横塚司『ぼくは異世界で付与魔法と召喚魔法を天秤にかける 1』

 作者のカミングアウトを受けて、買ってみた。
 1巻だけの印象だと、エグい『スカイワールド』といった感じかな。あるいは、魔法技術のない『高度に発達した魔法は神の奇蹟と区別がつかない』というか。全寮制の学校が、突然異世界に飛ばされ、男子生徒は殺され、女性とは陵辱された上で殺される、ホットスタート。死体てんこ盛りの、なかなか正気度低めな展開。あと、出会って一日目でヤってしまう、つり橋効果の凄まじさ。
 良い感じにエロいですね。
 なんか、「なろう」はその手の規制が厳しくて、直接描写しないように苦労したようだけど。


 いじめの首謀者を殺そうと、竹槍の落とし穴を準備していた主人公は、それによってオークを倒し、モンスターに対抗する「スキル」を入手する。さらに、山中でオークに襲われていた下級生の少女を助け出し、協力してオークと戦っていく。
 主人公をいじめていた佐宗芝、後々高等部を牛耳って、主人公と正面対決しそうだな。アリスも、佐宗芝と何らかの関連がありそうだけど。引き取られた先出の義理関係、あるいは実の兄妹だったりするのかね。たまきの方も、何らかの関係がありそうな。
 つーか、アリスって、かなりスカワのかすみと共通性のあるヒロインだよな。

氏家ト全『プチプチたんたんプチたんたん 3』

 女子寮で、氏家作品らしいエロボケが展開されるストーリー。この巻で完結。予想してなくてビビッた。受験勉強をしながら、いろいろとアホなことを。つーか、コンスたん、耳年増すぎるw
 あと、カオルのフラグクラッシャーが。

虚淵玄『鬼哭街:紫電掌』

鬼哭街 紫電掌 (角川スニーカー文庫)

鬼哭街 紫電掌 (角川スニーカー文庫)

 ニトロプラスのゲーム『鬼哭街』のノベライズ。ゲームをするまで、ネタバレは避けようと思っていたのだが、なんか一生する暇なさそうなので、こちらを読んでしまうことに。
 サイボーグ拳法家と魔法の如き内家拳を操る主人公が激突する、サイバーパンク武狭小説。信頼していた朋友に裏切られ、殺されかけ、最愛の妹を奪われた主人公は、復讐し、魂を分かたれた妹を再び集めようとする。死者をよみがえらせるために、修羅の道に墜ちるというは、非常に判りやすい物語だな。
 初っ端から、サイボーグ拳法家を、一気に破る展開で物語に引き込まれた。

Rewrite 第3話 「ウェルカム、超常現象」


 前半は、日常シーンがメイン。ヒロインを順番に口説いていくスタイル。後半は、夜、いろいろな事件に巻き込まれていく。だいたい、こういう構成で行くつもりなのかな。
 リボンの女の子を見かけて追いかけたら、変な兄ちゃんが魔犬を呼び出して、けしかけてくる。絶体絶命のところで、謎の人物に助けられる。なんなんだろうな、この展開。
 そして、静琉ちゃん、かわいい。


 露骨なサービスシーンw

【研究室】研究室に行ってみた。東海大学 海洋考古学 小野林太郎 ナショナル ジオグラフィック(NATIONAL GEOGRAPHIC) 日本版公式サイト

natgeo.nikkeibp.co.jp
 ポリネシアに人類がどう拡散していったかを研究している研究者へのインタビュー。

第1回 ヒト、海洋に出会う ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 海洋への人類の適応、そして、人類の拡散が、研究のテーマ。ニュージーランドイースター島には、800-1000年前と比較的最近の進出。どう、拡散していったのか。バンダ海周辺がフィールドか。
 スンダランドとサフル大陸の時代に、つながらなかった場所。
 多島海で、暖かい海というのは、比較的適応の試行錯誤がしやすい場所か。5-2万年前の第一次移動。オーストラロ・メラネシアンの移動。第二弾が、4000-3500年ほど前。オーストロネシア語族と呼ばれる人々が、南中国から一気に拡散。先住者のオーストラロ・メラネシアンの勢力を微妙に避けながら拡散。より島嶼地域に広がった。

第2回 人は約3万5000年前から100キロの海を渡っていた ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 太平洋の島嶼への拡散って、本当に最近のことなんだよな。そう考えると、外洋での航海の敷居が以下に高かったかがわかる。つーか、知識なしに地平線の向こうに船を出すのは恐怖以外の何者でもないわな。
 あとは、小さな島に進出できるようになった要因としての農耕。通路であり、舞台である、ウォーラシア。
 タラウド諸島リアンサル遺跡。貝ばかりが出てくる。環境によって種類を変える。石器は用途不明。100キロの海を渡ることができる技術。船は、遺物として残りにくいから、何に乗ってきたのか判らないと。

第3回 人類はマグロを4万年以上前から釣って食べていた ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 リアンサル遺跡続き。陸上の蛋白資源が少ないのは仕方がないとして、魚の骨が出てこない不思議。さらに、貝の堆積層が非常に薄く断続的で、移動してたらしいこと。食料が足りなくて全滅したのか、近辺を移動しながら生計をたてていたのか、捨てて新天地に行ったのか。
 続いては、東ティモールのジェリマライ遺跡。マグロやカツオの骨が出てきて注目されていると。外洋性でスピードも速い魚を漁獲するのは、技術的なハードルが高い。それが、4万年前の遺跡から出土した。既知の遺跡の成果から、1万年以上遡ったと。釣り漁のもっとも早い段階の証拠と。

第4回 人類拡散の最終章をつづった謎のラピタ人とは ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 最初は魚骨の同定から始めているのか。どこで学んだんだろう。
 オセアニアの外洋への拡散を担ったラピタ人をめぐる話。特徴的な土器を作っていた文化だが、あるとき突然土器作りをやめてしまった。不思議な話だな。あと、文化そのものは、地元で突然変異的に出現した可能性もあるんではなかろうか。
 あとは、魚骨の同定をめぐる問題とか。顎の骨の同定とカウントは行われていたが、外洋のマグロやサメなどの魚の椎骨は放置されてきた。しかし、環境への適応や生計への比重を考えると、それは片手落ちなのではないかと。大型の魚類だけに、生計への比重は大きかったのではないかという。

第5回 “楽園の人類学”の扉はどのように開かれたのか ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 小野教授が、どうしてこのテーマを選んだかの話。
 海外では、考古学は人類学の扱いなのか。つーか、海外の考古学の考え方が。点で掘って、絶対年代を求めればいいって、そりゃ、先史時代の研究がもめるわけだ。
 日本の考古学の「面」で見る手法は重要だったと。

第6回 海底に沈む遺跡を究める「水中考古学」に刮目せよ! ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 東海地方で、水中遺跡の情報集めか。とりあえず、漁師やダイバーから聞きだす。江戸城に使われるはずだった瓦を積んだ船が沈んでいる可能性とか。今は、水中に残しておく流れなのだとか。発掘にも、保存にも、お金がかかるから、下手に滅失するなら、水中に残しておいたほうが良いと。しかし、可能なら引き上げて調べて欲しいところだな。船員の私物なんかは、非常に興味深そうなのだが。
 人間の移動という観点からは、水中考古学は関係あると。