歴史書である『三国志』や、歴史小説である『三国志演義』などを元にして翻訳(翻案)小説、漫画、劇、アニメ、ゲームなどが数多く創作されている。
書籍以外で代表的な作品でいえば、シミュレーションゲーム「三國志」シリーズ(コーエー)や、川本喜八郎の人形でも有名な「NHK人形劇三国志」などがある。
旧字体(正字)では三國志。
おおもとは中国の三国時代(220〜280)の歴史を記した書・陳寿『三国志』の事を指す(陳寿の三国志は、簡略に過ぎると言われたために後に裴松之によって注釈が付けられ、現在では裴注を含むものが一般的な三国志のテキストになっている)。
現在の日本では、羅貫中『三国志演義』や、それを元に生み出された諸作品(たとえば吉川英治『三国志』、横山光輝『三国志』)を指すことが多い。
一口に三国志といっても、指し示すものは必ずしも同じではない。そのため、陳寿の歴史書のことを「正史三国志」、吉川の小説を「吉川三国志」、などと呼ぶことで区別している。
歴史書の「三国志」(正史三国志)も小説「三国志演義」も魏・呉・蜀の三国の興亡を描いているという点では変わりはないが、正史三国志では魏を正統として記述しているのに対し、三国志演義は蜀を正統とする視点から描かれている。
日本では吉川英治や横山光輝の影響で「三国志=三国志演義」という状況が長く続いていたが、漫画メディアなどをきっかけとして1990年後半ごろから正史三国志の人気もあがってきた。
なお日本において陳寿が編纂し裴松之が注釈を加えた正史「三国志」の和訳は、筑摩書房から出版された『世界古典文学全集「三国志」』のみ。これはちくま学芸文庫で文庫化されているので一般書店でも気軽に購入可能である。