反省してみたりする。

 こんなことをしたからといって恋人ができたり、お母さんになれたりするわけではないけれど、そんなことおかまいなしに結構楽しい。他の自分になりきってあそびたい気持ちって変身願望と似ているのか…。女装が趣味な「男の娘」が流行って久しいけれど、なんか気持ちわかる。自分じゃない誰かになったときって、面白いよね。気づかないうちに勝手に自分で自分を「こんな人間」って枠にはめているからなのかな。

 ちなみにふたつ買った照り焼きバーガーは家でふたつとも自分で食べる。お金も太るリスクもかかった高尚な遊びなのだ。うん。
 

小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
http://ameblo.jp/nanto-kana/

twitter:@rizuko21


※肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。