杞憂民

好きなものをただ好きでいることは難しい

あっ、それはちょっと、という部分に目を瞑ることは難しい

誰かや何かの悪点について考えるたび

気道がきゅっと狭くなったような息苦しさを覚える

動悸が喉にまで伝わってはくはくとする

 

画面の向こうにしかないものならなおさら、好きな部分だけを見ていればいいのにねぇ

 

(オネェエルフの外見をしたVtuberに唐突にハマりました)

(Vtuberの3D技術って凄いことになっていたのですね)

70×250cmのスペース

朝からずっと雨が降っている。やまない。

怠惰な日々を脱するためにそろそろ外出をしようと思っていたが、天気予報を見て昨夜のうちに諦めた。

代わりにというか、日中の時間の多くをベランダで過ごした。

賃貸の我が家は雨が降ると屋根からの滴りでベランダがびっしょびしょになることで長年悩まされていたが、今年とうとうオーニングテントなる屋根を取り付けたので、非常に快適になって喜ばしい。

その足元にはウッドデッキパネルを敷いた。壁掛けプランターグリーンカーテンで植物を置き、ベンチも作った。

この数ヶ月の間に私がしたことで一番意味のあることだ。生産力が上がりそうだ。

実際にはそのベランダでぼうっと風を感じたり本を読んでいるだけなので生産性は下がった。

雨が降るといそいそとベランダへ出て、テントの屋根に当たる雨音を聴く。

予報どおりに明後日が晴れならきっと日向ぼっこをしよう。

 

与える人間になれない

自分の欲くらいは正確に把握している。

決して否定や侮辱をせずに、追い詰めてくれ。

微笑みながら強制して、それに従えない私をただ待ってくれ。

とうとう折れて泣いたり叫んだり声も出なかったら、よくできたと褒めてくれ。

 

自分が受け取るもののことしか考えていないので、これはSMではない。

 

 

 

 

(これはナナとカオルの読書感想文です。)

10年間

私の部屋にはノートが沢山ある。

近い道はそれぞれ違うけれど基本的な趣旨は同じだ、アウトプットアウトプット。アウトプットする人間でいたいという焦燥の象徴。ノートが埋まりきったことは一度もない。

手近なノートを開いてみる。

多くのノートに散見されるのは字の練習と称した書き殴りだ。字はたいして上手くない。それは何かの文章のようになっている。

「それだけがこの家における規範だった」だの

「然しながら目前にあった其れは永久に失われた」だの

「わかったのは君が去るということだけだった」だの

特に捻りのない思わせぶりな一文だけが、続くこともなく放置されたままだ。

どれもこれも書いた覚えがない。

けれど書いたときの状況なら容易に推測できる。

ペンを持ち、書きたい形の一文字めを書く。たとえば「そ」はかっこいい。「然」なんかも払いと止めがかっこいい。

一文字めを書いたら手が勝手に続きそうな文字を書く。それ、そういえば、そこには。そしてその後に続きそうな言葉も書き足される。

そういった風に出来上がっていく。

そこに私の意識は介在していないように思うのだ。

それほどノンストップに一文だけが書かれて手は止まる。

それなのに私は何かを産めたような気になり少し安心してノートを閉じる。



と、こういった自動手記(としか言いようがない)は手書きもしくは物理キーボードを利用したときのみ発動する。そろそろタップに対応してほしい。頭で考えていない一文でも、それをきっかけに何か書き続けられるかもしれないじゃない。

あの頃はただ呼吸をしているだけで常に言葉が降るようだった、と懐かしく思う。

目に見えるほどの、耳に聞こえるほどの存在感で文章が降り注いでいた。

風待ち

世の中ではフジロックという催しがありまして

現地に行けなくてもYouTubeで配信などしてまして

プロジェクターもスピーカーも準備して堪能しようとしたくせ

うっかり寝落ちして見逃したGRAPEVINEのリピート配信を待って楽しんで朝4時を過ぎました

バンド25周年おめでとうございます

古い曲も最新曲も行き来してくれて嬉しい


GRAPEVINEに触れると、なんだか言葉を書かなきゃ、書かなきゃ、と思わされる

たぶんそれは最も言葉と共にあった頃にこのバンドを知ったから

もう何年もまともなことは書いていない

書こうとすらしていない

そのことにずっと焦っていると言いながら何年も経っている


数ヶ月前に仕事を辞めて絶賛無職、時間はある

この数ヶ月をかけてキーボードの準備なんかをした

書くには無意識にタイプできる物理キーボードが必要だ、と理由をつけて

キーボードを買う前にはiPad miniも買った

iPhoneiPad ProもMacAndroidもあるのに、持ち運べてかつ見やすい画面が必要だ、と理由をつけて

書くことをしたいなんていっても、小説を書きたいとかじゃない

ただ書くことをする人間でありたい

それだけのために理由をつけて何かを準備した

準備ができても書かずにいる

ただの日記でもいいのにね



風待ち

あの頃、そうなるのかもなぁ、そうなるんだろうなぁ、と遠くを見るように聴いていた

そうなったよ

そうなっていたよ


風が吹いた気がしたので

とりあえずちょっとただただ書くのはそういう理由

追記:せっかく買ったキーボードを使わずに書きました

人格ABCDEFG

 
ねむいねむいねむいねむい
きょうはよっているよっているよっている
しらないしらないしらないふりをするよ
わすれたわすれたわすれたふりをするよ
 
自己嫌悪の狭間で欲求不満を抱える
我らABCDEFG

人格ABC

 
真実愛し合っていようが、
お互いに暇つぶしだろうが、
いずれにしろ記憶が残らないのは
目を閉じていたからです。
抱き合うその相手を直視せず
その場にいる自分自身も直視せず
うとうとぼんやり、
寝ぼけたような、酔ったような
 
女の役割を果たすための人格召喚
 
そんな風に生きてきて、いまさら自分をさらけ出すなど。
何はともあれ絵面が美しくないので、
せめて痩せようと思います。
いつか目を開けて抱き合えればいいですね(他人事)。