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タレ日記

180919

tally2018-09-19

[] 寝ても覚めても  寝ても覚めてもを含むブックマーク  寝ても覚めてものブックマークコメント

愛に逆らえない。

違う名前、違うぬくもり、でも同じ顔。

運命の人は二人いた。

監督・脚本:濱口竜介

脚本:田中幸子

撮影:佐々木靖

編集:山崎梓

美術:布部雅人

衣装:清水寿美子

音楽:tofubeats

原作:柴崎友香


ウワー!邦画2連続で大当たり。

東出さん見たさで行きましたが、ものすごい曲者映画でした。


理屈や正しさやモラルでははかれない愛、

最果てからようやくスタートするかのような関係は、

ファントム・スレッド』(id:tally:20180601)を、

夢から覚めて現実を走り出すラスト、

東出さんをイチと二(もしくは彼岸と此岸)に分割、という点で、

勝手にふるえてろ』(id:tally:20180123)を思い出したりもしました。*1


朝子という人が実際に自分の周りにいたらきついと思うし*2

現実には自分はマヤさんの役回りを演じる側で、全力で亮平に味方するけれど。

でもなぜだか、彼女のやってしまったこと、すごくわかるのである。

彼女が真剣な話に入る際に水道を止めてしまい、

皿洗いで泡だらけの手をもてあました亮平が困っている、

というとても印象的なシーンがあるのだけど、

ことほど左様に、朝子というひとは不器用で思い詰めてしまうひとなのである。

みんながふつうに通り過ぎてしまうことに立ち止まってしまうひと。*3

また唐田えりかさんがものすごくぎこちない動きをするのもあいまって*4

その愚直さがすっと伝わってくる。

本能で動くひとと観る人もいるかもしれないが、

わたしにはむしろ自分の感情を信頼していないひと、のように映った。

麦とのキスの瞬間にこそ本能が目覚めて、

越えてはいけない地に線を引くことができた。


亮平は「いつかこんな日が来るんじゃないかとずっとこわかった」と言っていたけれど、

おそらく朝子のほうがそれを恐れていたと思う。

実際彼女のやってしまったことは、取り返しのつかない一発退場の案件であり、

彼女自身も「決して許されることではない」とわかっている。

そこから「だから謝らない」「だいじなものをだいじにする」と

自分の意思をひたすらに貫き通す姿勢に、

呆れる観客もいるとは思うが、わたしは勇気がわいた。

強くてシンプルで感情的でいいじゃん、と。

走る彼女を晴れ間が追っていくようなシーンは鳥肌モノでした。


行くところまで行き着いた男女二人がただただ川を見ている、というラストは、

大好きな小説か漫画で同じものがあったはずなんだけど、どうしても思い出せない。

「汚い川」「でも綺麗」というやり取りは、

頭ではちがうことを考えていても、

とりあえずはとなりで同じものを見続けているのが、

限りなく「夫婦だよなー」と思ったりしました。


他にも、tofubeatsの主題歌の歌詞がすばらしかったり、

最低で最高な合コンのシーンが、わたしの大好きな

「侮って甘く見ていたひとが、頭をかち割ってくれる」件のミルフィーユになっていたりで、

心に残るシーンがたくさんありました。

数多の合コンをセッティングしてきたわたし的には、

朝子×クッシー、亮平×マヤさんもだいぶアリだよ!


あと、このブログの解説、とてもわかりやすかった。

https://www.club-typhoon.com/archives/2018/09/03/netemosametemo.html


原作も読んでみたいし、

この監督の次作が早く観たい!


★★★★


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*1:ニも出てるしな

*2:マヤさんの早産は朝子のせいだと思う笑

*3:だから逆にみんながふつうに立ち止まることに飛び込んでしまうひと

*4:これが演技ならすごいなぁと思いながら観ていました

180913

tally2018-09-13

[] きみの鳥はうたえる  きみの鳥はうたえるを含むブックマーク  きみの鳥はうたえるのブックマークコメント

この夏が、いつまでも続くような気がした

きらめきに満ちた、

かけがえのないときを描く、青春映画の傑作

監督・脚本:三宅唱

撮影:四宮秀俊

美術:井上心平

衣裳:石原徳子

音楽:Hi'Spec

原作:佐藤泰志


大好物の「青春の甘酢ときらめき」「モラトリアム/夏休みの終わり」映画でありつつも、

あまりにも自分に近すぎて、古いかさぶたをはがされるようにも感じた。

なつかしくてなつかしくて目が眩んだ。

Wasted Youth! 使い果たしてしまったもの。


とにかくあの3人組に恋せずにいられようか!

三人とも芯に品と清潔感のある色気が漂っていて気持ちが良い。

とくに石橋静河さん。

おそらく函館三部作がなくとも、

わたしはこの作品から山下敦弘監督を思い出したと思うのだが、

『オーバー・フェンス』(id:tally:20160921)の聡に通じる「運命の女の子」感!

蒼井優と同じく、自分が男だったら

こういう女子にひっかかり続ける人生だったろうな…って気がするんだけど、

もっと同性としての好きポイントも多くて無敵*1

しなやかで体が利く女性、末代までの憧れだよ。

彼女のダンスと一撃必殺の『オリビアを聴きながら』だけでも、この映画を観る価値はあると思う。

あと、個人的には、柄本佑の役がシャレにならないほど元カレそっくりで……。

服や体型、発想や行動や受け答えまで*2、青春*3再放送すぎて気が遠くなりました。

キャストは皆総じてすばらしかった。最高のゲロ吐くあいつも笑。


伸び縮みするような夜、存外高くついてしまったコンビニ、

クラブでしか味わえない多幸感、朝帰りの白み始めた空、酒酒酒、

着ている服が示す関係性、面倒くさくないはずの関係。

雰囲気としては、フィッシュマンズや青い果実、

やけのはらの『THIS NIGHT IS STILL YOUNG』を思い出したりも。

函館なのに、やはり自分は強く東京を思ってしまった。


★★★★


**************************


三宅唱監督と山本亜依さんが登壇するトークイベントで、

質問当てていただきました。


せっかくなので、山本さんの出演シーンで印象的だった

「若さってなくなっちゃうものなのかな?」という科白について、

お二人の考えを伺ってみました。

山本さんは「23才なんですけど、高校生とか見るとめっちゃ若いって思っちゃうんですよ」「でも自分も若い時から基本的には変わっていないと思うし」と。か、可愛い。

三宅監督はまず一言「今持っているものは必ず失われると思う」と。

「ただ、次の段階にも必ず次の新しさ(若さ)があると思う」とおっしゃっていました。

知的で力強い回答。

二人で「函館のひとたち、めっちゃアクティブだったもんねー」と笑っていて、

とてもチャーミングでした。

*1:骨格がうつくしくて、健康そう。性悪度/メンヘラ度が低そう。(個人の勝手な印象です)

*2:ハードワーカーなところと社交的なところが決定的に違うのだが…

*3:というにはあまりにも遅いし近過去なのだが…

180905

tally2018-09-05

[] オーシャンズ8  オーシャンズ8を含むブックマーク  オーシャンズ8のブックマークコメント

ターゲットも、ダマしも、史上最強

目撃者は、全世界。

ド派手に盗め

原題:OCEAN'S 8

監督・脚本:ゲイリー・ロス

脚本・共同製作:オリヴィア・ミルチ

製作:スティーヴン・ソダーバーグ、スーザン・イーキンス

撮影:アイジル・ブリルド

編集:ジュリエット・ウェルフラン

美術:アレックス・ディジェルランド

衣装:サラ・エドワーズ

音楽:ダニエル・ペンバートン


こんなにも「前情報を入れておいてよかったー!」と思ったことはないかもしれない。

脚本はつまらなくて、盛り上がりに欠けると知っていたからこそ、

女たちの尊さに集中できた!

鑑賞後の画像検索までが映画です!!


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最高かよ〜〜〜!

劇中、“Somewhere out there is an eight-year-old girl lying in bed

dreaming of being a criminal. Let’s do this for her.” という台詞が示す通り、

女の子のなりきり/ごっこ遊び魂を撃ち抜くような、チームものだなぁと思いました。


だって、どの役やりたい?ってなった時にどれもいいじゃないですか!

デビー…ケイト様に餌付けできる…。ケイト様とシャボン玉できる…。

ルー…絶対エース。全宇宙のアコガレ。

ダフネ…ハッキリと可愛い。渾身のゲロ演技ができる。

ナインボール…赤いドレスに手甲!リアーナ最強かよ。

アミータ…担当作業的に一番かっこいい!職人。

タミー…既婚子持ち。eBay(笑)。みんなの衣装を担当できる。

コンスタンス…Awkwafina!キュートだよ〜。一押し!

ローズ…メガネっ子。盛り盛りファッション楽しい。可愛子ちゃんにベタ付。フランス語ハッタリ。ヌテラ直食い。


ことほど左様に、推せるポイントが多いキャラなだけに、

和製、グループしばり、ひいては知人や動物などで再キャスティングするのも楽しい。

命や苦労なんぞかけずに、お互いの特技を活かして

サラ〜っと成功できたら、それが一番夢あるよね。

しかし、これをめいっぱい楽しめる男性というのは存在するのだろうか?


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★★★

180828

tally2018-08-28

[] ウインド・リバー  ウインド・リバーを含むブックマーク  ウインド・リバーのブックマークコメント

なぜ、この土地では 少女ばかりが殺されるのか―

世の中から忘れられたアメリカの闇を描いた極上のクライムサスペンス

原題:WIND RIVER

監督・脚本:テイラー・シェリダン

撮影:ベン・リチャードソン

編集:ゲイリー・D・ローチ

プロダクションデザイン:ニール・スピサック

衣装:カリ・パーキンス

音楽:ニック・ケイヴウォーレン・エリス

INSPIRED BY ACTUAL EVENTS.


ふるえるほどおもしろかったです。

とにかくバランスが申し分ない。


白銀の世界で西部劇。

重厚で骨太なテーマとストーリーを

可能な限りエンターテインメントにしてみせる

キャスティングや科白量、

目の覚めるようなアクションシーンや究極の制裁シーン。

陰惨で吐き気のするような現実を示しつつ、

可能な限り被害者の尊厳を回復してみせようとする話運び。

極寒の世界にはりつめる緊迫感と閉塞感、

その中で育った情と絆の熱さ。

極めつけは、ランニングタイム107分の軽やかさ。

神技だと思いました。

★★★★

180822

tally2018-08-22

[] タリーと私の秘密の時間  タリーと私の秘密の時間を含むブックマーク  タリーと私の秘密の時間のブックマークコメント

がんばりすぎる昼間の私が、夜に見つけたホントの私。

ベビーシッターのタリーは、イマドキ女子なのに仕事は完璧。

だが、何があっても夜明け前に姿を消し、自分のことは絶対に語らない―。

原題:TULLY

監督:ジェイソン・ライトマン

脚本:ディアブロ・コディ

撮影:エリック・スティールバーグ

編集:ステファン・グルーブ

美術:アナスタシア・マサロ

衣装:アイーシャ・リー

音楽:ロブ・シモンセン


いま観ちゃアカンやつやった……!

とはいえ、劇場内の反応と自分の心の中がここまでズレたことは初めてで、

そういう意味では得難い経験でした。

「がんばりすぎなお母さんへのエール」という感想を見かけるけど、

そういった観客の感想を含めかるく絶望する、

完全に「またそこからですか……」案件でした。


以下ネタバレ。

そもそも、あらすじを読んだ時点で、わたしは「タリーの正体」を「マーロの別人格/妄想」

もしくは「タイムリープしてきた現在育児中の娘」と予想していたのですが、

映画が進むにつれ「どうか前者でありませんように!」と

ふるえながら懇願するありさまでした。


この映画には肌感覚できもちわるい点が多かった。

まず、マーロの人物像。この人物は完璧主義と言えるのか。

バースコントロールや体型にはルーズで、冷凍ピザで手抜きはできるのに、

ただひたすらに人に頼ることだけを拒んでいるのはどういう訳なのか?

セラピストには掛かるのにナニーには難色を示すのもなんだかひっかかる。

マーロの子ども。上の子たちが手がかからなすぎる。

姉弟げんかもなく、食事も移動も大人と同じようにできる。

多子育児が大変な年齢は過ぎていて、十分戦力になり得る存在なので、

発達障害が負荷要因として取ってつけたように見える

マーロの搾乳はなんのためなのか。

保存しているからには、マーロ以外の人が授乳することを想定していると思うのだが、

夫もタリーも授乳する気配すらない。

例えばマーロが自らの体を自虐的に“a relief map of a war-torn country”と表すシーン。

場内では笑いが起きていたが、こんなの現在進行形の母には笑えない。


作品のメッセージも詰んでいると思った。

「ホコリがたまったって死にはしない」とか「納豆ごはんさえあれば生きていける」

=「母よ、手を抜け」ということはよく言われることだけど、

そういう問題じゃない、ということをこの映画は鮮やかに描いている。

ピカピカの床、カラフルなカップケーキ―、そういう余分なものから

現にマーロは活力を得て、息を吹き返した。

夫は「完璧なんて求めていない」と言うけれど、

それはずいぶん見当はずれな声かけだ。

マーロの完璧は「家族」のためのものではなく、「自分自身」のためのものだからだ。

「自分の人生をケア」するのは「自分」しかおらず、

それとは別に、「夫」のためには、彼の嗜好に合わせたコスプレをして、

誘惑しなければならないなんて。*1

結局マーロは何をすべきで、何をすべきでないんだろう?


そして、その夫。

マーロは第二子出産後にも産後うつになっており、彼はもはや初犯ではないのである。

第三子出産に際してその対策が全く取られていないばかりか、

マーロはワーキングマザーであるにもかかわらず、

産休前もこの家事分担で生活を回していたことは想像に難くない。

妻が運び込まれた病院で、「自分はナニーのことについてはよく知らない」

「(自分は在宅していたが)妻が育児を放棄して外出しているとは思わなかった」と

言ってのけてしまう朗らかさ。

マーロが徘徊し、彼がヘッドホンをしてゾンビを打ちまくっていた時、

いったい娘はどうなっていたのか。

これほどの事態になるまで頼れなかった/気づけなかった、ということは、

互いに大きな傷になると思う。

ラスト、自然光の中イヤホンを分け合いなんだかいい感じに着地している風だったが、

結局彼は娘の深夜対応のために起きてくれるようになったのか、

膝詰めしたい気持ちでいっぱいである。


なにより残念なのは、

「明日には別人になってしまうから、子どもの

かけがえのない一瞬一瞬を見逃さないで」

「ありきたりな日常こそ夢見た未来」という

胸を打つメッセージが、基本的には母に向けられていることである。

ちがうちがう!二人の子!

父にとって育児はいつまで「参加」し「手伝う」ものなのだろう。

父を母のヘルプに矮小化しては、父だってかわいそうである。


そんな中、もっと観ていたい!と思わせてくれた

マッケンジー・デイヴィスのたたずまいは、すばらしかったです。

役柄もあるけど、ちょっとゾーイ・ベルと通じる魅力があるなぁと思いました。

★★

*1:そしてこの妻の奇行から夫が何のサインも読み取れないなんて。

180817

tally2018-08-17

[] ミッション:インポッシブル フォールアウト  ミッション:インポッシブル フォールアウトを含むブックマーク  ミッション:インポッシブル フォールアウトのブックマークコメント

究極の不可能へ

原題:MISSION:IMPOSSIBLE - FALLOUT

監督・脚本・製作:クリストファー・マッカリー

撮影:ロブ・ハーディ

編集:エディ・ハミルトン

音楽:ローン・バルフ

製作:J・J・エイブラムストム・クルーズ


現人神トムの姿を拝みに―。

アクションは間違いなくすごかったけど、思った以上に楽しめなかったです。

たしかに手に汗握ったけど、爽快感より恐怖が勝ってしまった。

これもう映画じゃないだろ……。


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トムのことを、映画の裏話を、知れば知るほど

トムは映画の中に死に場所を求めているんじゃないかと

不安になってしまう。

下々の者だって神にそこまで求めていない。

できるかできないかキワキワの線でがんばってくれれば良いのであって、

あそこまで捨て身になられると、「もういいよトム…そこまでして世界救わなくていいよ……」と思う。


また、007シリーズにも思うことだけれど、

あまりにもエージェントの力量が「肉体」や「アクション」頼みになっていて、

「知」や「頭脳」や「機転」の部分が軽視されている傾向も

個人的にはうつくしくないと思う。


その狂気や歪さがこの作品を忘れがたいものにしているとも思うのだけど……。


★★★

180815

tally2018-08-15

[] ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル  ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングルを含むブックマーク  ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングルのブックマークコメント

4人の高校生を吸い込んだゲーム[異世界]

生きて帰れ!!

原題:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE

監督:ジェイク・カスダン

脚本:クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ、スコット・ローゼンバーグ、ジェフ・ピンクナー

撮影:ギュラ・パドス

編集:マーク・ヘルフリッチ

プロダクションデザイン:オーウェン・パターソン

衣装デザイン:ローラ・ジーン・シャノン

音楽:ヘンリー・ジャックマン

原作:クリス・ヴァン・オールズバーグ『JUMANJI(ジュマンジ)』


どーしても劇場で観たかったのですが……。

泣く泣くDVD鑑賞。やっぱり2018年ベストに入りそうじゃんか!



大大大好きな『ブレックファスト・クラブ』オマージュ最高〜〜〜!

現実世界とゲーム内のキャラ設定だけでもう勝負あり!

このメンバーを見ているだけで楽しい!

というところまでは予想通りでしたが、

思った以上に良くできており

最後にはホロリとさせられて、心に残る作品となりました。


特によくできてるな〜と思ったのはライフ3つという設定。

最後のライフの使い方にアイデアや個性を出せるのが

すごくいいなと思いました。


あとは終盤、わたしの大好きなタイムリープ要素が入ってくるところ。

現実世界に戻っても、見た目に惑わされず各人を見分けたアレックスと、

そんなアレックスと再会を果たすべサニーの成長には、

涙がこぼれてしまいました。

★★★★