大逆事件から百年

大学の卒論テーマは石川啄木の思想についてだった。

晩年、啄木は社会主義に傾倒し、そうして『時代閉塞の現状(強権、純粋自然主義の最後および明日の考察)』を著した。

その中の重要な一節
「『国家は強大でなければならぬ。我々はそれを阻害すべき何らの理由ももっていない。ただし我々だけはそれにお手伝いするのはごめんだ!』これじつに今日比較的教養あるほとんどすべての青年が国家と他人たる境遇においてもちうる愛国心の全体ではないか」

今年、2010年は大逆事件から100年目の年にあたる。
社会主義は敗北したが、幸徳秋水石川啄木の精神は忘れてはならない。

これ、幕末でも同じこと。

坂本龍馬・幕末ブームに熱をあげるのは構わないが、その時代に流れた血と精神を感じなければそれはただのなんとかオタクと一緒である。


写真は吉田松陰終焉の地