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1階連立常微分方程式系

19歳の思い出は,また,勉強のことです.
2年生になって,微分方程式に関する選択科目を受講しました.
そのころの私の学科の数学は…1年生の解析(今で言う微積分)と線形代数,2年生の関数論と統計学は教養科目で,微分方程式フーリエ解析偏微分方程式代数系ルベーグ積分は専門科目でした*1
微分方程式というと,微積分の教科書の終わりに,微分方程式の章があって,変数分離形とか,変数を導入するとか,そういうのをするのかなと思っていたら,教科書は違うし,内容も,予想していたのとは違っていました.
今その本もどこかへ行ってしまったのですが,少し調べてみると,「1階連立常微分方程式系」に分類される微分方程式です.
この話の何がすごいかというと,微積分と線形代数が見事に組み合わさっているところです.
1年のときは,微積微積線形代数線形代数で,別々の先生から教わり,なんとか合格点を取っていましたが,それぞれが工学においてどう用いられるかは想像できませんでした.受験のころから言われていたし,微積分のほうが重要なのかなくらいに思っていました.
その考えが覆された出来事の一つが,1階連立常微分方程式系です.
例えば,y,yの(1階)微分,…,yのn階微分の線形結合(定数倍と足し算)で書かれた方程式が一つあるとき,y,yの(1階)微分,…,yのn階微分をそれぞれ未知関数として求めることにして,これをn+1個をベクトルで表現すると,微分方程式\frac{dy}{dx}=Ayの形で表現できる,ということです.ただしyはベクトル,Aは定数からなる(xやyが含まれていない)行列です.この式が確か,1階連立常微分方程式系の標準形です.
\frac{dy}{dx}=Ayという微分方程式は,高校までの数学で解くと,y=Ce^{Ax}となります.ベクトルと行列を用いた微分方程式でも,「eの行列乗」に相当する行列を,e^xテーラー展開を用いた式で表現して,それを使って解を示すことができます.
具体的な求め方や,それで解になっていることの根拠などは,それこそ何回分の講義になります.そして,この形に限らず,私は現在,微分方程式を立てて解くということはしていません*2.そういう私ですが,今の19歳の学生にアドバイスするなら:

  • 「列ベクトル」に慣れてください.m個の等式を,一つの式で簡潔に表現するとき,よく用いられます.
  • 線形代数の授業の終盤に「固有値」の求め方を教わることになります.この意味と求め方をしっかり理解してください.行列を使って計算をするとき,固有値がいろいろなところで顔を出します.

*1:専門科目は6科目から3つを選択…あれ,科目数が足りないなあ.

*2:大学院のゼミではよく見かけます.