書楼弔堂 破暁
ネタバレというか微妙に核心について触れてると思うので注意されたし。
「書楼弔堂 破暁」(京極夏彦/集英社文庫)やっと読んだぞ!
どんだけ待ったか!長かったわ3年!
この京極夏彦が読みたかったんだッ!
(最近こんなん多いな)
各話でも、この1冊でも、すーっと落としてくださる。
このカタルシスたるや!
明治という時代に生きて日本史・文学史に名前を残す人の陰には
その人がその道に進むよう、導く人がいたんだなぁ。
高遠も「未完」の物語を渡されて、どこかで生きている。
「未完」でいいんだ。
とか書きつつ、「闕如」が一番好きだ。
読んでて一番救われる感じがする。
救うとかそんな物語ではない筈なんですけども。
読まずとも観るだけで、観ずとも所有しているだけで、その世界は持ち主のものでございましょうから
で、何故自分が本を物理的に置きたくなるのか、解ったような気がした。
読むだけなら電子書籍でもなんでも良い筈。
何度も読み返すとも限らない。
だけど気に入った本は手元に置いておきたい。
(雑誌だって記事は残しておきたい。)
その”世界”を持っておきたいんだ。
多分仰りたい事はデビュー当時も今も変わらない、ブレないんだろうなぁ。
で、「未完」は敢えて百鬼夜行シリーズとずらしてあるんではないか、と。
ちょっと「あれ?」と引っかかった所があって、他の方がどう解釈されてるのか
ググって拝見したんだが、個人的にはそこは引っかかってよかったんだと
思った。