「史記列伝(2)」 「史記列伝(2)」小川環樹・今鷹真・福島吉彦訳 古代中国・戦国時代の名将・楽毅が書いた手紙「恵王に報じる書」は、読んだ者を涙させずにおかないと言われる。 楽毅は、隣の強国・斉に脅かされていた弱小国・燕の昭王に登用され、斉を攻略して滅亡寸前にまでたたきのめした功労者。 昭王亡き後、後を継いだ恵王が敵の計略に惑わされて、楽毅の離反を疑ったため、やむなく、別の隣国・趙に亡命した。 恵王は、楽毅が趙で登用されて燕を攻めてくるのではないかと恐れ、「私は、あなたを疑ったわけではないのに、燕を見捨てるのか。昭王の恩をどう考えているのか」と、言い訳&問責の手紙を送った。 これに対し、楽毅が…