This Boy
昨日のエントリーで「音楽的に幸せな80年代」と書いたが、中学→高校→大学と一気に駆け上がる記憶の中で、その時に聴いていた音楽がその場面場面にしっかりとBGMのようにぴったり寄り添っているなと思うので、自然にそう書いてしまった。当時は時間に余裕があったので、レコードのライナーノーツをじっくり読むのが好きだった。今はそんなことも少なくなっちゃったけど。
特にプロデューサーは誰で、そしてどんなスタジオミュージシャンが参加しているのか?という要素が、自分の中で非常に大きなウェートを占めていた。ティン・パン系、KYLYN系、YMO系...それぞれオーバーラップする部分はあるけれど、そのような人脈に絡む人たちが絡んだ作品だと、聴く前から気合いを入れて向き合おうという気持ちになった。
その尊敬すべきミュージシャンのひとり、佐藤博さんの「This Boy」。
This Boy / 佐藤博 (1985)
ジャケットのイメージからすると、鳥山雄司さんのようなフュージョン(またはクロスオーバー...、死語ですか?)を連想しますが、佐藤さんの弾くピアノはあくまでもブルージー、且つファンキー。しかも、そのほとんどの曲は歌もので、ボーカリストとしてもハイレベル。すんなりと入ってくるメロディは心地よく、このアルバムに収録の「ANGELINA」は当時TV-CM曲(アパレルメーカーのコスギ産業「ジャンセン」ブランド)になっているので耳にしたことはあると思う。
佐藤さんのピアノが大きくフューチャーされた吉田美奈子さんの「Flapper」を聴くと、しっとりとした曲が多かったそれまでとは異なって、やはり大人っぽいファンクの要素が追加されて、「Twilight Zone」以降の地鳴りのような音楽スタイルへと結実していったのでしょう。そうだ、「Monster Stomp」なんて言い得て妙だなぁ。
実は、今まさに佐藤博「再評価」マイブームなんです。今日なんて、再販されている「awakening」(1982)と、最新アルバム「AMAZING II」(2006)をAmazonで買ってしまった。
それというのも、村上ポンタ秀一さんの著書「自暴自伝」を最近読んだからです。いいですね、80年代は。
この本に書かれている内容については、また今度。
しかし、「ポンタ」の由来はこれだったのか〜。
- 作者: 村上”ポンタ”秀一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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