いつか"福島"を取り戻せ。〜クラシコ特典映像によせて

クラシコ [DVD]

クラシコ [DVD]

 特典映像『Re:Clasico~フクシマから遠く離れて~』 奇しくも“3.11”の東日本大震災の翌日に東京公開を向かえ、サッカーファンの間で口コミで広まっていった本作が、被災地・福島で上映されるに至ったドラマを綴った『Re:クラシコ~フクシマから遠く離れて~』を、DVDの特典映像として収録!

サッカーファンの間で大きな反響を巻き起こし、
各地で自主上映会の動きも広がっている
北信越リーグでの信州ダービーを題材とした映画、「クラシコ」がDVDになりました。
特典映像には、震災による原発事故の影響を大きく受けた
福島のサッカーを取材した映像が収録されています。
「フクシマ」という表記が地元福島であまり受け入れられていないため、
タイトルに否定的な意見もあります。
私自身もあまりカタカナ表記は好きではありません。
しかし、今年の福島のサッカーを映像化していただいたことには
大きな意義があると思っています。
地震津波に加え、放射性物質による汚染によって、
福島のサッカーは大きなダメージを受けました。
この先も長く影響を受け続けるでしょう。
福島の置かれた状況に関心を持ってもらうことはまだまだ必要です。
このDVDで1人でも多くの方に福島のサッカーについて関心を持っていただくことを願っています。


震災や原発事故以前に、クラシコの舞台となった信州の両クラブのライバル関係と、
よく言われる福島県内対立は、
サッカーにおけるライバル関係の成功例と失敗例として対照的でもあります。
ライバル関係をサッカーを盛り上げるモチベーションに変えた信州。
福島県内にまとまりがないことをサッカーが盛り上がらない理由にしつづけてきた福島。
DVDを見る方は、原発事故ばかりでなくそういう部分にも想いを馳せていただければと思います。


今の福島でサッカーをすること、続けることは簡単ではありません。
サッカー以前に、ここで暮らしていいのかどうか
いまだに悩み続けている方も少なくありません。
それでも、それだからこそ、福島の抱えた困難と向き合うために
サッカーが果たす役割があると信じています。