The bus stops here in Detroit.
勝った…。ああ、何から書いていいものやら…。
朝起きて、早速Pittsburghで買ったBettisのジャージを着て、TerribleTowelも腰に装着。まだ試合開始まで7時間以上あるのに。
どうにも勉強に身が入らず、アパートメントのエアロバイクで汗を流す。
シャワーで身を清める。
2時半から、ABCのPreGameShowが開始。結局5時半まで見る。
PreGameShowで、スティービーワンダー登場。その後、選手入場。PITは、Bettisだけを一人で先に走らせた後、他のメンバーが入場。この時点で既に涙腺がじわっと…。
試合開始。オフェンスが全く機能せずやきもき。Alexanderは止めているものの、Passをリズム良く通され、非常にびびる。今日のBenはおかしい。Rushingもやっぱり出ない。非常にマズい展開。でも、ディフェンスが粘り強く止めてくれる。本当に頼りになる。
FGで先制される。まぁ、ずっと攻められっぱなしだったからしょうがない。
FGレンジに進入したかと思いきや、ペナルティとサックで3rd&long。ここでBenの神パスあ&Wardの神キャッチ。流石Ben。やるときゃやる。Bettisで2回トライしたあと、Benのスクランブルで逆転。頭からのDiveに、思わずElwayを思い出す。
なんとかSEAの攻撃を抑えて、HalfTimeへ。
Stonesが歌っているが、前半のあまりの内容の悪さに気が気でない。7-3で勝ってはいても、オフェンスは最悪。後半は、こちらのオフェンスからだから、ここでTDを取れば11点差で、Cowherの不敗神話ゾーン(11点差をつければ100勝1敗)に突入できていいなぁと妄想。とにかくRushingが出ないと困る。
後半開始直後、妄想が現実に。FanekaがPullOutからの神ブロックで、Parkerの神Rushing。半分勝った気になるも、危なっかしさがPITのチャームポイントだしな…、と一抹の不安が。
SEAのオフェンスを抑えたあと、RedZone突入。Rushingを仕掛けた後のゴール前3rdDown。ここでTDなら、ほぼ試合は決まり。たとえFGで終わっても、14点差になるだけで、今日のPITディフェンスならMAXでも2TDだろうと頬がゆるむ。
そしてINT。Benが追いすがるもあえなく突き飛ばされて転倒。そしてTD。4点差。洒落にならん。
相変わらず点が取れる気がしないオフェンス。一方、SEAがリズム良くドライブしてRedZoneへ。完全にモメンタムはSEA。
しかし、この大ピンチで起死回生のINT!
でも、相変わらずオフェンスが心配。今日のBenは腕が縮んでいるし…、というところで、リバースプレー。ボールを持ったのはRandleEl。ということは…。
ロングパス来たーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
Ward捕ったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
あまりにPerfectなPlayCallに、嬉しさのあまり涙が。泣いた。カッコ良すぎ。これで再びモメンタムを取り戻す。
Kordell、10年前お前ができなかったプレーを、今日、RandleElがやってくれたよ。
ディフェンスがSEAをしっかり止めて、11点差、残り6分でオフェンス。TDを喰らってOnsideKickも成功したら逆転される、と逆妄想が頭をグルグル。絶対にボールをキープしたい。
ここで、Benが要所で1stDownを獲得。Busもきっちりボールを進める。Benのスクランブルで1stDownを獲得したあと、何と、あのCowherが勝利を確信したかのような笑顔。Colts戦で、Bettisのファンブルの直前でも「まだ試合が終わっていないから」とセレブレーションを拒否したCowherの笑顔に、これはもう勝ちだと思って良いのかと思いはじめる。
2MinuteでSEAボール。タイムアウトもゼロ。もはや客観的は判断ができず、TD&FGの逆妄想が頭をぐるぐる。Holmgremのしかめっ面が怖くてしょうがない。何せ、GBでSuperBowlに出たとき、DENにわざとTDさせてRedZone近くまでオフェンスしたHolmgremだ。
ブイブイと進むSEAオフェンス。実況も、ほぼPITが勝ったようなことを言っているが、まだHolmgremが怖くてしょうがない。4th&10を通されて、さらに怖くなってきた。
そして二度目の4th&10。レシーバーからボールがこぼれる。Flagは?ない。勝った?勝ったの?
そして、残り3秒からニーダウン。勝ち確定!
ああ、長かった…。ほんと、BigPlayが決まったから勝ったものの、SEAのミスとペナルティがなければ完全に負けだった。両チームともミスが多くて、大味で、なんだか、ある意味、みっともない試合だったような気がしないでもない。
でも勝ちは勝ち!!!!
表彰台で、VinceLombardiTrophyがRooneyOwnerとCowherの手へ。
そして、Bettisが高々とTrophyを掲げ、自信に引退について尋ねられて、
"The Bus stops here in Detroit."
ほんと、でき過ぎのストーリー。ありがとう。BUS。あの生で見たCHI戦の100YdRushは、本当に感動したよ。一生自慢します。
俺達は10年待ったんだ
あー、長かったなー。もう、ものすごいセンチメンタルな気分。
11年前、AFC Championshipで、逆転をかけた最後のプレー。そこで笑顔でBarryFosterを送り出したCowherに男気を感じ、以来、Cowherにもうメロメロ。奴こそ男の中の男。
翌年、Coltsの最後のHailMarryPassを叩き落として第30回スーパーボウル進出。相手は、当時最強のDallas。Aikman、Smith、Irvinのトリプレッツ。おまけにDeionSandersまでいた。対するPITは、Woodson、Lloydをはじめ、ディフェンスは申し分ないものの、オフェンスが脆弱。前評判は圧倒的にDallas。
しかし!!!
後半、7対20と離されるものの、FGで10点差とした後に、第4Q残り11分からまさかのFakeOnsideKick!!
Cowherの男度が、ここで最高潮に。これほど興奮したプレーは、今日、RandleElのTDを見るまでなかった。
このオフェンスをTDでしめくくり、いよいよ3点差。
続くKickoffは、通常のKickoffのあと、ディフェンスが魂のプレーを見せる。あのAikmanから尻餅をつくような気合のサックを奪ってボールを取り戻して、残り4分からPITの攻撃。明らかにモメンタムはPIT。時間を使い切ってTDを奪えば逆転優勝だ、さぁ、攻撃だ!というところで…。
QBのOdonnelがまさかのINT…。しかも、ディフェンスにストライクを投げるようなINT…。
結局、このあとTDを奪われPITは敗戦。これ以降、Odonnelは「使えない」の代名詞的存在として歴史に名を残すことに…。いや、彼も頑張ったと思うんだけどね…。でも、やっぱり、当時は、ものすごいやるせなさが残ったよ…。
ちなみに、このあたりのSteelersを知るには、以下の文章が最高に燃える。
(日本のPITファンの間では、半ば伝説級の文章かも)
http://www2.biglobe.ne.jp/~steeler/ts.html
ともかく、熱いアゴ男カウワーは、あのAFC Championshipの笑顔とSuperBowlのオンサイドキックで、完全に自分のヒーローに。いつか、この熱い男の率いるチームを生で見なければならないと心に決めて…。
10年たって、大学も卒業して、会社に入って、留学して、ついにPittsburghで生観戦して、なおかつそのチームがSuperBowlで勝つなんて…。
Cowherがいなかったら、留学なんてしてなかったかもしれない。そのCowherがついにChampionに。
もう、最高っすよ。ほんとに。
出来過ぎた物語
もう、止まらないセンチメンタルモード。
まさに、今年のSuperBowlは、BettisのためのSuperBowl。
物語のスタートは、昨シーズンからだろう。シーズン途中で先発になったルーキーBenRoethlisbergerが、あれよあれよと勝ち星を積み上げて何と15勝1敗。しかし、AFC Championshipで、そのBenが未熟さを露呈して敗戦。
去年の時点で、すでに最後のシーズンかと言われていたBettis。彼のために、チームは一丸となって戦ったものの、まさかの敗戦。WardはインタビューでBettisのことに触れて思わず涙を流し、Benは「来年、必ずSuperBowlに連れて行くから残ってくれ」と懇願。Bettisはもう一年残ることに。
そして迎えた2005年シーズン。序盤は快調に勝ち星を積み重ねたものの、Benが負傷。代わりのMaddoxが全く使えず、3rdQBのBatchも煮え切らない出来で、3連敗。好調Bengalsに首位を奪われ、7勝5敗では、4地区制になったNFLでのWildCard獲得のためにはもう全く負けられない状況。次の相手は、強力ディフェンスで8連勝中のBears。
ああ、果たしてBettisはこのまま引退してしまうのか…。そんな不安を感じながら、自分は10年かけてやっとたどり着いたPittsburghで、Bettisの復活とチームの勝利を願って黒の36番のジャージを買ってハインツフィールドに乗り込んで…。
いや、もう、あの試合は奇跡だとしか言いようがないかも。
雪の中、NFC最強ディフェンスを相手に走りまくるBettisは何と100Yd突破。咆えまくるBettis。大興奮のファン。
チームも勢いづいて、以後のレギュラーシーズンの試合を全勝して、WildCardの2位で滑り込みでPlayoff進出。
Playoff初戦。去年は、Jetsにギリギリまで追い詰められたものの、今年は危なげなく突破。
Colts戦。今季の話題をほぼ独占したチームを相手に、Benが昨年とは別人のような落ち着いたプレーぶりで攻撃をリード。最後、Bettisがまさかのファンブルをした際に、逆転TDからチームを救うタックルまで見せる獅子奮迅の働きぶり。
続くBroncos戦でもBenは完璧なプレー。とうとう、本当にBettisをSuperBowlまで連れて来てしまった。
SuperBowlまでの2週間は、Bettisの話題ばかり。チームがBettisのノートルダム時代のジャージを着てきたとか、Bettisが市長を表敬訪問したとか、ひたすらBettis。
試合前のPreGameShowでもBettis。
選手入場で先頭を一人で走っていったのもBettis。
PITらしくないBenのミスはありながらも、PITらしいオプションプレーとディフェンスで見事に勝利を掴んで、Cowherがロンバルディトロフィーを手にした後、Bettisが壇上でそれを高々と掲げ、引退を表明。
Bettisは、いつも笑顔を絶やさず、黙々とチームのために走り続けて、その晩年にBenがやってきて、何度も希望が潰えそうになりながらも、その度にカムバックして…。
ほんと、出来すぎだよな。