恐怖のカルデラ噴火

svelandski2015-08-27

木 旧暦 7月14日 友引 乙亥 一白水星 Rolf Raoul V35 24306日目

阿蘇カルデラでできた火山である」みたいな言ひ方を分かった様にこれまでも使ってしまふことがあったが、カルデラとは火山を中心にした大きな窪地のことを言ふ。地下から大量のマグマが出てきた結果、地下に空洞ができ、その空洞が陥没して地表が大きく窪んでできるものがカルデラである。地表が窪むから外輪山が周囲を囲む様に見える。島村英紀著「火山入門」を Kindle 版で読んだ。「活火山・休火山・死火山」といふ昔学校で習った分類は今は使はれなくなったと書いてある。日本にはたくさんの火山があるが、将来も起こりうる最も大規模な火山噴火はカルデラ噴火であると書いてある。カルデラ噴火は御嶽山などの普通の噴火とは全然比較にならないほど規模が大きく、根本的に区別する必要があるらしい。巨大なマグマ溜まりが大きな浮力を持ち、それが天井部分の亀裂を突き破って一気に噴き出て大噴火を起こすのがカルデラ噴火である。いままで日本では10回以上も起きてゐて、これからも数千年ごとに起きる心配があるとか。最悪の場合、もし、九州でカルデラ噴火が起きると、火山灰で日本全体が壊滅的な被害を受ける予想もあるさうである。さりげなく書かれてあったがこれは大変なことである。その様な状況も想定せよとなると、災害対策はほとんど不可能になる。ハザードマップは役に立たない。どの自衛隊の駐屯地からも救助ヘリが飛び立てず、外国からの救助隊も近づくことができない。日本全国津々浦々まで救助を待つ人ばかりとなる。鉄道、道路は遮断され、流通は長期にわたって麻痺し、大規模停電も起きる。生き延びることができる人の数はごくわづかとなる。かくして、神武天皇即位から約2700年の歴史を持った文明が消滅する。恐るべきシナリオである。そんなことが本当に起こりうるだらうか。災害はいつもこちらの想定を超えて襲って来る。地球内部の運動の歴史からすると数千年に1度はその規模の噴火が起こるものらしい。その日はすぐそこに迫ってゐるかもしれない。歪みやマグマの蓄積の様子がわからないので運動方程式を立ててシミュレーションすることができない。いまのレベルでは予知は不可能であると思った方が良いと書いてある。津波より怖いのは火山である。宇宙開発にお金をかけるより地球内部の科学の研究にお金をかける方が人類の生存のために必要なのではないか。あまりにも恐ろしいことは無論考へたくもないが、起こりうる最悪の場合をチラッと頭の隅に置くと、毎日の生き方が変はって来る気がする。