2009年の5冊(漫画)
ちょっと早いけど、年末年始は旅行に行くのでまとめておきます。例によって、今年単行本の一冊目が出た作品の中から順位をつけて選んでみます。
第五位:高橋しん「花と奥たん」→
ゆったりとした奥たんの日常とおいしそうな料理、という主題をビビッドに描くためだけに異常な世界設定を設ける構造が面白いです。この構造、恋愛以外でも使えるんだw
第四位:森薫「乙嫁語り」→
連続したコマ割りで表現される動きと、丁寧に表情で描写される心の動きがすばらしいです。ストーリー的にはまだ始まってもいないけど、描写と演出のクオリティはすごすぎて何かを超越してる気がします。
第三位:TOBI「銘高祭!」→
高校の文化祭(の準備)を扱った作品。ひたむきに“今”を楽しむ(やってる本人は大変だろうけど)登場人物が少しうらやましいですw
第二位:タカハシマコ「ニコ」→
可愛らしさと同居する冷たさ残酷さというタカハシマコの特徴が一番わかりやすい作品だと思います。「乙女座・スピカ・真珠星」(→)の方がとっつきやすいけどw 実は初めて読んだタカハシマコ作品だったりします。
第一位:めいびい「黄昏乙女×アムネジア」→
幽霊の夕子さんと一緒に、不思議な現象を論理的に解明していく、というストーリーも面白いのですが、別にエロいシーンじゃないのに妙に色気のある夕子さんの作画に注目ですw 黒髪乙女好きは是非。そんな感じ。
2009年の5冊(小説)
調子が出てきたので一気に行っちゃいます。今年文庫が出た作品の中から順位をつけずに選んでます。
・新城カズマ「15×24」→→
“死”についての物語であり、いたるところでテンションの高い<24>であり、現時点でまったく終着点が見えないこの作品。今年中に完結するのにまだ半分しか読んでないけど、それでもここで取り上げないわけには行かないだけのテンションと面白さを持った作品だと思います。
・万条目学「鴨川ホルモー」→
股間の下の素敵なサムシングを往来で揺らしたり、くだらないことにプライドをかけて戦ったりする、どうしようもない学生生活が楽しい作品でした。どうでもいいけど、某作家の詭弁論部と本作の青龍会はどちらが不毛楽しい学生生活なんですかね?
・恩田陸「ネクロポリス」→→
幻想的な雰囲気と世界観を書かせたら右に出るものはいないであろう恩田陸の、本気の幻想小説。相変わらずオチは微妙な気もしますが、完璧に構築された耽美的な世界観には圧倒されます。
・有川浩「海の底」→
日本の自衛隊基地を怪獣が襲ったらどうなるかという社会派実験小説でありながら、閉じ込められた自衛官と子どもたちの交流を描いた子守小説でもあり、同時に不器用な恋愛小説でもあるすばらしい作品でした。
・山本弘「アイの物語」→
設定としてはロボットSFなのですが、AIの主張の法が人間より正しいという、というか僕らは何か間違っているのではないかという思いにすらとらわれるすさまじい話でした。人間と社会に対する失望と、そんな現状をフィクションの力で変えようという真摯な思いが伝わってきました。今年のベスト。
こんな感じかな。読んだ作品はちょっと減ったような気がします。(´-`).。oO(今年はあと一週間くらいあるけどな)