AppleInsider: PortalPlayer が 2006 年中にワイヤレス iPod を現実にする可能性も

PortalPlayer could make wireless iPods a reality in 2006
By Prince McLean
Published: Thursday, February 9, 2006 01:00 PM EST

ワイヤレス iPod が 2006 年後半にも登場し始め、iPod ユーザにまたしても新しいモデルを購入する動機を与えることになり、年末商戦において再び Apple に大躍進をもたらすかもしれない。

iPod のチップメーカーである PortalPlayer は今週、ワイヤレスソリューションプロバイダの CRS と提携し、Wi-Fi および Bluetooth による接続機能を開発する予定で、今年後半にも次世代チップを披露できる見込みだ、と発表した。

カリフォルニア州サンノゼに拠点を置く PortalPlayer は、iPod の登場以来、オーディオコントローラ用チップを提供しており、現在は AppleiPod shuffle を除くデジタル音楽プレーヤーの全モデルにチップを供給している。

PortalPlayer の PP5022 アプリケーションプロセッサファミリーと CSR の UniFi Wi-Fi チップおよび BlueCore Bluetooth チップを組み合わせることで、Apple のような消費者家電やデジタルメディアプレーヤーの製造メーカーは、今年後半にも、ワイヤレスなオーディオ・メディアプレーヤーを提供できるようになる。

同チップの Wi-Fi 機能を利用すれば、iPodiTunes のコンテンツをワイヤレスで同期でき、ポッドキャストを直接インターネットからダウンロードしたり、ストリームオーディオやビデオコンテンツを PC やインターネットから直接取り込める。また、公共の Wi-Fi ホットスポットや都市部の Wi-Fi ネットワーク*1 からインターネットに直接接続でき、こうした公共の場での新しい購入機会を開拓できる。

さらに、Bluetooth 接続機能が追加されれば、ワイヤレスなステレオヘッドセットも利用できるようになる。

Wi-Fi を追加すれば、パーソナルメディアプレーヤーに PC は必要なくなります。消費者は、プレイリストを変更したり、新しい曲や写真、ビデオを追加するために、メディアプレーヤーを PC につなげる必要がなくなるのです」 と PortalPlayer のマーケティングを担当する副社長 Scott Tandy は語っている。「私たちのコアテクノロジープラットフォームを、ワイヤレス接続可能なパーソナルメディアプレーヤーといった新しく急成長を続ける市場へと引き続き拡大できて非常に嬉しく思います。」

PortalPlayer は、同社の PP5022 システムチップではデュアル 32-bit ARM7 マイクロプロセッサコアを搭載し、多機能なファームウェアを備えているため、拡張性のあるパフォーマンスやバッテリ駆動時間を最大限まで延ばすことが可能だ、としている。

一方の CSR も、バッテリー駆動時間とパフォーマンスバランスの最適化で優れたノウハウを持っているが、同社の UniFi-1 Portable は、802.11a/b/g Wi-Fi に対応した世界最小のシングルチップソリューションだと語っている。UniFi は、Bluetooth ラジオに似た機能を提供できるだけでなく、802.11a、b さらに g 標準に対応し、非常にエネルギー使用量が低く、さらに内蔵アンテナはさまざまなスピードや範囲に対応できるとしている。

PortalPlayer と CSR は、参考デザインを示す予定で、スペインのバルセロナで 2 月 13 - 17 日に開催される 3GSM World Congress 2006 では Wi-Fi テクノロジのデモンストレーションを行うことになっている。

Apple はこれまで、年末のバーゲンセールのちょうど 1 ヶ月前にあたる秋に iPod 製品ラインアップに大幅な変更を施してきている。

*1:metro Wi-Fi network