火山灰で冷却不能か、川内など5原発 非常用発電機に目詰まり恐れ

合格した原発、実は全滅のおそれ。
規制委が審査し、合格させた基準が、いかにいい加減だったか。
福井新聞
火山灰で冷却不能か、川内など5原発 非常用発電機に目詰まり恐れ
2017年9月19日
 原子力規制委員会の審査に合格した九州電力川内1、2号機(鹿児島県)など5原発8基で周辺の火山が大規模噴火して原発の外部電源が失われた場合、非常用ディーゼル発電機が使えなくなる可能性があることが18日、規制委などへの取材で分かった。最悪のケースでは原子炉が冷却できなくなる恐れがある。噴火時に想定される火山灰濃度が従来に比べ最大100倍程度高くなることが審査後に判明。電気事業連合会によると、5原発では、発電機の吸気フィルターが目詰まりせずに機能を維持できるとされる濃度の上限を超えている。
 東京電力福島第1原発事故では非常用発電機が作動した6号機は、5号機とともに冷温停止。一方、津波で電源が失われた1〜4号機では炉心溶融や水素爆発が起きた。
 5原発8基は他に関西電力美浜3号機(福井県美浜町)、大飯3、4号機(福井県おおい町)、四国電力伊方3号機(愛媛県)、九電玄海3、4号機(佐賀県)。
 規制委は、原発に影響する火山灰濃度の基準を現行より最大100倍程度高く見直すことを決めており、電力各社は、高性能フィルターへの交換など対応を求められそうだ。
 この見直し基準を基に、電事連は噴火時の火山灰について、フィルターを交換するなど現状で対応可能な濃度と、大気中1立方メートル当たりの実際の濃度を試算。二つの濃度の差が大きく、より目詰まりの可能性が高いのは、伊方3号機(対応可能濃度約0・7グラム、実際の濃度約3・1グラム)や玄海3、4号機(同約0・9グラム、同約3・8グラム)で、差が小さかったのは大飯3、4号機(同約1・1グラム、同約1・5グラム)などだった。
 原発の火山灰濃度基準 原子力規制委員会は審査で、原発から160キロ以内の活火山を対象に火山灰や火砕流などによる影響を評価している。再稼働した九州電力川内原発(鹿児島県)はこの圏内に桜島などがある。審査では当初、火山灰濃度の基準として2010年にアイスランドで起きた噴火の観測値(1立方メートル当たり0・0032グラム)を用いた。
【転載続く】