装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊

2017-03-28 大貫伸樹:監修『描き文字のデザイン』発売!

昨年から制作を続けておりました、大貫伸樹:監修、雪朱里:著『描き文字のデザイン』(グラフィック社、2017年4月10日発売予定、定価3,500円〔税別〕)B5判、272ページ、オールカラーの見本が出来上がり、送られてきました。

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 「日本を代表する明治・大正・昭和生まれのデザイナー・画家45人の『描き文字」仕事を800点以上の図版とともに徹底的に紹介した『描き文字デザイン』本の決定版!

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▲山田伸吉


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▲山田伸吉


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▲奥山儀八郎


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▲鳥居敬一


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武井武雄


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▲芹沢げ


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花森安治


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恩地孝四郎


 明治から現在まで、時代を経てなお愛される、すばらしい描き文字(図案文字/デザイン文字)がたくさんある。本書は、作家ごとにその『描き文字』仕事(装丁、ポスター、パッケージ、ロゴ、映画、テレビなど)を紹介した一冊です。作家の生年順に掲載することで、時代ごとの作風の変化を感じながら描き文字を見ることができます。これまでまとめられたことがなかった『日本の描き文字』を初めて編纂した、描き文字を知るための決定版。書体やロゴを制作したことがある人、デザインの好きな人であれば、だれしもイメージの源泉となリうる一冊。今まで埋もれていた匠たちを、一挙に掲載します。」(フラーヤーより)

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2017-03-27 円本全集は挿絵の宝庫!…『小学生全集』第48巻《日本童謡集》

【円本全集は挿絵の宝庫!…『小学生全集』第48巻《日本童謡集》】

 まずは、円本全集の中でもひときわ豪華な挿絵画家たちが登場する『小学生全集』第48巻《日本童謡集》(興文社、文藝春秋社、昭和2年)を紹介します。

・装幀・口絵…初山滋

・装画カット…伊藤孝 一木 岩岡とも枝 初山滋 岡本帰一 小笠原寛二 川上四郎 川上千里 加藤まさを 河目悌二 海野精光 清原齋 道岡敏 清水良雄 平沢文吉 平賀輝彦

と、1冊の本に当時活躍していた挿絵画家が、これだけたくさん寄稿しているのは驚異的といっても良い。

 そんな中からほんの一部でしかありませんが、挿絵を紹介します。

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初山滋:画(『小学生全集』第48巻《日本童謡集》表紙、興文社、文藝春秋社、昭和2年)


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初山滋:画(『小学生全集』第48巻《日本童謡集》口絵、興文社、文藝春秋社、昭和2年)


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初山滋:挿絵「山の機おり」(『小学生全集』第48巻《日本童謡集》昭和2年)


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武井武雄:挿絵「象」(『小学生全集』第48巻《日本童謡集》昭和2年)


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武井武雄:挿絵「霰ふる夜」(『小学生全集』第48巻《日本童謡集》昭和2年)


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川上四郎:挿絵「巨きな帽子」(『小学生全集』第48巻《日本童謡集》昭和2年)


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川上四郎:挿絵「靴の家」(『小学生全集』第48巻《日本童謡集》昭和2年)


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加藤まさを:挿絵「春の河」(『小学生全集』第48巻《日本童謡集》昭和2年)


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一木紝:挿絵「天の河」(『小学生全集』第48巻《日本童謡集》昭和2年)


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伊藤孝:挿絵「数へうた」(『小学生全集』第48巻《日本童謡集》昭和2年)


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岩岡とも枝:挿絵「大鞠子鞠」(『小学生全集』第48巻《日本童謡集》昭和2年)


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清水良雄:挿絵「カナリヤ」(『小学生全集』第48巻《日本童謡集》昭和2年)

2017-03-24 円本全集は挿絵の宝庫

【円本全集は挿絵の宝庫!】

円本全集とは「1冊1円で発売された安い価額の全集,叢書類をいう。発端は 1926年 12月,改造社が刊行しはじめた『現代日本文学全集』。出版界の不況と大衆文化状況のなかで,続々と円本が登場して 100種にも及び,円本合戦と称された。」(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)

 「出版界における『円本』の功罪は……文士・著作者の大半が此の『円本』の出現によって多少とも物資的の恩恵に浴したのは疑えない事実である。」(岡野他家夫『日本出版文化史』春步堂、昭和37年)とあり、挿絵画家たちもこの全集ブームによって懐を潤したことは間違いない。中でも

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小学生全集」全88冊表紙+武井武雄:挿絵「黒馬物語」(興文社・文芸春秋社、昭和4年)

には多くの挿絵画家が登場している。

他にも

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『現代大衆文学全集』全60巻表紙+岩田準一:挿絵「踊る一寸法師」(平凡社、昭和2年)


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『現代漫画大観』全10巻+岡本一平:挿絵(中央美術社、昭和3年)

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『講談全集』全12巻+石井朋昌:挿絵「赤穂浪士本伝」(大日本雄弁会講談社、昭和3年)


・『現代ユウモア全集』全24巻(現代ユウモア全集刊行会)

・『修養全集』全10巻(大日本雄弁会講談社

・『一平全集』全15巻(先進社・昭和4〜5年)

などなど、挿絵がふんだんに掲載されている全集の枚挙には事欠かない。

 昭和初期に挿絵を生業としていながらこれらの全集に挿絵を提供しなかった挿絵画家はいないのではないかと思われる。

 

2017-03-23 コブシと白木蓮の違いとは?

小節を回して、♪こぶし咲く〜あの丘 北国の ああ 北国の春〜♪ ではな・く・て、コブシの花の話です。

 今を盛んに、辛夷(こぶし)も白木蓮も競うように咲き誇っていますが、この瓜二つの辛夷と白木蓮の違いってわかりますか?

 今年こそは植物画を描くためにもしっかりとその違いを見定めようと勉強してから撮影に出かけました。

・ハクモクレンは花の大きさが8〜10センチくらい、こぶしの花の大きさは、4〜5cm。ハクモクレンの方が大きいですし、花びらの幅が広く、厚みがあります。

・ハクモクレンは花びらとガクを含めて9枚、コブシは花びらが6枚。

・ハクモクレンは花が閉じたような感じで咲きますが、コブシしっかり全開します。ハクモクレンの場合は、花が上向きに咲きます。それに対し、コブシは、色々な方向を向いています。

・コブシには花の付け根に小さな葉が1枚付いています。

撮影して感じたのはコブシはバラバラな方向に向いて咲いていますがハクモクレンはみんなそろって同じ方向を向いているような感じです。

つまり、写真上がハクモクレンで、写真下がコブシデス。

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2017-03-21 日本初の水彩画はワーグマンが描いた!

【日本初の水彩画は、ワーグマンが描いた】

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 ワーグマン「東禅寺浪士乱入図」。1861年7月5日(文久元年5月28日)夜、江戸高輪の東禅寺(イギリス公使館)に水戸藩浪士が乱入した事件を描いている。

 「東禅寺浪士乱入図」には構図がちがうものがあるから二種以上描かれたものと思われる。

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ワーグマン「東禅寺浪士乱入之図」、上の絵とよく似ているが、もう一枚描かれた別の絵だ。


「日本の水彩画、水彩画に限らず日本の近代洋画におけるひとつのエポックが、この、幕末期、おそらくは安政末から文久初年に来日し、以後わが国に在留したワーグマンと接触した洋画家たちによって作られることになったのです。

 ワーグマンは、イギリスの『イラストレイテッド・ロンドン・ニューズ』の画報記者として来日し、幕末・明治初期の動乱期の日本のありさまを本国へ描き送っていた。もと軍人で、本格的に絵画学修をした画家ではなかったが、挿絵画家として、現実や風俗の描写力はかなり優れている。ワーグマンの水彩画は決して数多くは残されていない。かつて、大正5年(1916)に開かれた日本水彩画沿革展覧会にも、《水売》《髪結》など9点が出品されたにとどまっている。しかし、よく知られているものに《浪士乱入図》があり、これが文久1年5月28日(1861年7月5日)夜半の仮イギリス公使館高輪東禅寺襲撃事件に遭遇した来日間もないワーグマンのその時の水彩画であることを想起すれば、この作品こそ確実な記録をもつ日本における洋風水彩画の最初の記念的作品といえよう。」(陰里鉄郎『日本の水彩画6 名作選I明治』第1法規、昭和57年)


「本格的な洋画法のもち主ではなかったとはいえ、ワーグマンは、油彩画・水彩画において、当時の洋画志望の青年画家たちを魅了するには十分の技術をもつ画家であった。五姓田義松(1855-1915)・高橋由一(1828-1894)らが直接にワーグマンから指導を受け、五姓田・高橋門下の明治初期の画家たちは師を通じてその影響を受けている。」(前掲書『日本の水彩画6』)


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五姓田義松「箱根の宿」制作年不明、水彩


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高橋 由一「枕橋」1875(明治8)年水彩


 

2017-03-19 ワーグマンがオールコック『大君の都』に描いた挿絵は何枚?

【ワーグマンがオールコック著『大君の都』に描いた挿絵は何枚?】

  幕末期に記者として来日し、「ポンチ絵」のもととなった日本最初の漫画雑誌『ジャパン・パンチ』を創刊したことで知られるチャールズ・ワーグマン(Charles Wirgman)。その最初の仕事となったオールコック著『大君の都』へのワーグマンが描いた挿絵はどれなのか? 何冊かの本を調べてみたが144枚全てにサインがないので判断が難しい。

「1861年4月(文久3.3)来日の大一歩を長崎におろしたワーグマンは、英国の駐日総領事、ラザフォード・オールコックらとともに陸路江戸へ向かった。この旅はワーグマンにとって快適であったらしく、行く先々で珍しい日本の風物をスケッチしている。オールコックの著作『大君の都』(山口光朔訳・岩波文庫)には、この時の旅の模様の記述が見られるが、その中にはワーグマンの手になる144枚の挿絵が収録されている。」(重富昭夫『ワーグマンとその周辺』ホルプ出版1987年)とあり、「ワーグマンの手になる144枚の挿絵が収録されている。」と記されていた。

ワーグマンの144枚の挿絵を見ようと『ワーグマン日本素描集』(岩波文庫、1987年7月)を見るとそこには、「『イラストレイテッド・ロンドン・ニューズ』の特派員として来日したワーグマンの最初の大きな仕事は、オールコック著『大君の都』(上下二巻)に挿入する12葉の石版画の制作であった。村の娘・茶屋の娘・御高祖頭巾の女・医者などの肖像は、ワーグマンの日本人への関心や深い愛着を示す絵として興味深い。大村や小田で外国人一行を見に来た群衆図も、日本人の好奇心の強さを示してくれる。」とあり、ここではワーグマンの挿絵は12葉であるように記されている。

それでは、オールコックの著作、山口光朔訳『大君の都』全3巻(岩波文庫、1962年)を見てみよう。

「…若干補足しておきたいのは、かれ(※オールコック)が多少画才を有していたということである。このことは『ロンドン画報』の特派画家として活躍したチャールズ・ワーグマン(1834ころ〜1891)の筆になる絵とならんで、かれの写生画が本書にふんだんにとりいられていることでもわかる。本書には地図2枚とさし絵144枚が収録いるがその大部分(とくに前半)は、オールコックじしんが写生ないし日本の木版画を模写したものである。」とあり、ここでは、どの絵をワーグマンが描いたのかを明らかにしていない。

 ページをめくっていくと1ページ大のさし絵が14葉挿入されており、それ以外のさし絵は、誌面の1/2〜1/4程度の大きさに掲載されているので、大きい方の14葉の絵がワーグマンが描いた石版画ではないかと推察する。

 下記の14葉のさし絵が、ワーグマンが描いたものと思われる。

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ワーグマン:画「村の美人」(オールコック『大君の都』1859-1862年)


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ワーグマン:画「茶屋の給仕女」(オールコック『大君の都』1859-1862年)


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ワーグマン:画「江戸の女の冬姿」(オールコック『大君の都』1859-1862年)


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ワーグマン:画「日本の医者」(オールコック『大君の都』1859-1862年)


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ワーグマン:画「大村の旅館から」(オールコック『大君の都』1859-1862年)


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ワーグマン:画「小田」(オールコック『大君の都』1859-1862年)


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ワーグマン:画「嬉野の硫黄温泉」(オールコック『大君の都』1859-1862年)


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ワーグマン:画「呉服屋風景」(オールコック『大君の都』1859-1862年)


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ワーグマン:画「小田原への川越え」(オールコック『大君の都』1859-1862年)


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ワーグマン:画「大阪の景色」(オールコック『大君の都』1859-1862年)


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ワーグマン:画「長崎近郊の旅館」(オールコック『大君の都』1859-1862年)


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ワーグマン:画「婦人の顔そり」(オールコック『大君の都』1859-1862年)


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ワーグマン:画「富士登山」(オールコック『大君の都』1859-1862年)


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ワーグマン:画「寺院境内の鐘楼」(オールコック『大君の都』1859-1862年)

2017-03-14 『ロバート・ブルーム画集 JAPAN』に興奮!

西東京市・柳沢図書館へ返本に行ったついでに、本棚の本を無作為に手に取り眺めているうちに、写真の『ロバート・ブルーム画集 JAPAN』(芸術新聞社、2015年)を手にして明治時代に描かれたと思われる表紙絵の精緻さに驚いた。まるで写真のように精密に描かれており、近代絵画でこんな絵があったのだろうか? と、初めて見る絵に身震いするほどの興奮を覚えた。

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『ロバート・ブルーム画集 JAPAN』(芸術新聞社、2015年)


 パラパラとめくっていくうちに、ロバートブルーム「飴屋」(1893年メトロポリタン美術館所蔵)と、チャールズ・ワーグマン「飴売り」(1877年、東京国立博物館所蔵)とがよく似ている、という論考を見つけ、ますます興味を惹かれた。

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ロバートブルーム「飴屋」(1893年メトロポリタン美術館所蔵)


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チャールズ・ワーグマン「飴売り」(1877年、東京国立博物館所蔵)


 ワーグマンの「飴売り」は日本近代美術の祖の代表作、一方、ブルームの「飴屋」はアメリカにおけるジャポニスムの代表作例であるという。軍配をあげにくいと思うが、のれんや看板の文字の有無で、どちらが先に描かれたかは明白なはず。それなのにワーグマンの方が16年も前に描かれたことになっている。


 謎は他にもあった。このブルーム「飴屋」はどこで描かれたのか? 監修者・岡部昌幸の推理が面白い。

2017-03-12 さすがAmazonすごいですね!

【さすがAmazonすごいですね!】

 私は写真のように同じ本を何度も購入してしまうことが多いようだ。今回は写真右上の『近代日本漫画百選』(岩波文庫)をAmazonで購入しようとしたら、「お客様は、2013/11/25にこの商品を注文しました。」とのコメントが一番上に出てきた。

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 本当かいな、と思いながら、本棚の文庫本をくまなく探してみたら、「すご〜い!」本当に購入していたのだ! 

 かつて、返品しようとしたら、「読み終わってしまったのか、コピーしてしまったのか、よくあることpなので、返品には応じかねます。」といわれ「いえ、梱包は開封していませんので…」といっても、まるで犯罪者扱いされた某古本屋とは大違いだ。

2017-03-03 鈴廣のロゴマークのデザイナー鳥居敬一

【鈴廣のロゴマークのデザイナー鳥居敬一】

 この「鈴廣のかまぼこ」のロゴは以前からよく知っていたし食したこともあるが、誰がデザインしたかなど考えたこともなかった。老舗なのでロゴマークも古いものだと思いこんでいた(*創業慶応元年1865年)のでデザイナーが関わっているなどと考えもしなかった。

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ネットで調べてみたら

「鈴廣ではパッケージや紙袋、お客様にお配りしているカレンダーなどに、江戸時代からの伝統的な染色技術である「型染め」をつかっています。

 型染めとは渋紙を彫った型紙を用いて、布や紙を染める方法です。鈴廣では型染め作家の鳥居敬一氏に昭和の中期にデザインをお願いしてから今も、型染めをデザインの中心にすえています。

 刀で彫った型紙は線がきりっとしていますが、染料が自然に紙に浸透していき、染め上がりは柔らかな曲線やグラデーションになる。染め独自の美しさです。」(「鈴廣ブログ」より)

とあった。

 意外に最近?作られたものだった。デザインした鳥居敬一は『洋食や』の装丁や『装苑デザインブックNO.6/部分デザイン』の題字を書いていた。

オリジナル型染こけし絵30枚を収めた作品集『和染こけし図譜』も観光している。

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鳥居敬一:装丁、茂出木心護『洋食や』(中央公論社、1976年)

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鳥居敬一:題字、デザイン画:青木伊津子、、監修:森岩謙一『装苑デザインブックNO.6/部分デザイン』(文化服装学院出版局、1968年)

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オリジナル型染こけし絵30枚を収めた作品集『和染こけし図譜』(ギャラリー吾八、 昭和35年

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鳥居敬一:挿絵、編:文化服装学院出版局、監修:清家清『ミセス全集 味の上等=料理篇』(文化服装学院出版局、1968年)

2017-02-26 「禁じられた遊び」のポスターを描いた野口久光を知ってますか?

【第三の男など洋画を中心に1000点を超える映画ポスターを描いたデザイナー(画家)を知っていますか?】

 映画のテーマソング「第三の男」や「禁じられた遊び」を聞いたことがある人は多いと思う。これらの映画を見た人も多いのではないだろうか。しかし、この映画のポスターを描いたデザイナー・野口久光を知っている人は少ないだろう。そういう私も、昨日ある本の色校正をやっていて初めて知った。

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野口久光:画、「第三の男』(日本公開1952年)


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野口久光:画、「禁じられた遊び」(日本公開1953年)



 1933年東京美術学校(現・東京藝術大学)工芸部図案科卒業制作で描いた『制服の処女』や『ALL TALKIE NEWS』など7点が美校買い上げとなったという。

 1951年、東和映画株式会社宣伝部に入社。『天井桟敷の人々』『第三の男』『禁じられた遊び』『大人は判ってくれない』など戦後の欧州映画の傑作映画ポスターを数多く描く。

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野口久光:画、監督:フランソワ・トリュフォー大人は判ってくれない.」((日本公開1960年)

特に1960年の日本公開の際描かれた『大人は判ってくれない』のポスターは監督のフランソワ・トリュフォーが絶賛し、久光に「素晴しいポスターを描いてくれてありがとう!」とお礼を寄せ、感謝の意を伝えた。その後来日したトリュフォーと対面した久光が、『大人は判ってくれない』のポスターの原画を贈呈すると感激したトリュフォーは、1962年制作のオムニバス映画『二十歳の恋』の中の「アントワーヌとコレット」の中の印象的な小道具としてこの野口のポスターを登場させる。

 このような数々の武勇伝を持つ野口久光だが、私はこれらのポスターの絵が見事なこともあるが、使われている文字が、小さな文字まで全て手書きで書いていることに感動した。

 感動が冷めないうちにと思い『ヨーロッパ名画座―野口久光映画ポスター集成』(朝日ソノラマ、1984年)を購入してしまった。

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