8月度チャート

1.ゑでぃまぁこん / 魚小屋にて喉ならす
http://www.sunrain-records.com/catalog-3365.html

ゑでぃまぁこん、2011年7月名古屋k.d.japonでのライブを収録した新作CD-Rが入荷。k.d.japonのやわらかな響きをそっくり盤面に流し込んだような空気感!!ゑでぃさんの歌の素晴らしさはもちろん、まぁこん〜楯川さんのリズム隊のおふたりも、水谷さんのサックス/フルートも、元山さんのスチールギターも、朝倉さんのコーラスも、全部がこんなにも控えめで、かつ絶対的に必然な、あの感じ。ぜひとも体験してください。


これは、昨年の旧グッゲンハイム邸でのライブの模様。


2.鳴海徹朗 / 美しい叫び
http://www.sunrain-records.com/catalog-3298.html

谷川健一さんから「弘前にいい歌うたいがおんねんけど…」と紹介していただいたのが、この鳴海徹朗氏。すこし翳りのある透き通った声、独白と祈りのあわいを行き来する詩、控えめながらも濃密と言っていいほど丁寧に紡がれるギター、シンプルな「弾き語り」というフォーマットの滋味を余すことなく詰め込んだ6曲入りCD-Rです。その完成度に「どうしてこんなひとが、"知る人ぞ知る"ようにひっそりと活動を続けているのだろう?」と思う反面、おそらくこの町の風土や気候、ひととのかかわりの中で必然的に根を張り育ってきた「うた」だからこそ、これほどの説得力を持ちえているのだろうと、分かる気もします(かく言うぼくも弘前という町を訪れたことは未だないのですが…)。いずれにせよ、胸に響く「歌」を求める耳には届いて欲しい。WATER WATER CAMEL〜Gohfishそして長谷川健一あたりが好きなひとにはマストだと思います!!100枚限定のハンドメイド(しかもすごく丁寧)作品。お早めに。


3.Alfred Beach Sandal / One Day Calypso
http://www.sunrain-records.com/catalog-3312.html
昨年リリースの、鳥獣虫魚からのCDRがいまだロングセラーを続けるなかでの正規盤。トクマルシューゴくんが2010年のベストに挙げるほどの軽妙な作曲術は一樂誉志幸(FRATENN)やMC.sirafuといったゲスト陣によってさらにカラフルに彩られ、歌の存在感もぐっと増しています。5曲目「Finally, Summer has come」は自らのテーマとも呼んで差支えないでしょう!甘いメロディがぐっと胸を突く名曲。2011年の夏、必携盤となることは間違いなし、さらにその先何年も大事にしておきたい、魔法の作品です。


4.小池喬 / お風呂の栓
http://www.sunrain-records.com/catalog-3354.html
名古屋のインディうたものバンド・シラオカより、ボーカル小池くんのソロ作品がこれレコードより。シラオカは、もともと音数の多くない、空気をたっぷりと含んだ「うた」を響かせることを得意としているバンドですが、そのソングライターによるソロ作品もそぎ落とされたアンサンブルが素晴らしい。名古屋の大先輩Gofishと、これレコードの中核をなすバンド・洞の中間にあるような手触り、かつ、歌詞にもアレンジにも時折顔をのぞかせるユーモラスな表情が「小池喬」のオリジナルな人間性を滲ませていて、何度でも聴きたくなる、見事な小品です。味わい深いジャケットイラストは同じくシラオカのメンバー、石谷くんによるもの。


5.ゆーきゃん / To The Sea
http://www.sunrain-records.com/catalog-3304.html
2010年〜2011年にかけて、ポータブルレコーダーで何気なく拾われた音の記録。ドアが開閉する音、バーで氷が砕かれる音、ハーシュノイズ、些細な間違い、それらさえも「アリだな」と思える瞬間の詰まったテイクをコンパイルしました。マスタリングはWATER WATER CAMEL田辺玄。スピーカーから流れてくる音の一切があたたかいです。


6.YOK / Days with hearts
名古屋在住の女性SSW・YOKの初流通音源!!録音からミキシングまで、すべて自分で手掛けたという、パーソナルでハンドメイドな作品。海外のインディうたものとリンクする手触りは、王州、mmm、muffinといった同時代のSSWとも共鳴するところがありますが、この人の魅力は、さらにやはり「7586」界隈といいますか、名古屋独特の「日常性」と「ゆらぎ」にもあると思われます。
アコースティックギターの憂いを帯びたコード進行の上に、重ねられた声がドレープ状に広がってゆくときの心地よさ、そしてふと顔をのぞかせる不完全な風通しの良さ、ひょっとしてこれは何度も聴きたくなる名盤ではないでしょうか。埋火、Place Called Space、predawnのファンにも一度聴いてみてほしいです!


7.frills / LOVE album
http://www.sunrain-records.com/catalog-3366.html
The Beachesキーボード、r.u.k.oによるソロユニットのファーストアルバム。手作りスペシャルジャケットにつき、限定流通作品。パーソナルでインディペンデントなマインドと、ジェリーリーファントム〜BEACHESを支えた確かでポップな音楽力が両立する、掛け値なしの快心作です。レビューが短いのは、このアルバムに寄せられたヒサシthe KIDのコメントがあまりにすばらしいから。まずは上記作品ページを訪れてください。


8.SARUDOG FROM MU-STARS / SF!SERIES! vol.2
http://www.sunrain-records.com/catalog-3325.html
大ヒット作のなんと続編が登場!!極上の和モノ・グルーヴです!!これまでも「45回転盤の7”EPを45枚使って45分のミックスを作る」など、コンセプチュアルなのか冗談なのか分からないMIXを超ハイクオリティで仕上げている職人・SARUDOG氏。かのECDをもうならせる和モノコレクター、でもある彼のオンリー・ジャパニーズMIX、大好評の前作をうけてまさかの第二弾が発売です!!'60〜'70年代のニッポンのレアグルーヴ/ファンクetc..が持つ、いなせでファニーな空気ががっつり盛り込んであります。肩ひじ張らず、ひとなっつこいのに、洒落ていてばっちり踊れる。今回もすばらしい!


9.森ゆに / 夜をくぐる
http://www.sunrain-records.com/catalog-3300.html
2009年の「夏は来る」以来、2年ぶりのセカンドアルバムは、全曲クラシック・ピアノ一台での弾き語り。エンジニアにWATER WATER CAMELの田辺玄を迎え、山梨県でレコーディングされた8曲は、静けさも、レンジの広い豊かな響きも、余すことなくコンパクトディスクの中にすーっとおさまった、そんな印象を受けます。曲が始まるその瞬間の呼吸とピアノのタッチが、あまりにもさりげなく、それでいて力強く聴く者の耳を惹きつける。心地よさと想像力を掻き立てながら流れてゆく曲を聴くにつけ、楽器も、うたも、そしてエンジニアも、すべてがその「役割」を果たしているのだと、しみじみとした感動を覚えずにはいられません。ちなみに、1曲目は金延幸子さんのカヴァー。当然のことながら素晴らしいです。


これは森さんの曲ではなく、王舟氏の曲ですが、すばらしいコラボなのでご紹介しておきます。


10.洞 / まぼろし
http://www.sunrain-records.com/catalog-3262.html
これレコード主宰・洞のファーストアルバム!!深いエコーの森からたち現れる「うた」。洋邦のあたらしい音楽の潮流を踏まえながら、日本語で「自分たちの周囲を歌う」ことを大事にしている彼らの姿勢がぼんやりと浮かび上がってきます。先輩格のミュージシャンや友人たちと同様に、日々流れる和製エモ/ポストハードコア/インディへの愛情を抱き、また長野ネオンホールで育まれてきたフォークミュージックにもその根を下ろしている―幅広い音楽性とそれを等身大の自分たちへ還元する力をもったバンド「洞」の魅力がぐっと詰まった。11曲入り。これで850円!!


次点. 根本敬 / 愛駅
http://www.sunrain-records.com/catalog-3367.html
湯浅学船橋英雄の両氏とともに「名盤解放同盟」を結んでも入る特殊漫画家・根本敬さんが、なんとBLACK SMOKER からMIXCDを投下!!和モノ〜コリアン・ロック/レアグルーヴを軸にした流れの中に、そしてTVやラジオから抽出したのアナウンスやインタビュー、効果音などをちりばめた、超オリジナルなMIX。ファニーなのにどこかいなせで、なぜかホロリとしたりもしながら、病みつきになること間違いなし。サンレインでも人気の、ECD〜永田一直〜MU-STARS等の和モノラインナップ、そしてyudayajazzやL?K?Oがぶっ放す次元脱臼MIX、そのどちらにも通じて、何処へでも行ける(そして戻ってこれない!)この「根本ワールド」とくとご堪能あれ!!