日記&旅行記棚卸し

ヘニング・マンケル著「ピラミッド」を読んでいたら、ふと旅がしたくなった。17年5月にハロ(トイプードル、♀)を迎え入れて以来ほとんどプライベート旅行ができなくなってしまった。実際、仕事も忙しいのも事実だが、旅行、特に海外旅行からすっかり遠ざかってしまった。

パリ−ロンドン間オリエント急行旅行記

のんの●回目の誕生日を祝うために6月8日(日)にパリ−ロンドン間のオリエント急行に申し込んだ。旅は6月7日(土)午後12時1分 St Pancras発のユーロスターから幕を開ける。記念日にはいつも身に着けているOMEGAの腕時計が6月7日3時9分で電池切れで停止した。結婚以来13年の月日の流れを実感する。First Capital ConnectのFinsbury ParkからKing's Crossまでが工事のため電車運行を休止しており、地下鉄Victoria線で乗り継いで午前11時前にSt Pancrasに到着した。ユーロスターに乗り込む前に洒落たパン屋さん(恐らくパリのチェーン店)でキッシュとサーモンサラダ、そしてワインを購入し、ユーロスターに乗り込んだ。国際列車は定刻に出発し、楽しい旅となることを願ってワインで乾杯した。さすがパリのチェーン店だけあってテイクアウトでもとても美味しく、のんも僕もご機嫌になった。
パリには定刻の午後3時17分にGare du Nordに到着。パリは晴天で25度を超える暑さと強烈な日差しに目を細める。ホテルHoliday Inn Gare du l'estまで汗ばみながら徒歩で移動する。午後4時にチェックインすると、部屋番号は何と「609」という偶然に気分が更に盛り上がる。地下鉄で移動し凱旋門シャンゼリゼ通り、エッフェル塔を見た後、ホテル近くのレストランで2コース12.5ユーロの役安メニュー+ワインを頂き、興奮冷めやらぬまま、午後8時半ごろホテルに戻る。しかーし、部屋に戻るとけたたましい警報機の音。どうやら6階全体の火災報知機がなっている様子。フロントの人の話では客の一人が喫煙により誤って警報機を作動させたようだ。そのうち鳴りやむと思いきや、30分過ぎても1時間過ぎても鳴りやむ気配がない。ここのホテルはどうなっているんだ?!マネージャーも不在で「とにかく報知機を直す」の一点張りで続々フロントに増え続ける5−7階の客の意見に聞く耳を持たないところがいかにもフランス人らしい。結局、警報機が鳴りやんだのは午後11時半。遅れて到着したマネージャーは宿泊料金(168ユーロ)の返金に応じたのでラッキーだったが、結局ホテル側からは一言も謝罪の言葉はなかった。フランス人恐るべし。明日の豪華列車の旅の前にとんだ災難だった。火災報知機の止め方ぐらい調べておけーーー。
6月8日午前7時15分起床。天気は曇りに時折晴れ間がのぞく程度。ホテルでの軽い朝食を済ませて、Gare du l'estでのオリエント急行(Venice Simplon)のチェックインに向かった。パリから乗車する客は7組で日本人のご家族(弁護士 横井さん)も居られた。9時15分に乗車し、L号車1番のコンパートメントに案内される。車両内の豪華な調度品に圧倒されていると、スチュアートからシャンパンのサービスがあった。早朝から空に横たわっていた雲はすっかりなくなり、ほぼ快晴の中、人生初のオリエント急行の旅の大成功を祈りシャンパンで乾杯した。Gare du l'estを定刻9時34分に出発し、列車は徐々にスピードを速める。車両を散策したところ、3−4つのコンパートメント車両の後に3つのレストランそしてバーの車両が連結されていてそれぞれの豪華さに感動した。また、このオリエント急行1920年代の復元版ということを聞き、当時のイギリスの財力と技術力に感心した。11時45分ブランチが振る舞われた。前菜はスクランブルエッグとスモークサーモン、メインはロブスターのChive風味のマッシュポテト添え、そしてデザートはアップルタルトのアイスクリーム添えだった。Pinot Grigioの白ワインを飲みながらフランス料理を堪能した。当然、胃が小さい僕らには完食できなかったが。午後1時ごろユーロトンネルのフランス側入り口のCalais Ville駅でオリエント急行(Venice Simplon)を下車し、バスに乗り換えた。車両用列車でバスに乗ったままでユーロトンネルを通過した。イギリス側の到着した後、こちらの晴天の中DoverやFolkestoneの美しい街並みを見ながらバスで遊覧した後、もう一つのオリエント急行British Pullman)に乗車した。列車は午後3時40分にFolkestone west駅を出発した。間もなくしてアフタヌーンティーが振る舞われ、シャンパンと紅茶を飲みながら、スコーン、サンドイッチ、ケーキを心行くまで味わった。本当に満腹でもう食べられない。車窓から見られるイギリスののどかな田園風景を眺めながら、のんと楽しかった豪華列車の旅を振り返った。ロンドンビクトリア駅に午後5時34分に到着。夢の列車の旅は終わった。
文字通り人生初で忘れられない列車の旅となり、のんの●回目の誕生日を最高の形で迎えることができた。次回はLondon→Parisの列車かParisからVeniceもしくはイスタンブールの長距離旅行にのんと一緒に行けたらいいなと思う。次に特別な出来事があったときにきっと。

いつもの週末

ゴールデンウイークの最終日。自宅でゆったり過ごしました。夕食はビーフシチューとフォカッチャ、サラダをいただきました。フォカッチャは小麦粉から発酵させて僕が焼きました。とても美味しかったです。