鈴木亘『だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方』

タイトルがおどろおどろしいが、「年金・医療・介護」という日本の社会保障に関して、現時点で最良の批判的入門書だと思う。
ラフなサマリーすらここに書かない、というのは僕の怠慢なのだが・・・これでも読んでください。
(http://d.hatena.ne.jp/jtsutsui/20090212)
年金に関して、1940年生まれは生まれた時点で+4850万円スタート、2000年生まれは-3260万円スタートというのは、あまりにもアンフェアだ。
制度設計がこんな杜撰で滞納しても罰則がないなら、滞納したほうが良いじゃん、ということになってしまう。

電子裁判とは?

「希望なんてない 世の中にあるのは絶望だけです」
「世の中に絶望的なことなんてありません 努力さえすれば希望は必ず叶います!」
久米田康治絶望先生』第一集

世間様にかかわるのは面倒だ、というのは正直な実感で、その理由がこの頃よくわかるようになった。
要するに、多くの人が「既存のルールの中をいかに勝ち上がるか」のみを考えていて、全体としての合理性を考えないまま無知・無定見な状態で利権に群がって生きているのが、見ていて悲しくなるのだ。
以前、電子直接投票について考えていたのだが、つまり、インターネットを全員使えるようにして、論争テーマごとに政策パッケージを提示して、直接投票で多数決を取る、という方式を考えていたのだが、この仕組みは、余程上手に作らないとダメだと思う。
きっと、すぐに論点が矮小化されて衆愚政治になる。
合議に多くの人間が関わればより良い結論が導き出されるかといえば、そんなはずはない。
たとえば、罪刑法定主義も知らない人が刑事裁判に加わるというのは、おそろしいことだ。
「遺族の気持ちを考えれば死刑も・・・」ということで判断が下されると、近代法制度のもとでの裁判ではなく、私刑の代行になってしまう。
そこから悪い妄想を膨らめてしまうと・・・
弁護人に対して検察が圧倒的に大きな人的・資金的リソースを持っている今の刑事裁判の枠組みに裁判員が組み込まれることで、「民意のあらわれ」としてどんどん厳罰化が進んでいく可能性は、あるよね。
そうなると、たとえばライブドアの堀江さんのような人は、いったい懲役何年になるのだろうか?

農業経営シミュレーションゲーム!

色々調べているのだが、農業ってむちゃくちゃ難しいよね。
経営規模の小さな自営業者として、日々の労働と並行して経営を行わなくてはならないから。
しかも各戸の経営単位が小さく価格決定力がないので、野菜とかなら刻々と市況が変わるのに対応して、細かに戦略を練り直していく必要がある。
とはいえ、一度作物を決めてしまったら簡単に変えることはできず、少なくとも数ヶ月から数年と長い期間その作物を育てなければいけない。
だからたとえば、借金して新しい作物をはじめた挙句、市況が悪化してしまったら、その後の損失確定までの期間、本当に気が狂うような日々だろう。
そこで、まずは、新規就農者向けに、こういうゲームを始めたらいいのではないか?
新感覚・農業経営シミュレーションゲーム
まだこうしたゲームは発売されていないようだ。
ゲームの流れとしては・・・

1.「用地を決めよう!」(地代、地質、気候、前年までの土地利用、労働賃金)
2.「作物を決めよう!」(単位面積or単位労働力あたりの収益率、必要な肥料・農薬・農業機械、などを見て決める)
3.「設備投資をしよう!」(農業機械、ビニールハウスとか)
4.「一緒に働く人を雇おう!」(農業者の熟練度、とか)
5.「事業資金を調達しよう!」(銀行に相談、補助金の活用・・・とか)
6.「情報を集めよう!」(農協に入る、とか)

事後的な変動要因としては・・・
「流通業者との価格交渉」「他産地との価格競争」「新しい補助金」「肥料・農薬・燃料価格の変動」「自然災害」・・・
もう少し考えつくかもしれない。
たとえば時系列変化を入れて、世代承継とか主人公の体力変化とか、周辺環境の変化(都市化?過疎化?)とか。
とりあえず、暇な人、これ見に行こうよ。「新・農業人フェア東京」という相談会。
(http://www.nca.or.jp/Be-farmer/center/news.php?pref_id=13&post_id=1005795)
まともにやったら、『信長の野望』より『ザ・コンビニ』より難しいゲームになるんじゃないか?
少し似ているけどね。
(http://nippon1.jp/consumer/convenids/system/index.html)