カメラ万歳

暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものですね。このところ急に涼しくなって何だか生き返った心地がします。暑さのためにオーバーヒートしていた脳味噌が再び活性化してくるのが分かるようです。
となるとまたぞろあれこれと動いたり考えたりしたくなって来る性分がでてきます。昨日は東大谷へ彼岸参りと午後から自転車ショップへBMCのオーバーホールを依頼。夕方からは久しぶりにサーベロR5に跨がって60キロ程走ってきました。じっと出来ないんですね、僕は。
今日はうちの墓参(浄土宗)のあと畑に植える白菜の苗と水菜の種を買いに園芸店へ。そろそろ畑も夏野菜が終わりを告げだしました。帰宅後また自転車に乗るかオートバイでぶらりと葡萄でも買いに行くかと思っていたのですが、生憎天気が今ひとつ。
そこで、部屋に籠って読書をしていたのですが、ふと防湿庫がわりにしている本棚のカメラ達に目が行きました。そうだ、この機会に気になっていたデジカメの性能テストでもしてみようと思い立ち、愛機達を並べて写してみました。
あくまで素人判断ですが結構面白かったのでここに上げておきます。

今使っている5台のデジカメはNikon D700、Olympus OM-D E-M5、Olympus Pen E-p1Epson R-D1sFujifilm FINEPIX W3 REAL3D です。そのう3DのW3を除いて4台の写り方の違いを比較してみました。
ただし、画像はjpegで圧縮をかけてありますので画面上では分かりづらいかと思います。
使用レンズの焦点距離はまちまちですが全てf5.6にあわせてあります。といっても収差がレンズごとに違うので特に周辺部では比較にならないですね。



先ずはNikon D700。撮像素子はソニー製 35ミリフルサイズ(36.ミリ×23.9ミリ) 1210万画素 COMS


次はEpson R-D1s。撮像素子はAPS-c(23.7ミリ×15.6ミリ)610万画素CCD



これはOlympus OM-D E-M5で写したもの。
撮像素子はソニー製4/3型(17.3ミリ×13.0ミリ)1605万画素 LiveMOS


最後はOlympus Pen E-p1です。これの撮像素子はパナソニック製4/3型(17.3ミリ×13.0ミリ)1230万画素 LiveMOS

撮像素子を取り上げてみるとCCD対CMOS対LiveMOSということになり、さらにLiveMOSはソニーパナソニックという面白い構図となりました。
Nikon D700は期待してたんですがそのわりにはと言う感じです。というかそもそも僕はCMOSに対してあまり好感を持っていないという心理的影響もあるのだと思いますが35ミリフルサイズの大きさの割に描写が普通じゃないかと思います。とは言えエンジンが秀逸なのでしょう、過不足なく写りますしCMOS特有の暗部のノイズをよく抑えています。使っていて安心感のあるカメラですね。やはり一画素あたりの面積が他の3台を圧倒する広さなので豊かなダイナミックレンジを確保していると思います。できれば時代逆行的ですが1000万画素程度にスペックダウンしたほうがより良いのではないかとふと思ってしまいます。しかし、さすがはNikon、いざという時には必ず期待に応えてくれます。旧い手動レンズも殆ど認識できるので僕には有り難いです。
Epson R-D1s、発売からだいぶ時間が経ちました。デジタルカメラで最初のレンジファインダー機ですね。フォクレンダー(コシナ)製でマウントはいわばライカMマウントなので、往年の銘レンズ達がそのまま使えることもあり手に入れたカメラです。ライカはバルナックIIIf、M3(シングルストローク、ダブルストローク)、M4-p(カナダライカ)と持っていますが今はバルナック以外は全て元箱入りで厳重保管!していますので、それに替わるボディーが欲しかったところにこのEpson R-D1sが出ましたので飛びつきました。
さて、このカメラのユニークなところはシャッターチャージ、ピント合わせ共に手動だというだけではなく、作られた意図がはっきりと「銀塩」を意識しているところでしょう。階調豊かなCCD(原色フィルター)により広いダイナミックレンジを得ています。たぶんこのCCDを使いたかったがためにシャッターその他の部分に電子化しなかったんだろうと思ってしまいます。CCDは原理的にはCMOSを遥かに凌ぐ性能なんですが如何せん、電気を沢山喰うのですね(コストもかかる)。でもその結果非常にきっぱりとしたカメラに仕上がったと思います。またAPS-Cという規格に610万画素は非常にバランスが良いと思います。モノクロで仕上げるとまさに銀塩らしい粒子感を感じます。ちょうど富士フィルムのプレストをEI200としてミクロファイン1:1で仕上げた感じです(笑)すごく質感がいいんです。それを思うと昨今の画素数競争には虚しさを感じてしまいます。デジタル写真の良し悪しは一画素あたりの受光量が決め手だといえますので、撮像素子自体の大きさから判断しないとだめなのです。そう言う意味からもR-D1sは良いカメラだと思います。ただし残念なのはAPS-Cサイズなのでレンズ焦点距離が約1.5倍になってしまい、レンジファインダー本来の広角での使い方が出来ないと言う、なんとも内部矛盾なカメラなんです。
そう言っているうちに、とうとう御本家ライカがモノクロ専用デジタル機(Mモノクローム)を出してきました。M9、M(M10という表記にはならず)にはあまり興味はないのですがこれは一度使ってみたいです。非常にお高いですが。

さてさてOlympus OM-D E-M5。発売前から色々物議をかもしたカメラですね。ある有名な写真家の言葉も憶測を呼び、期待と不安でもう大変でした。ご存知かもしれませんがLiveMOSがどうやらパナソニック製じゃないらしいという噂でした。4/3(フォーサーズ)規格自体がオリンパスパナソニックとの共同開発で、もちろんLiveMOS素子もそうだったはずです。
Olympus Pen E-p1ではたしかにパナソニック製でした。しかしOM-D E-M5では画素数が増えたばかりではなくその写りが全く違うのです。最後まで噂されていたのがサムスンソニーかということでした。
結果は数日前にオリンパス社長自ら「ソニー製」であると暴露されあっけなく知れることとなりましたが、ソニーとの提携が水面下で行われていた証拠ともいえるものでしょうか。そう言う意味でもOM-D E-M5は歴史的なカメラと言えそうです。
さてその画質ですが、たしかにびっくりの綺麗さです。ダイナミックレンジもまあまあ。暗部の描写も素晴らしくノイズも綺麗に補正されています。さすが第三の極LiveMOS、ちゃんと作ればどんなモンだいというところでしょう。でもなにか物足りません。深さのようなものが感じられないんです。でもこれはあくまで銀塩フィルムと比べてという前置きがあり、全く主観的に過ぎませんが。もひとつちょっと気になるのがスイッチを入れるとすぐに「ブーン」という音がしてきます。冷却ファンのような音で違和感があります。僕が慣れてゆかないといけない次世代のカメラという感じです。

Pen E-p1についてはあまりいいところがありません。まずダイナミックレンジがなさすぎです。派手に白飛びは起こすし(ライカの文字が消えかかっている)、暗いところはいきなり潰れてしまう感じです。背面のスイッチ類も決して使いやすいとは言い難く、何かに触れてしょっちゅう誤入力してしまいます。動画撮影ではAFのカチカチ言う音をもろに拾ってしまいますし、まったく泣かせるやつです。でも何故か一番出動機会が多いカメラなんです。たぶんその醸し出す気軽さ故でしょうか、出来が悪いが憎めないやつなんです。テレビCMの宮崎あおいにほだされた訳ではないと思いますが。それにしてもパナソニック製のLiveMOSはあまり優秀じゃないのでしょうか。

長々と与太話をしてしまいましたがどれも愛機に代わりはありません。どのカメラもみんな好きだというのが結論でしょうか。
ちなみに意外に良いのがFujifilm FINEPIX W3 REAL3D 。立体写真が撮れるデジカメとして珍しい存在ですが、普通の写真もすごくいいのが撮れます。なんたってCCDですから。

※写っているカメラ達、右からホースマン3D、後列隣りがライカIIIf、Nikon F3、SOKOL automat、前列右からVoskhodソ連製縦型カメラ)、Corfield Periflex Goldstar(イギリス製潜望鏡カメラ)、カール・ツアイス・イエナ werraです。どれももちろんフィルム機。暗室をデジタル化してからとんと出番がなくなりましたが、これを機に使ってやろうか知らん。フィルム現像だけは今も出来ると思うので。