タレ日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

タレ日記

181031

tally2018-10-31

[] 若おかみは小学生!  若おかみは小学生!を含むブックマーク  若おかみは小学生!のブックマークコメント

春の屋には、たくさんの出会いが待っていた!

両親を亡くした<おっこ>が修行するのは、

不思議な仲間たちがいるおばあちゃんの宿

監督:高坂希太郎

脚本:吉田玲子

作画監督:廣田俊輔

美術監督:渡邊洋一

撮影監督:加藤道哉

編集:瀬山武司

音楽:鈴木慶一

原作:令丈ヒロ子

絵:亜沙美


夫の誕生日を祝うため有休。

二人して『アンダー・ザ・シルバーレイク』を観るのを

楽しみにしていたのだけれど、時間が合わず。

各所絶賛を受けておそるおそる夫にプレゼンしてみたところ、

意外にも「逆に興味がわいた!」と言うので行ってきました。

結果、めったに映画で泣かない夫*1も落涙。

「今年ベストかもしれない…」とまでのたまっていました。


わたしは、夫へのプレゼンのために、わりと事前情報を入れていて、

「おっこが良い子すぎる」とか「自由意志をつぶして大人の都合で動いている」

という意見を危惧していたのですが、

そんな風に見えなくてほっとしました。


これは子どもに対してどこまで大人がケアできるか、

子どもの成長に周りの大人がどこまで影響を与えるか、

ということに対する意識の差が、かなり観方に影響する作品なのかも。


個人的には、衣食住の環境さえ整えてあげれば

子どもは勝手に成長していく、と思っていて

むしろ大人がそれをコントロールできるとは思えない。

それほど子どもがもともと持っている個性や生命力はすさまじいものだと、

新米母のわたしは日々実感しているし、勝手に信用してしまっている。

たとえその子ががんばりすぎてしまったとしても

そうすることでしか到達できない景色はもちろんあるし、

子ども時代にしかきかない無茶やがんばりもある。

どんなに言って聞かせてもがんばらない子やタイミングもある。

その影響が大人になった時に出てきたとしても、

それはその時また自分で向き合っていけばいいんじゃないかなと思います。


このへんのバランスがとてもていねいだなと思うのですが、

たしかに誰もおっこを迎えに来ないし、

行きがかりで若おかみになってしまうけれど、

祖母にはきちんと逡巡する様子が描かれているし、

誰も(幽霊は別として)「がんばれ!」とは言わない。

大切なひとを亡くした時、とりあえず手を動かして

誰かに必要とされ喜んでもらうことで気を紛らわし、

まずは生活を続けていくこと―。

適性もあったおかみ業はおっこの支えになっているし、

その上であかねくんと喧嘩したり、車で過呼吸を起こしたり、

グローリーさんと豪遊したり(最高!)、という流れは、

ものすごく健全に大切な人の死と向き合うステップを踏んでいるように見える。

そのまっすぐで生命力あふれる姿は、決して強制されているようには見えない。

なにしろスーパーかっこいい真月ちゃんというライバルのおかげで、

おっこの良い子ぶりが霞む(笑)


生と死の世界がシームレスなのも、とてもよかった。

子どもってこういう風に世界が見えている時期がきっとあるし、

同時におっこの「死を受け容れる力」の推移が可視化されていて、

すごい表現だなーと思いました。

おかげで夫は鑑賞中「シックス・センス オチか?」と

ヒヤヒヤしていたらしいけど。


クライマックス、自分が死なせた相手の子の現況を

押さえていない加害者はやはり腹立たしいし、

それを受け入れるのは酷な話だけれど、

おっこのせりふにはとりあえずおもてなしに徹するという

ニュアンスはあるものの、

個人的な赦しについてはまだ先になるのかな、というバランスがあって、

このあたりもほっとする。赦さなくてもいいんだよ。


ラストは思い出し泣きできるほど。

ライバルと去りゆくイマジナリーフレンドと舞うのを、

亡くした人と出会った人が見守っている。

「ずっとこの時が続けばいいのに…」という多幸感とせつなさ、

でもはっきりまぶしい成長と未来が見える。

大傑作!


★★★★

*1:泣いた映画は『エレファント・マン』と『仁義なき戦い』

181011

tally2018-10-11

[] クレイジー・リッチ!  クレイジー・リッチ!を含むブックマーク  クレイジー・リッチ!のブックマークコメント

私の彼はスーパーセレブ

愛してるだけじゃダメみたい

全世界の女性が共感!

“本当の幸せ”を見つけるためのゴールイン・ムービー!


原題:CRAZY RICH ASIANS

監督:ジョン・M・チュウ

脚本:ピーター・チアレッリ / アデル・リム

撮影:ヴァーニャ・ツァーンユル

編集:マイロン・カースタイン

美術:ネルソン・コーツ

衣装:メアリー・フォークト

音楽:ブライアン・タイラー

原作・製作総指揮:ケヴィン・クワン


ラブコメのジュラシック・パークや〜(?)

王道かつゴージャス。

ヒロイン像に知性や自立、ガッツが求められているあたり、時代を感じました。


基本的には楽しかったのですが、

最高ポイントとノレなかったポイントがわりとはっきりある作品。

主人公をもっと好きになれたらよかったんだけど…。

ヒロイン親子よりミシェル・ヨー親子や

ペク・リン一家の方が好感もてたし、魅力的に見えてしまったんだよね……。

以下、列記。


△最高ポイント

  • シンガポール屋台ごはん
  • ゴッドファーザー オマージュ?w
  • Kina Grannisの"Can't help falling Love"
  • アストリッドの同伴者
  • ソノヤ・ミズノの晴れ姿
  • 雀牌を通して女たちはわかり合ったのだった
  • ニックのプロポーズシーン
  • Awkwafina

▼冷めポイント

  • とにかくヒロインの服装が絶妙にダサい…

友だちになりたくないレベルでダサい……

  • 「頭の中服とバッグのことばっかり」の子にだって五分の魂があるはず。その価値観を見下すひとは見下されてもしかたないのでは??
  • 出自のエクスキューズ要らないのでは?

父親がクズだったとしてもレイチェルの価値に変わりはないって話じゃないのか??


しかし、やいのやいの言いましたが、

ケビン・クワンとミシェル・ヨーの気骨だけでも

泣ける映画ではあります。ありがたや。

https://realsound.jp/movie/2018/09/post-256059.html


★★★

180926

tally2018-09-26

[] デッドプール2  デッドプール2を含むブックマーク  デッドプール2のブックマークコメント

もう、ぼっちじゃない

クソ無責任ヒーロー ド派手にカムバック!


原題:DEADPOOL 2

監督:デヴィッド・リーチ

脚本:ポール・ワーニック / レット・リース / ライアン・レイノルズ

編集:エリザベト・ロナルドスドッティル

プロダクション・デザイナー:デヴィッド・ショイネマン

/ ダーク・ウェスターヴェルト / クレイグ・アルパート

衣装デザイナー:バート・ミューラー / カート・スワンソン

音楽:タイラー・ベイツ


いろんな人から推されたし、めっちゃ劇場で観たかったけど、

DVDにて無念。

オープニングから惜しげもなく投入される小ネタの数々。

ダブステップ推しふいたwww


1のときも薄々気づいていて、2にして今さら確信したのだが、

わたし幼い頃からデップーみたいな男性がタイプなんだよな。

すき!めっちゃすき!

今回サイドキックを務めるザジー・ビーツも

めちゃめちゃかっこよくて、惚れました。

能力も含め、クールすぎる……!

わたしの中の小2がさわぐさわぐ!!


ラストの展開には思わず涙しつつも、

エンドクレジット後に超弩級の爆笑ポイントが待っている。

このバランス、しみじみ好きです。


★★★★

180919

tally2018-09-19

[] 寝ても覚めても  寝ても覚めてもを含むブックマーク  寝ても覚めてものブックマークコメント

愛に逆らえない。

違う名前、違うぬくもり、でも同じ顔。

運命の人は二人いた。

監督・脚本:濱口竜介

脚本:田中幸子

撮影:佐々木靖

編集:山崎梓

美術:布部雅人

衣装:清水寿美子

音楽:tofubeats

原作:柴崎友香


ウワー!邦画2連続で大当たり。

東出さん見たさで行きましたが、ものすごい曲者映画でした。


理屈や正しさやモラルでははかれない愛、

最果てからようやくスタートするかのような関係は、

ファントム・スレッド』(id:tally:20180601)を、

夢から覚めて現実を走り出すラスト、

東出さんをイチと二(もしくは彼岸と此岸)に分割、という点で、

勝手にふるえてろ』(id:tally:20180123)を思い出したりもしました。*1


朝子という人が実際に自分の周りにいたらきついと思うし*2

現実には自分はマヤさんの役回りを演じる側で、全力で亮平に味方するけれど。

でもなぜだか、彼女のやってしまったこと、すごくわかるのである。

彼女が真剣な話に入る際に水道を止めてしまい、

皿洗いで泡だらけの手をもてあました亮平が困っている、

というとても印象的なシーンがあるのだけれど、

ことほど左様に、朝子というひとは不器用で思い詰めてしまうひとなのである。

みんながふつうに通り過ぎてしまうことに立ち止まってしまうひと。*3

また唐田えりかさんがものすごくぎこちない動きをするのもあいまって*4

その愚直さがすっと伝わってくる。

本能で動くひとと観る人もいるかもしれないが、

わたしにはむしろ自分の感情を信頼していないひと、のように映った。

麦とのキスの瞬間にこそ本能が目覚めて、

越えてはいけない地に線を引くことができた。


亮平は「いつかこんな日が来るんじゃないかとずっとこわかった」と言っていたけれど、

おそらく朝子のほうがそれを恐れていたと思う。

実際彼女のやってしまったことは、取り返しのつかない一発退場の案件であり、

彼女自身も「決して許されることではない」とわかっている。

そこから「だから謝らない」「だいじなものをだいじにする」と

自分の意思をひたすらに貫き通す姿勢に、

呆れる観客もいるとは思うが、わたしは勇気がわいた。

強くてシンプルで感情的でいいじゃん、と。

走る彼女を晴れ間が渡っていくようなシーンは鳥肌モノでした。


行くところまで行き着いた男女二人がただただ川を見ている、というラストは、

大好きな小説か漫画で同じものがあったはずなんだけど、どうしても思い出せない。

「汚い川」「でも綺麗」というやり取りは、

頭ではちがうことを考えていても、

とりあえずはとなりで同じものを見続けているのが、

限りなく「夫婦だよなー」と思ったりしました。


他にも、tofubeatsの主題歌の歌詞がすばらしかったり、

最低で最高な合コンのシーンが、わたしの大好きな

「侮って甘く見ていたひとが、頭をかち割ってくれる」件のミルフィーユになっていたりで、

心に残るシーンがたくさんありました。

数多の合コンをセッティングしてきたわたし的には、

朝子×クッシー、亮平×マヤさんもだいぶアリだよ!


あと、このブログの解説、とてもわかりやすかった。

https://www.club-typhoon.com/archives/2018/09/03/netemosametemo.html


原作も読んでみたいし、

この監督の次作が早く観たい!


★★★★


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*1:ニも出てるしな

*2:マヤさんの早産は朝子のせいだと思う笑

*3:だから逆にみんながふつうに立ち止まることに飛び込んでしまうひと

*4:これが演技ならすごいなぁと思いながら観ていました

180913

tally2018-09-13

[] きみの鳥はうたえる  きみの鳥はうたえるを含むブックマーク  きみの鳥はうたえるのブックマークコメント

この夏が、いつまでも続くような気がした

きらめきに満ちた、

かけがえのないときを描く、青春映画の傑作

監督・脚本:三宅唱

撮影:四宮秀俊

美術:井上心平

衣裳:石原徳子

音楽:Hi'Spec

原作:佐藤泰志


大好物の「青春の甘酢ときらめき」「モラトリアム/夏休みの終わり」映画でありつつも、

あまりにも自分に近すぎて、古いかさぶたをはがされるようにも感じた。

なつかしくてなつかしくて目が眩んだ。

Wasted Youth! 使い果たしてしまったもの。


とにかくあの3人組に恋せずにいられようか!

三人とも芯に品と清潔感のある色気が漂っていて気持ちが良い。

とくに石橋静河さん。

おそらく函館三部作がなくとも、

わたしはこの作品から山下敦弘監督を思い出したと思うのだが、

『オーバー・フェンス』(id:tally:20160921)の聡に通じる「運命の女の子」感!

蒼井優と同じく、自分が男だったら

こういう女子にひっかかり続ける人生だったろうな…って気がするんだけど、

もっと同性としての好きポイントも多くて無敵*1

しなやかで体が利く女性、末代までの憧れだよ。

彼女のダンスと一撃必殺の『オリビアを聴きながら』だけでも、この映画を観る価値はあると思う。

あと、個人的には、柄本佑の役がシャレにならないほど元カレそっくりで……。

服や体型、発想や行動や受け答えまで*2、青春*3再放送すぎて気が遠くなりました。

キャストは皆総じてすばらしかった。最高のゲロ吐くあいつも笑。


伸び縮みするような夜、存外高くついてしまったコンビニ、

クラブでしか味わえない多幸感、朝帰りの白み始めた空、酒酒酒、

着ている服が示す関係性、面倒くさくないはずの関係。

雰囲気としては、フィッシュマンズや青い果実、

やけのはらの『THIS NIGHT IS STILL YOUNG』を思い出したりも。

函館なのに、やはり自分は強く東京を思ってしまった。


★★★★


**************************


三宅唱監督と山本亜依さんが登壇するトークイベントで、

質問当てていただきました。


せっかくなので、山本さんの出演シーンで印象的だった

「若さってなくなっちゃうものなのかな?」という科白について、

お二人の考えを伺ってみました。

山本さんは「23才なんですけど、高校生とか見るとめっちゃ若いって思っちゃうんですよ」「でも自分も若い時から基本的には変わっていないと思うし」と。か、可愛い。

三宅監督はまず一言「今持っているものは必ず失われると思う」と。

「ただ、次の段階にも必ず次の新しさ(若さ)があると思う」とおっしゃっていました。

知的で力強い回答。

二人で「函館のひとたち、めっちゃアクティブだったもんねー」と笑っていて、

とてもチャーミングでした。

*1:骨格がうつくしくて、健康そう。性悪度/メンヘラ度が低そう。(個人の勝手な印象です)

*2:ハードワーカーなところと社交的なところが決定的に違うのだが…

*3:というにはあまりにも遅いし近過去なのだが…

180905

tally2018-09-05

[] オーシャンズ8  オーシャンズ8を含むブックマーク  オーシャンズ8のブックマークコメント

ターゲットも、ダマしも、史上最強

目撃者は、全世界。

ド派手に盗め

原題:OCEAN'S 8

監督・脚本:ゲイリー・ロス

脚本・共同製作:オリヴィア・ミルチ

製作:スティーヴン・ソダーバーグ、スーザン・イーキンス

撮影:アイジル・ブリルド

編集:ジュリエット・ウェルフラン

美術:アレックス・ディジェルランド

衣装:サラ・エドワーズ

音楽:ダニエル・ペンバートン


こんなにも「前情報を入れておいてよかったー!」と思ったことはないかもしれない。

脚本はつまらなくて、盛り上がりに欠けると知っていたからこそ、

女たちの尊さに集中できた!

鑑賞後の画像検索までが映画です!!


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最高かよ〜〜〜!

劇中、“Somewhere out there is an eight-year-old girl lying in bed

dreaming of being a criminal. Let’s do this for her.” という台詞が示す通り、

女の子のなりきり/ごっこ遊び魂を撃ち抜くような、チームものだなぁと思いました。


だって、どの役やりたい?ってなった時にどれもいいじゃないですか!

デビー…ケイト様に餌付けできる…。ケイト様とシャボン玉できる…。

ルー…絶対エース。全宇宙のアコガレ。

ダフネ…ハッキリと可愛い。渾身のゲロ演技ができる。

ナインボール…赤いドレスに手甲!リアーナ最強かよ。

アミータ…担当作業的に一番かっこいい!職人。

タミー…既婚子持ち。eBay(笑)。みんなの衣装を担当できる。

コンスタンス…Awkwafina!キュートだよ〜。一押し!

ローズ…メガネっ子。盛り盛りファッション楽しい。可愛子ちゃんにベタ付。フランス語ハッタリ。ヌテラ直食い。


ことほど左様に、推せるポイントが多いキャラなだけに、

和製、グループしばり、ひいては知人や動物などで再キャスティングするのも楽しい。

命や苦労なんぞかけずに、お互いの特技を活かして

サラ〜っと成功できたら、それが一番夢あるよね。

しかし、これをめいっぱい楽しめる男性というのは存在するのだろうか?


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★★★

180828

tally2018-08-28

[] ウインド・リバー  ウインド・リバーを含むブックマーク  ウインド・リバーのブックマークコメント

なぜ、この土地では 少女ばかりが殺されるのか―

世の中から忘れられたアメリカの闇を描いた極上のクライムサスペンス

原題:WIND RIVER

監督・脚本:テイラー・シェリダン

撮影:ベン・リチャードソン

編集:ゲイリー・D・ローチ

プロダクションデザイン:ニール・スピサック

衣装:カリ・パーキンス

音楽:ニック・ケイヴウォーレン・エリス

INSPIRED BY ACTUAL EVENTS.


ふるえるほどおもしろかったです。

とにかくバランスが申し分ない。


白銀の世界で西部劇。

重厚で骨太なテーマとストーリーを

可能な限りエンターテインメントにしてみせる

キャスティングや科白量、

目の覚めるようなアクションシーンや究極の制裁シーン。

陰惨で吐き気のするような現実を示しつつ、

可能な限り被害者の尊厳を回復してみせようとする話運び。

極寒の世界にはりつめる緊迫感と閉塞感、

その中で育った情と絆の熱さ。

極めつけは、ランニングタイム107分の軽やかさ。

神技だと思いました。

★★★★