UCLAの講義

今日は日本側がお休みなので、UCLA側だけ。AlanとKimも来ています。主に、AlanがいろいろなeToysの例を見せる、と言うものだった。実際に動かしているところを見てみないと文字では説明しづらいので、タイトルを書くぐらいにしておく。

ODECoは良いのだが、教育用用途を考えると中身が見えないblack boxになってしまっているのであまりよろしくない。毛玉も、最初から数万個規模のものを見せるのではなく、数十のところからだんだん増やして様子が良くわかるような見せ方をする必要がある。SimCityは教育用のソフトとしてみると中が変えられないので最悪である。

  • Active Essay。昔は、Active EssayとeToysとがあって、Active Essayの中で使われるような小さい動くものがeToysだったが、今では全部eToysと呼ばれるようになっている。日本人はSqueak eToysとかSqueakToysとか呼んでいるようだ。という話を織り交ぜながら、Richard DawkinsのThe Blind Watchmakerにある、サルがキーボードをでたらめに叩いたときにシェークスピアの文章が出てくるのにどのくらい時間がかかるか、という例を、自然選択があるときとないときで比べるエッセイの説明。
  • Scientific AmericanのDTP記事。車を走らせても文字がその周りをちゃんと回りこむ。昔のSciAmでは"caption police"とでも言うべき担当者がいて、キャプションの付け方にうるさく口を挟んできた。
  • 道を辿る虫。車と同じスクリプトが虫の行動も表現できる。
  • Samのボール。学生からThread Navigatorの使い方に関する質問があった。Alanの複数デスクトップ理論(Macに導入するようずっと説得していたのにAppleは価値を理解していなった。Finderにエイリアスを導入させるのにも6年かけて説得した)に関する説明が少しあり、デスクトップを並べて管理するものとしてThread Navigatorがある、という説明。
  • \frac{1}{2}a t^{2}と、increase byの比較。
  • 楕円軌道

ファインマンは楕円軌道を取っている物体の加速度ベクトルが円になる、というニュートンの証明が理解できない、と言ったらしい。もちろん彼が理解できなかったわけではないがやりかたに同意できなかった、という意味だと思われる。

  • いろいろなばね。

Turing賞受賞記念講演の物に似ている。机と錘、音叉、タコマ橋など揺れるものがどういう振る舞いをするかをいろいろなやりかたでシミュレーション。

斜面の傾きを自分で判断して加速、減速するコースター。

SqueakもLogoと同じ運命を辿る可能性もある。Logoは一時はやったが、数学のわかっている先生は結局多くなく、何百行もあるようなタートルグラフィックスプログラムで、家とかそういうものの複雑な絵を描かせてばかりの先生が多かった。eToysでも、アニメーションができる、といって何時間も何日もかけて何百もの絵からなるアニメーションを作ってしまうこともできる。演劇のクラスならそれも良いが、コードとしては2行のincrease byとlook likeだけである。Squeakにも良いカリキュラムが必要である。